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『LOST:SMILE memories + promises』感想

●はじめに

まずこれを見てください

はい。めっちゃよくないですか?

このOPがとても良くて、しかもキャラクターの絵柄が好みだったため、2023年の12月に購入して、やる暇がなく積んでいたが、暑くなってきて夏っぽいゲームがやりたくなる発作を起こしたため、急遽命を削りながらプレイした。


●感想(ネタバレ無し)

前編ヒロインが3人、後編ヒロインが3人の計6人分もルートがあり、筆者がプレイした感じ合計30時間弱と、かなりボリュームがある。

○前編ヒロイン

・東雲美鈴
 伝説厨。ちょっとずれた感性を持ってるオカルト大好きおもしろお姉さん。ずっと伝説の話してるし、探検してる。


・与那嶺純
自転車で海に突っ込む系ヒロイン。めっちゃ元気でかわいいけど、自分がドジっ子なの気にしている。人懐っこさが完全に犬。歩く嵐。


・一条めぐる
主人公の命の恩人なのだが、喋り方が芝居がかっている上に、ワードチョイスがぶっ飛んでるせいで別世界。でも、守りたくなるほどかわいい。


○後編ヒロイン

・みひろ
喫茶店を経営してる調子の良い気さくなお姉さん。主人公との掛け合いがテンポ良くて面白い。出てくると大抵コントになる。お店にメニューが無く、注文するとなんでも出てくるため、お寿司まで握れる。喫茶店とは。


・真咲湊
主人公が宿泊することになる民宿「真咲」の一人娘。主人公同い年なため打ち解けるのが早く、友達の距離感で接してくれる。ツンデレなので照れた時の破壊力がやばい。


・???
ルートに入らないと出てこない上に、存在がネタバレ。この子のルートがこのゲームのグランドルートになっている。


個別ルートはあくまでも各ヒロインが自らの失ったものと向き合っていきながら、そのヒロインが掘り下げられるもので、このゲームの本筋の内容は5人のヒロインを攻略した後に解放されるグランドルートでのみ進行する。読みものとしてシナリオが本当に素晴らしかった。


ガチ推しサブキャラクター
・真咲由希子

かわいい。初対面時、主人公が一目惚れしてて、湊の母だと気がついていなかったが、これは仕方ない。声がめちゃくちゃ良いし、手料理食べたいし、朝起こされたい。


○全体的な感想

船の上から始まって、普通に島に着くんだろうなと思ってたら、初日から怒涛の展開すぎて、つかみの部分がおもろすぎる。二日目からは多少イベントはあるが、基本的にのんびりとしてて、南の島に旅行しにきた感じがとても良い。海産物とか絶対美味しそうだから美味しいお刺身とか食べたくなる。背景の田舎にしかない特有の小物とか、旅館の部屋から出っ張ってて窓があって、テーブルとイスが2つある応接間みたいなのあるの解像度高い。

キャラ同士の掛け合いが、ちょっと前にふざけて言った冗談を擦られてたり、複数人いる時に会話の動線が良い意味でごちゃごちゃする感じなのが現実味あって良い。かなり多めに選択肢があるのが、自分が主人公になってる感じでおもしろい。

日が変わると、日付が出るという仕様で、時間が過ぎていることを感じられて、夏休みを過ごしていると実感できて良い。システム面の欲を言えば、シーンジャンプとゲーム終了ボタンが欲しかった。



───以下ネタバレ注意───



●感想(ネタバレ有り)

・東雲美鈴

1周目は何も見ずに好き勝手選んでやろうと思い、どのルートに入るのかワクワクしながらやったが、やってる途中にどのルート入ってるか分からなかったが、海水浴に行くって選んでから美鈴ルートに入ってた。

主人公と水着買いに行くだけでめっちゃ嬉しそうで楽しそうなのかわいい。

八尾比丘尼の不老不死の話とか、体が丈夫(?)というか痛覚に耐性がある(?)こととか、触るだけで他人の腰痛治したり、おでこをぶつけても怪我しなかったりで、不穏な伏線塗れだった。

ずっと敬語のキャラが敬語じゃなくなるのめっちゃ良い。しかも名前呼びと同時にやるのえぐい。眼鏡外したら美人すぎるのすき。

原因不明の不老不死って怖いけど、精神も不老でほんとに良かった。精神が老いたらすり減って永久発狂しそう。

唐突に神っぽいのと現人神っぽいの出てきてびっくりした。主人公が予知夢もちであることが発覚。"現実の重み"を知らないければいけないって不老不死という設定に対してすごい考えさせられてとても良い。

「旅はいつか終わるものだよ」が本当に良い言葉すぎる。

"神"って人間に勝手に呼ばれてるだけだから、神自身の自認が"神"じゃなくて"見守る存在"なのが本物っぽい。

最初、船で急に話しかけたの不審すぎたけど、神様のせいだったという衝撃の事実。美鈴ルート、話が壮大で、かなりファンタジーだった。


・与那嶺純

純の父おもしろすぎる。ちゃんと上着返してもらったし、自転車治って良かった。なんか唐突に遊戯王ネタあって笑う。

純もうめっちゃ主人公のこと好きやし、先生が絡んでくるのややこしすぎて修羅場でおもろい。
純が普通に料理できるのギャップでやばい。良すぎ。

2回も船から落ちて溺れてるのほんとに危ない。船から落ちた瞬間、純が迷わず飛び込んで助けに来てくれるのかっこよすぎて惚れる。

このルート、終盤の主人公がイケメン。
いままで独りでがんばって背負ってた純のことを楽にしてあげれてよかった。

何かの成功を結果として残したいってめっちゃ分かる気がする。結果が出ないと精神的にきついよなぁ。

唐突な隼人の碇シンジ化おもしろすぎる。
これビーチバレーのスポーツものだっけってくらい熱かった。決勝で主人公が途中で選手交代して隼人が復帰するまであくまでも"繋ぐ"のが良い。
純の抱える問題が解消されたとまではいかないけど、綺麗に一段落ついてよかった。

「明日帰るんだ...」で、祭りの喧騒だけが聞こえるのめっちゃよい。その後無言で手を繋いで2人で夜道を歩いて帰るのも粋すぎる。

純ルート、エピローグも含めてシナリオがめちゃくちゃ正当ヒロインって感じだった。


・真咲湊

主人公と湊が話しててお互い恥ずかしくなって黙るやつめっちゃすき。

スイカ割りのところの3人マジで良いし、純がスイカ割ってる時に、2人で話してる湊が湿度高すぎるやばい。

湊がさらっと船運転できるのかっこよすぎないか。

由希子さん見てて思うけど、絶対製作陣に二の腕か肩が好きな人いる間違いない。
湊ルートやるために純ルートに入る手前までやらないといけないのが、友達通して遊んで相当仲良くならないといけないという解像度高すぎる。由希子さんと湊と主人公のやりとり一生見れるすき。

由希子さんをスケベな目で見るという選択肢とか選ぶしかないやろと思って選んだらBADENDで笑った(そらそう)。

寝ぼけてる湊まじでかわいい。消えないテレビ面白すぎる最高。由希子さんビデオカード回収するだけなのにおもしろいのずるい。
純のスパイク食らって死んだとか言ってるからBADENDかと思ったらみひろさんが蘇生してくれた。

由希子さんが無限ノックしてくるの怖すぎるやばい。純の時もそうだったけど、めぐるの時も湊めっちゃ気遣いすぎじゃないか、健気すぎる。マジで負けヒロイン気質すぎるから幸せになってほしいと心から思う。

普通に湊、料理できるじゃん(サンドウィッチ)。サンドウィッチ失敗すると思ってたぞ
湊を助けに走ってる時の環境音がガチの田舎すぎてびっくりした。田舎の夜道って感じがして怖い。

「ガソリン入れればいいじゃん」
「はいお金かかったー」
ここすき、というか純と湊の会話すき

主人公が起こされてたら自分が起こせなくて機嫌悪くなる湊かわいい。お姉さん二人組が空気が読めて助かります。

湊が絡まれててなんかシリアスかと思ったら普通にギャグ始まっておもろい。

帰る日付決めてからだんだんの期限が近づいてくるともう20日もいるから悲しくなってくる。

ここまで来て純の気持ちを優先しちゃうのか、もう主人公帰っちゃうぞこれ。母親に似て世話好きなのが良い。母親が料理うますぎてコンプレックスになっちゃったの悲しい。マジでよく言った主人公、"誰が"作るんじゃなくて"誰のために"作ったかが大事よな。

明日帰るのに大変なことになってしまった。これじゃあ帰れないよと思ってて帰ろうとして船乗ったらさらにやばいことになった。

アイス買いに行く何気ないくだり妙に意味深だったと思ったら過去に全く同じことしててびっくりした。どうしても帰らないといけなくて約束守れなかったの辛い。

どっちも変な意地張って話し合おうとせずにすれ違い続ける展開で、あまりにも等身大すぎて、苦しい。だが、この恋の苦しさを読み手は共有できた気がする。

強いストレスで脳の防衛規制が働いて、記憶を封印しちゃってたという普通にPTSD。途中で言ってた「海を見ると胸がざわつくから好きじゃない」っていうのがっつり伏線だった。

さらっとサブタイトルのmemoryとpromise両回収してるの流石メインヒロイン。

あの日約束した場所で、記憶を取り戻して落ち合うのエモすぎる。

最後に素直になれて良かった、まじで。
幼馴染の親友も大事だとは思うけど、もっと自分のこと大事にしてほしい。

ここに湊の全てが詰まってる。


・一条めぐる

ルート入ってからやっと年代わかったけど、女子高生とは思えない精神年齢してる。顔似てるからそうかなとおもってたけど、みひろさんの妹だった。姉妹のやりとりすき。めぐるの声かわいい。

サキさんに一生追いかけられてセクハラされてるのかわいそうでおもろい。

毎日浜をきれいにしに行くのがお墓参りのような行為だったとは...

めぐるをおんぶしてる主人公の顔良すぎる。めっちゃいいスチル。

めぐると二人きりの時の空気感良いな。商店の前で仲良くおにぎりとどら焼き食べてるの微笑ましい。

両親の心無い噂があったとしても、会ったこともないから信じることが難しいけど、でも信じたいから本当に辛い。

めぐるが宴会で悪い噂聞くところから曇らせが止まらなくて震えた。

喧嘩の描写がめっちゃリアルで力入ってる。

閉鎖的コミュニティの悪いところでまくり。どれだけ幼くてもあんなことがあればPTSDになって海に入れなくなるよな。

「14年前って5歳か」から旅行してたこと思い出して、主人公の母親に電話して父親の手記から全て分かるのあつい展開ですき。

「耳かして」ほんとに天才すぎる。
最高に綺麗な終わり方。


・みひろ

主人公が湊に指摘されてからめちゃくちゃ意識するようになるの良い。改めてだけどみひろさんの声すき。

カウンターで横に座ってるスチル良すぎる。この場面のやりとりあまりにもドキドキする最高かよ。赤面するみひろさんかわいい。

どのルートでもいつの間にかいたサキさんがちゃんと正式登場してた。

みひろさんの人生壮絶すぎる。両親が駆け落ちしてるせいで祖父母からあしらわれてるのきつい。「そうするしかなかった」が多すぎて自分の人生が生きれていないの悲しいけど、めぐるがちゃんと育ってるのは間違いなくみひろさんのおかげだから本当にすごい。幸せになってくれ...
主人公行動力凄すぎると思ったら、「やってもうた…。」で笑った。サキさんの野次馬根性清々しくて素晴らしい。

2階の窓に小石当てるくだりまさかの伏線だった、そしてみひろさんがやるのかよ。夕焼けの海岸線を2人乗りの自転車で進んでるのエモすぎる。

「今日はあんただけに夕飯つくったげる」ってやばい、圧倒的破壊力。

めぐるルートであったけど、めぐるは今まで姉が頑張ってることに思うことあるんだよな...
それがちゃんと伝えれてよかった。泣いた。
閉店イベントやった後のみひろさんと有紀のやりとりで普通に泣く。みひろさんの「お店一緒にやってくれない?」に対する主人公の返し良すぎる。

このルート本当にお話が素敵だし、無駄に曇らせることなく、きれいに進むからめっちゃ良い。

わたあめの正体結局分からなかったけど、おそらくシュシュの幽霊?


・???(グランドルート)

冒頭の泣いている女の子の夢を見たくだりあったけど、それがこの子だったのか。ムーブが幽霊すぎるんだけど、他の人に見えてるし、喋ったりしてるんだよな。
結李の声がかわいい。

なんか情報が食い違って不穏になってきた。人違いだったらそうなるけど、関わり持った以上つらい。

17時によなみね商店前で集合した時に全てを察した。美鈴ルートにおいて主人公の夢見によって超常的存在に姿を与えてた上に、美鈴が結李のことを有紀がいないと認識できないのはどう考えても結李は超常的な存在なんだろう。

苗字が橘で、あの廃屋になぜか表札があった伏線とか消臭剤が幽霊に効くとか言ってたのが回収された。

純パパに聞くだけでめちゃくちゃ話進んでびっくりした。純パパと有紀父同級生だったのが意外。結李が待ってたの主人公の父親だったのか。
湊と有紀、結李と春紀の関係が対比になってるというか完全に同じすぎる。

ここから父親探す展開になるのようやく本筋の解決ルートが始まる感じであつい。
純と結李のやりとりが良い。見えて触れる幽霊って新鮮。結李照れててかわいい。

謎だった湊の父親、全然生きてて驚いた。もう登場人物の親が死にまくってるせいで、自分も同じこと思ってたけど、主人公が全部言ってくれた。

全ヒロインが集まってるのほんとにグランドルートって感じがして良い。結李と他のヒロインの絡みが本当に十人十色って感じで微笑ましい。

結李の答えを探してるっていう返事に、サキさんめちゃくちゃ良いこと言ってて感動した。

儀式は死んだ人のためじゃなくて、生きている人がちゃんと立ち上がるためにあるっていうみひろさんの言葉素敵すぎる。サキさんもみひろさんもめちゃくちゃ良いこと言う。

主人公も終わりのある旅だってことを悟り始めてるのが、もうまもなく旅が終わる予感がする。

最後みんなにありがとう言って周るのめっちゃすき。ほんとうにこれで旅が終わりなんやなって涙が出た。

「……誰かが突然消えちゃうのは、悲しいから」
「だから……
  お別れは、ちゃんとしないといけないよねっ」
のところでめちゃくちゃ泣いた。結李自身がこれを言ってるのがほんとにもう...

BADENDだったら由希子さんが会計してたのに、ED後に湊が会計してくれてて完全勝利を感じる。湊ルートがメインヒロインなのに、あまりにも展開がしんどくてもやもやしてたけど、グランドルートのヒロインが湊だったのでとても納得した。

めっちゃ泣いたし、ちゃんと全部回収されてとても綺麗に終わったのでほんとうによかった。最高のシナリオ。


●おわりに

笑いあり、涙ありの青春を駆け抜けるような、とても素晴らしい一夏の物語でした。

このゲームに出会えたことにただ感謝を


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