シカゴは食料廃棄物の堆肥化を進めるため市内に回収スポットを設置
case|事例
シカゴ市は、気候変動対策の一環として食料廃棄物の堆肥化を強化する。食料廃棄物の回収スポットへ市内全域からアクセス可能にするために、15か所の回収スポットを設置する。道路衛生局が回収スポットの設置を行い、廃棄物の回収と堆肥化施設への輸送までを担う。
今回の食料廃棄物の堆肥化は、廃棄物の転用率を高めることを目的にしている。シカゴ市は、2021年に廃棄物戦略を策定し有機物の廃棄物の転用の重要性を謳っていたが、具体的な転用率は目標として設定されなかった。2022年に気候アクションプランを策定した際には、2040年までにCO2を62%削減することを目標として設定したが、全市的な有機物の廃棄物の収集プログラムの導入は実施時期未定で推奨事項に記載されるにとどまっていた。しかし、市民からの関心が高く実施を早めることとなった。
2022年には先行して6地区でコミュニティコンポストが開始されたが、コミュニティコンポストでは肉や骨は回収されていない。今回の回収プログラムでは、ほとんどすべての食料廃棄物を受け入れることになるため、コミュニティコンポストを補完し、シカゴ市全域での食料廃棄物の堆肥化が強化されることになる。
insight|知見
日本のゴミの排出を調べてみると、年間約2,000トンの生ごみが排出され、うち約523トンが食品ロスであるようです。生ごみの約8割は水分で、ゴミの燃焼効率を悪くさせ、水を燃やしているようなものと言われます。また、有機物の廃棄物含まれる栄養も燃やしてしまっては灰になってしまうだけです。なので、燃焼効率や栄養循環の視点から、食料廃棄物の堆肥化は、気候変動対策や環境対策として、とても意味のあることだと思います。
生ごみで回収するパタンも各家庭で堆肥化して堆肥を回収するパタンも考えられそうですが、生ごみは日々排出されるものなので、手軽さやアクセスのしやすさを考慮した仕組みが必要になりそうです。