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ジャニーズJr.「7MEN侍」の動画に学ぶ、就活サバイバル【面接編】

2020年3月1日、就活が「解禁」したらしい。

私が就職活動をしていた時代もそうだったが、この解禁日を待たずにES(エントリーシート)の締切があったり、面接が実施されたりする企業は少なくない。が、私が就職活動をしていた時も、この「解禁日」以降、大学の授業なんてそっちのけで就活をした記憶があるし、今年の就活生も今週以降、面接が一気に多くなるのではないかと思う。

私の勤める会社は先行組のようで、先日一次面接が実施された。自分の時もそうだったが、面接は難しい。学生は緊張しているし、企業(面接官)はその状態の学生を短時間で何人も評価しなければならない。この時期、面接にすごく慣れた学生はいない(みんな緊張しているし、完璧に流暢に話せている学生はほぼいない)のだが、それでもやはり準備の仕方や適性で、ある程度学生に差がついてくる。そこで、自分が面接官をやってみて感じたことも元に、今回はジャニーズJr.「7MEN侍」のYouTube動画にこじつけて、面接のポイントをまとめてみた。

※これは、あくまで私の主観を元に、ジャニーズJr.の動画にこじつけた趣味の文章です。「何を今更」と思われる内容も多いと思いますが、何卒ご容赦ください。

今回の動画は、昨年末に公開されている、こちら↓


はじめに 〜7MEN侍と動画の概要〜 ※興味ない人はスルーして下さい

「7MEN侍(せぶんめんさむらい)」は18歳〜22歳の6人で構成された、ジャニーズJr.内のグループ(※2020年3月1日現在)で、昨年8月から動画の配信が始まった。恐らく、どこのグループよりもメンバーのキャラが弾けているのが特徴(「個性豊か」というより「弾けている」が正しいと思う)で、当初は他のグループとのコラボ企画で再生回数を伸ばしていたが、半年ほど経った今では、本人達のキャラクターの強さと独自のチャレンジ系の企画への対応能力の高さで人気を集めているグループである。

そんな6人がこの日チャレンジした(させられた)のが「コミュ力対決」と称した、初対面の人物へのおもてなしをする対決。最初に数分間の「面談」をした後、面談での情報を元に考えた「おもてなし」をそれぞれするというもの。ただし、その相手というのが、日本語が得意ではない外国人キッズで、6人は「面談」の時点で言葉と年齢の壁に大苦戦する。その対応能力と解決方法が6人それぞれ異なるのも見どころである。

この「初対面の外国人キッズおもてなしチャレンジ」では、限られた時間で、「相手を知る」(最初の面談で相手の情報を引き出す)、「相手に覚えてもらう」(印象に残るようアピールする)という2点をこなさなければならないというのがポイントだ。この点が就職面接にも共通していると思うので、以下で1つずつ解説していく。


ステップ1:面接は準備が大事。まずは相手を知るべし

特に新卒採用の面接は、人を評価するにはあまりに時間が短い。一次面接なんて、集団面接が多い上に、下手をすれば3人で15分とかだったりする。この短時間で面接官の好印象を勝ち取り、自分の長所をアピールして勝ち残るためには、自己PR能力も必要だが、まずは相手を知る、つまり業界研究と企業研究が大事となる。

上記の動画の場合は、事前に相手を知らされておらず、事前準備はできないので、最初の面談の時にどれだけ相手の情報をとれるかが鍵となる。実際、英語が得意で、なるべく多くの質問を繰り出して答えを引き出した4番手の本髙克樹が、最終的に勝者となった。一方で、相手が日本語が通じないことに戸惑ってしまい、情報をうまく引き出せなかった菅田琳寧は、得意のアクロバットで自己PRをしたが、一方的なアピールだったため、最下位となってしまった。面接での自己PRの内容よりも何よりも、相手の情報を知っておくことの重要さが伺える。

そんな超基本的なことを、と思われるかもしれないが、実際に面接をすると、学生の業界や業務の理解度には、かなり差があることが多い。同じように業界研究や企業研究をしているつもりでも、理解度に差が出てしまっているのだと思う。あくまで個人的な意見だが、おすすめはOB訪問だ。どの業界でも、1つの会社で年次の低い人と高い人など、違う立場の2人以上に話を聞くと、業務内容や、その人が何を考えながら仕事をしているのか、その企業の課題など、聞かないとわからないことがわかる。業界研究の本などを読むと、短時間でわかったような気になるのだが、表層をなぞっているだけのことが多く、面接で少し深く聞かれると、その業界にどっぷり浸かっている面接官には大体見破られてしまう。短期間でなるべく深く相手の企業を理解できる方法をとることをおすすめする。


ステップ2:面接当日。自分について効果的に伝える。

相手のことがよくわかったら、次は自分のことを覚えてもらわなければいけない。これもまた、当たり前ではあるのだが、面接官は一日に何人も面接をする。私は10人ほどだったが、新卒採用だと1人で一日20人を面接するなんてこともザラにあるのではないだろうか。そんな中、学生全員を覚えていて正当に見極め、評価するなんてことは残念ながらほぼ不可能である。

ここで大事なのが、簡潔かつ効果的に自分を理解してもらうための自己PR能力だ。以前の少年忍者の記事でも、自己PRについて触れているが、短時間で他の学生と差別化し、かつ好印象を残すのは、リクルートスーツでただでさえ個性を殺される就活では、特に難しい。「言うは易し」だが、ポイントは、他の人間と被らない特徴を一言で伝えることだ。

この点は、少年忍者より先輩で、かつ人数も少ない7MEN侍はさすがで、6人ともおもてなしの方法が被っていない。それぞれ異なるおもてなしをすることで、「◯◯の人」と印象がつき、他のメンバーと差別化される。ただし、菅田琳寧の場合は、差別化はされたものの、相手の求めるものと違ったため、低評価となってしまった。この部分に、ただ自己PRを効率的にするだけでなく、相手のことを理解した上で、求められている能力をPRすることの重要性が感じられる。


ステップ3:(可能であれば)目的を決めておく

最後の1つは、面接でもかなり高度な技術が必要となるものではあるが、各面接で目標や目的を決めて話す、ということである。これは、事前に聞かれる質問を想定して回答を決めておく、ということではない。あくまでその場の流れに応じて回答を変えながらも「これだけは伝えたい」や「これだけは聞き出したい」ということを事前に決めておき、戦略的に面接を乗り切るということだ。

今回の動画では、本髙克樹が勝者だったが、勝因は英語能力や質問能力だけではない。相手が誰か、事前情報がない中、「あとでおもてなしをするのだから、相手が誰でも、とにかく好きなものをたくさん聞く」と決めて面談に臨んでいたのは本髙だけであり、結果英語が得意だったことも手伝って、短い面談の時間でもっとも多く情報を引き出すことに成功している。これは面接だけでなく、OB訪問や企業の訪問イベントなどでも同じことではあるが、事前に目的を持って臨むことで戦略的に目標を達成することができるのは間違いないだろう。

例えば、私が就活生の時に先輩から言われたのは、面接に行く企業に対して、質問を用意していく、ということだった。最後に時間が余ったりすると、必ず「何か言いたいことや聞きたいことはありますか」と聞かれる。その際に聞きたいことをぶつけることで、その質問が良い質問であればあるほど、印象にも残る。ただし、当然ながら調べれば分かるような質問は、印象を悪くするだけなので、これも事前の下調べをどれだけしているかが重要になってくる。結局は事前準備でどれだけ相手の企業を理解しているかが一番重要なのではないかと私は思う。


最後に・・・面接は面接官との相性が5割

3点を動画から学べることとして、挙げてきた通り、就職面接は準備することで通過率を高められることは間違いない。しかし、その一方で、選ばれる側の学生が100%働いたこともない会社のことを理解できることはないのと同様、選ぶ側の面接官もその業界の会社のことに詳しいだけの人間だったりして、この人間同士の相性で合否は大きく変わってくる。面接の良し悪しは、どんなに対策していても、その相性が5割くらいあるのではないか、と個人的には思っている。

最後まで動画にこじつけるが、今回の動画でも、相手のキッズが日本語が通じたら、もしくはスポーツが好きではなかったら、本髙が目的を決めて面談に臨んでいても、勝者は変わっていたかもしれない。音楽が好きな子供だったら、弾き語りを披露した矢花を選んでいるかもしれないし、ゲンキンな子供だったら金券をくれた今野を選んでいるかもしれない。

就職面接は、言わずもがな、企業が応募者(新卒採用の場合は学生)との面談により、その応募者の能力や適性を判断し、合否を出すためのものだ。その意味では、評価者は企業(面接官)で応募者は被評価者となる。
だが、特に新卒採用では、大多数の学生から応募を受ける企業と、情報が少ない中でこれまでの経験をアピールしなければならない学生の間には、上下関係ができてしまう。(転職活動だと、お互いの利益を交渉する場もあり、もう少し関係はフラットだと思う。)だが、忘れてはいけないのは、面接の場は、学生側も企業との適性や相性を判断し、企業を選ぶ場であるということ。失礼があってはいけないが、一方で必要以上にへりくだる必要もないと思う。

選ぶのも、選ばれる側も所詮1人の人間なのだ。
これから多数の面接に臨んで、その度に合否を出される立場になる学生さん達には、是非そう思って気楽に面接に励んでほしい。
選ばれた人間も選ばれなかった人間も、選んだ人間もニコニコして和やかな、動画のエンディングを見ていて、そう思った。

ジャニーズに学ぶ就活サバイバル、少年忍者編はこちら↓

*Photo by "PhotoB" from PhotoAC

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