「ブーメラン効果」
※以前書いた記事はこちら。
(合わせて読むとより楽しめると思います。)
右がどれほど良いか説明すればする程、人は左に行ってしまう。
売上を伸ばそうと思って賃金の安い地域にお店を構えたら、本店を超えた競合店舗になってしまう。
昔吐いた失言に今さら苦しめられてしまう。
そうなんです。
これ全部。
お久しぶりです。
僕です。
皆さん元気してましたか?
僕も元気にしてますので、皆さんも元気にして下さい。
それ以外は認めません。
元気にしてないなんて許せません。
さて、皆さんも一度は聞いた事があるのではないでしょうか。
「ブーメラン効果」。
もちろん聞いた事がなくても大丈夫です。
今聞く訳ですから。
知っている人も知らなかった人も皆それぞれ経験あるのではないでしょうか。
敵に塩を送ってしまったり、過去の言動と矛盾してしまったり、絶対こっちが良いと分かっているはずの人を説得できなかったり。
また、その逆。
敵から塩が届いたり、過去の言動と矛盾する人を見かけたり、絶対こっちが良いよなって分かってるはずなんだけど人に言われるからやっぱりやめてあっちにしちゃう。
みたいな事。
そうです。
それが「ブーメラン効果」なのです。
厳密に言うと同じ「ブーメラン効果」という"名前を冠した別々の心理効果"になります。
ややこしいですか?
そんな事ないです。
今回はそんなややこしい「ブーメラン効果」について、詳しく解説して行きたいと思います。
お付き合いください。
「ネットにおけるブーメラン効果」
ネット上でミーム化している「特大ブーメラン」だとか「ブーメランが刺さる」等と言う表現も正しい「ブーメラン効果」の一つです。
どちらか言えば「ブーメラン現象」と言った方が正式かも知れません。
ブーメランは一度手を離れてもクルクルと放物線と曲線を描き手元に戻ってきます。
その事から、過去の言動が現在の自分を糾弾するかの様に返って来る事を比喩して揶揄して「ブーメラン」と言っている訳ですね。
例えば、
等など。
今は特にSNSが発達して誰でも考えや言葉、そして行動を記録し発信できる時代になっています。
自分の言葉だけじゃないのです。
人の言葉もそう。
擁護したり批判したり。
皆のブーメランがずーっと空を舞っている訳です。
どれがいつ牙を向いて突き刺さるか分かったもんじゃない。
怖いですね。
いやいや待ってくれ、と。
普段から言動に一貫性を持たせ、信念を持って生きていれば不安になる事はないのだ、と。
そう思う人も居るかも知れません。
「ブーメラン効果」?
俺には関係ないね!
かっこいいですね。
でもそれは。
アホです。
言いたい事は分かるし、信念を持つことは素晴らしい事だと思います。
ですが、重要なのはそこではなく。
間違ってたら謝りましょう。
それだけです。
「経済におけるブーメラン効果」
工業が発展し生産技術が進歩。
Aという製品においては右に出る国がない。
その生産技術を生かし市場を拡大させる為、低賃金で材料も安く手に入る、海外の小さな国に進出。
その国でAという製品は爆発的にシェアを増やし、あっという間に国を代表する産業に発展。
すると、もともと技術を持っていた国よりも海外シェアを伸ばして、市場を脅かす存在となった。
経済学における「ブーメラン効果」、「ブーメラン現象」です。
篠原何とかさんという方が1970年頃の日本の繊維製品の盛り上がりについて語り、有名になった話です。
当時、日本の企業が低賃金で収益性が高い東南アジアの国に技術を提供し、現地企業と一緒になって生産を増やした結果、日本の繊維製品輸入量が激増しました。
東南アジア諸国の発展が日本製品の輸出拡大に繋がった事を「正のブーメラン効果」と呼び、またその東南アジア諸国が繊維製品のシェアを大きくした事で日本の輸出量が減ってしまう事を「負のブーメラン効果」と呼んだのです。
どんな仕事でも最初はやはり協力者が必要になります。
しかし、その協力者がライバルになってしまうという事は、往々にしてあり得る話です。
共同の創業者が離反してライバル企業に入るとか。
どこぞのお寿司屋で働いていた人がそのノウハウで違うお店を開くとか。
いつの時代でも聞く話ですね。
かく言う僕も昔パソコン教室で働いていまして、10年以上店長として働いた経験とノウハウをそっくりそのまま別のパソコン教室に持ち込みました。
ステップアップというよりキャリアアップとして常套手段と言えます。
しかし、現在は入社時の契約から同企業への転職を禁止する所も多いです。
「負のブーメラン効果」を防ごうという取り組みですね。
しかし、どうでしょうね。
顧客情報とか社外秘な資料を持ち出すのは勿論ダメダメですが、ノウハウを持った人間が業界を盛り上げる事自体は間違ってない気もします。
しかし、どうでしょうね。
少ない分母を食い合う業界にとっては優秀な人材が流れる事によってサービスの差が縮み、更にはお客を奪われるとなったら良い訳がないですよね。
しかし、どうでしょうね。
結局は消費者の目が肥えてきている訳で、分母を増やす取り組みとしては業界のレベルアップが最重要と言えると思いませんか。
しかし、どうでしょうね。
まあ、そんな事を世の経済学者は一生くっちゃべってる訳です。
卵が先か、鶏が先か。
「心理効果におけるブーメラン効果」
最後に紹介するのが心理効果における「ブーメラン効果」です。
メインディッシュですよ。
お待たせしました。
皆さんも実はどこかで経験した事があるのではないでしょうか。
当事者でなくても目にした事はあると思います。
今、目の前にAという商品とBという商品があります。
値段もデザインも似ています。
好みで言えばAの方が若干良いかな。
Aを買おうかなと思いつつ、一応店員さんに相談。
店員さんはこう言うのです。
「僕はとてもAがオススメですね、どちらも似ていますがAの方が好みですしどちらも価格帯は同じなので、僕ならAを買います。」
店員さんは同意見なのです。
さて、貴方はAを買いますか?
え、Bの商品が気になり始めた?
そんな天邪鬼な話がありますか!
あるんです。
それ、「ブーメラン効果」です。
先ほどは「天邪鬼」という言葉を使いましたが、そうではないんです。
心理的に同調が強すぎると、人は自然と反発してしまうのです。
それが「ブーメラン効果」。
皆さんも経験あると思います。
薦められ過ぎて怪しく思ったり、オススメと言われ過ぎて逆張りしちゃったり。
薦め過ぎて怪しく思われたり、オススメなのに逆張りされたり。
これが「ブーメラン効果」なのです。
これは実生活において仕事でも恋愛でも使える心理効果です。
「カリギュラ効果」の様にダメって言われるとやっちゃうみたいな。
これも反発的な心理効果の一種ですね。
押し引きの匙加減はとても難しいですが、上手に使えば相手の意志決定を自分有利に動かす事ができます。
恋愛において一例を挙げるとしたら相手のパートナーや想い人を褒める、というのが「ブーメラン効果」を上手に使ったテクニックになります。
等など。
相手の意見に寄り添い、親身になる事で相手の好感度を上げつつ、「ブーメラン効果」を使って自分に気持ちを持っていく事ができるのです。
相手の意見を立てつつ、いつの間にか自分を選択肢に入れて、同じ目線で見て、対抗馬を褒めつつ、自分の良さをアピールするという高等テクニックです。
そうです。
かなり高等技術です。
しかし、巧みな言葉選びと経験と空気を読む力さえあれば。
とても使えて、効果てき面な心理テクニックになります。
是非みなさんも研鑽を積んで、仕事や恋愛に活かしてみて下さい。
という事で「ブーメラン効果」についてお分かり頂けたでしょうか。
ネット、ビジネス、心理効果と様々な用途で使い分けられている「ブーメラン効果」。
若干ややこしくもありますが、どれも知っていて損がないものです。
皆さんも用途に合わせて上手に使っていただければ幸いです。
という事でまた次回!
え、最近また更新が遅い?
あーいや、なんていうか、その、ちょっと疲れちゃって。
なんていうんですかね、更新する元気がなくて。
そう!ちょっと元気ないんです!
元気がないんです僕!
だから仕方ないんです!
え?
元気にしてないと許せない?
そんな馬鹿な事言うなよ。
サポートして頂いた方の事は一生忘れません。 靴ぐらいなら喜んで舐めます。