見出し画像

もったいないだけじゃない。食品ロスの問題点と私たち個人にできること。

1.はじめに

こんにちは。
ラバブルマーケティンググループでSDGs推進を担当している相澤です。

まもなく節分👹
節分の日はいつからか恵方巻きを食べる習慣ができましたね。
子どもと一緒に作ろうと思って調べていたら、恵方巻きのロス削減に関する記事を発見しました。

一時期、節分後の恵方巻きの廃棄が社会的な話題になった時がありましたが、農林水産省は食品小売業者に対して、需要に見合った販売を呼びかけるなどの取り組みをしていたんですね。

予約販売を実施したり、サイズやメニューを工夫したりすることで、節分時の廃棄率が前年度より減少した事業者は87%もあり、そのうち31%が6割以上も削減できたようです。

<恵方巻きの廃棄の削減状況に係る調査結果(平成31年)>

スクリーンショット 2022-01-28 0.28.27

出典:農林水産省

まだ食べられるのに、捨てられてしまう食材がある…。
飢餓に苦しむ人は世界で7億9500万人もいるのに…。(2015年時点、国連広報センター
この矛盾に対しては常に悶々としていたので、これを機に食品ロスについて調べることにしました。

食品ロスが問題になっていることをご存知の方は多いと思いますが、問題点まで答えられる人は多くないのではないでしょうか。今回は食品ロスの問題点は何かを知り、改めて個人としてできることを考える機会にしていただけたら嬉しいです。

2.食品ロスの問題点とは?

農林水産省及び環境省の資料によると、2019年の⽇本の「⾷品ロス量(令和元年度推計値)」は約570万トン、国⺠1⼈当たりに換算すると、毎日お茶碗1杯分の食料を捨てているのと同じだそうです。

とてももったいないですね。

もったいないだけでなく、ゴミとして出された余った食べ物が可燃ゴミとして処理されるまで、運搬や焼却の際に二酸化炭素を排出しますし、焼却後には灰の埋め立ても行うため、環境負荷につながります。

さらに、このままの状態が続くと、将来的な人口増加による食料危機にも対応できなくなるといわれています。

また、国連の推計によると2050年の世界人口は、約97億人にのぼるとみられており、栄養不足で苦しむ人がますます増え貧困に拍車がかかるのです。

そのため食品ロスの削減は、日本のみならず、世界における喫緊の課題として、SDGsのターゲット12.3に盛り込まれているのですね。

「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」

日本における食品ロス量は依然として多いものの、2015年をピークに年々削減することができています。

<⾷品ロス量の推移>

スクリーンショット 2022-01-28 1.33.38

出典:農林水産省

3.食品ロスの一因と言われる日本固有の商慣習とは?

日本が毎年削減できている背景には、食品業界など事業者の積極的な推進があったと考えられます。

例えば、「3分の1ルール」と呼ばれる日本固有の商慣習の見直しです。

メーカーが製造日から賞味期限までの最初の3分の1の期間までに、スーパーなどの小売店に納品しなければ、商品を廃棄するという独自の商慣習があり、これが食品ロスの一因になっているとの指摘の声もありました。

これを「2分の1ルール」に見直すことにより、製造日からより長い期間で納品できることになり、賞味期限内の食品を廃棄せずに済むのです。

スクリーンショット 2022-01-28 11.17.40

出典:農林水産省

また、賞味期限表示を日単位から月単位に変更する「賞味期限の年月表示化」もあります。「○年○⽉○⽇」まで表示させていた賞味期限を「○年○⽉」で表⽰することです。

スクリーンショット 2022-01-28 11.54.19

出典:農林水産省

賞味期限が月末まで延びることにより、食品ロスを削減できると言われています。
それだけでなく、配送や在庫などの管理がしやすくなるため、物流効率化の効果もあるので良いことづくめですね。

4.個人でできることとは?

先ほどご紹介した、2019年の⽇本の「⾷品ロス量」約570万トンのうち、約45%は家庭から発生しています。
私たち個人でできることは何があるのでしょうか?

農林水産省のサイトでは以下のことを推奨していました。

「買い物をする時」
・家にある食材を事前に調べて必要な分だけ購入する
・すぐに食べる商品は陳列順に購入する
・季節商品は予約購入する
・空腹時やイライラしている時は買い物に行かない
「調理をする時」
・体調や予定を考慮して食べられる分だけ作る
・食材に合った保存方法で長持ちさせる工夫を
・保存食の消費期限切れに注意
「外食をする時」
・食べきれる量を注文する
・苦手な食べ物が入っていないかを事前にチェック
・「30・10運動」を心がける
※「30・10(さんまるいちまる)運動」とは、乾杯の後の30分間とお開き前の10分間は自分の席について料理を楽しむこと。

引用元:農林水産省「今日からはじめる食品ロス削減のためのヒント」

こうした政府の普及活動に加え、メディア報道や企業の努力もあり、既に知っている内容が多いと思いますが、一人一人がさらに気をつけて少しでもロスを少なくできるとよいですね。

また、賞味期限が近くなった食材を積極的に購入したり、調理してもらったりすることができるサービスもあります。

例えば、ネスレ日本株式会社は、通常の流通ルートで販売が困難になったネスレ製品を無人販売機で販売する試みを開始しました。
キットカットやネスカフェ エクセラなどが、通常価格より安く買えて、社会貢献もできるのは嬉しいですよね♪

一般社団法人フードサルベージでは、家庭で使いきれない食材を持ち寄って、プロの料理人や料理が得意な人に調理してもらって食べる「サルベージ・パーティー」を提供しています。

マイナスなイメージに捉えられかねない「食品ロス」を、楽しい場作りに転換する発想が面白いです。
コロナが落ち着いたら私も参加したいです。

5.おわりに

食品ロスの中には、店頭に並ぶ前に廃棄されてしまうものが少なくない…。そしてそれは古くからの商慣習が元になっていたことに大変驚きました。

メーカーとしての責任で安全を取っていたと思いますし、消費者側もこれまでは賞味期限が少しでも長い食材を購入しようとしていたので、これまで大量の食品ロスが起こっていたのだと想像します。

「残したらもったいないよ」
親からそう言われて育っている私は“もったいない感覚”を持っていますが、これを子どもに伝えることも個人でできることの一つなのかもしれないと感じました。


コロナ収束後は、春の花見や送別会・新年会など、人が集まって食事をする機会が増えてくるかと思います。
その際に少しでもフードロスのことを思い出してもらえたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

画像5


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?