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【外資IT】internal transfer(部署異動)してみた

実は2022年12月でセールス系のポジションから事業企画系のポジションにトランスファーすることになりました。

こちらの記事で外資系企業でトランスファーする際の概要は記載したので、今回は実際の手順を体験談形式でより詳しく書いていこうと思います。

トランスファーの実際の手順は以下の目次の通りです。

応募前

正直、この準備期間でトランスファーの合否のほとんどが決まるといっても過言ではない気がします。

Internal transferのページで募集中のポジションを検索

ずっと外資系で営業職をやることに疑問を感じていたので、自分のキャリアプランにあったポジションがないか、というのは定期的に確認していました。

いいな、というポジションを見つけた時、私が必ずやっていたのは、そのポジションのチームの方の在籍年数と人相の確認です。

個人的には、歴が1年以内の人が多いポジションは人の回転率が高い = 何かしら問題がある可能性があるのでは...と勘ぐっているので、そういう人がいないかどうかをチェックしていました。

次に、人相ですが自分と性格が合わない方の人相というのが自分の経験則で何となくあります。

性格が合わない方と働くと本当に色々もっていかれるので、勘所みたいな感じにはなるのですがここも結構重要視していました。

業務内容->チームの在籍年数->人相の3つを重点的に見て、全ての条件に適うポジションを見つけたので、本格的にトランスファーを検討してみることに決めました。

トランスファーで入ってきた方にトランスファーの手順を確認

さて、私は大事なことに挑戦する際には、絶対に計画を立てて少しでも勝率を上げたいタイプなのです。

とういうことで、トランスファーをするなら、実際にトランスファーに成功した方に聞くのがいいと考えて、横のチームのトランスファー経験者(それも複数回トランスファーしてる)に教えを請いにいきました。

内定までの流れや面談時のポイント、受けてからどれくらいで結果が来るのかなど、すごく丁寧に教えていただきました。

具体的には、面談時に面接官が使ってる採点基準や、合格してから正式な通知がくるのはだいたい3日くらいといった、経験者だから知ってること、気になると分かることなどを余すことなく教わりました。

この方には感謝しかないです。

トランスファーしたいポジションのマネージャーと面談実施

トランスファー先のマネージャーに募集中のポジションに興味がある旨をお伝えして、個別の面談を申し込みます。

これは面接というより、ポジションについてより詳しく理解することを目的に、色々質問をさせてもらうような時間でした。

具体的には、組織のミッションとその達成度合いを評価する軸はどういったものなのか、ジョブディスクリプションの~とはどういう意味なのかなどを確認しました。

ただし、分からないところを聞くだけではなく、自分のバックグラウンドをお伝えした上で、このポジションにフィットする部分があるのかどうかを事前に確認したりもしました。

ハイアリングする側から見ても自分はジョブフィットしそうかどうかを事前に聞いておくことで、無駄に期待を抱くことと、無断な応募のプロセスを削減するのです。

後は、話す中で人間性が合うのかという点もしっかり見てました。

私、人相だけでなく、話し方でもヤバイやつを見抜く力があるので、人相と話し方のダブルチェックでこのマネージャーは良い人そうだと安心しました。

面談の最後に、より具体的な業務内容を把握したいという旨をお伝えして、配下の担当社員の方を2名ご紹介いただきました。

トランスファーしたいポジションの担当社員の方々と面談実施

1日単位、1週間単位、1ヵ月単位、1年単位でどういう業務や働き方をするのか、という点については現場の担当社員に聞くことでより具体的なイメージが持てます。

特に、どういうアウトプットを作る必要があるのか、そのためにどういったツールやスキルをどのレベルで使いこなす必要があるのか、を重点的に確認しました。

例えば、SQLを使ってクエリを書ける必要がある場合、実際に書いたクエリを見せていただき、今の自分がどこまで理解できるか、どこまで理解しなければいけないのかをイメージするという感じです。

トランスファーが決まってから、実際に移るまでにどの程度のスキルセットを準備しておけばいいのかを確認することが出来ますし、逆にここであまりにも今の自分のスキルと違いがある場合は、トランスファーしてもうまく活躍できずに解雇リスクにさらされる危険があります。

また、もちろん業務面だけではなく、人柄もしっかり確認しました。

1人目の方は非常に話やすく、こちらが聞きたいこともしっかりくみ取ってお話をしてくれました。

「なんか優秀な雰囲気でてるなあ...」なんて思っていると、新卒で入った方のようでした。やっぱりGAFAMに新卒で入るような方は、優秀な方が多いと改めて実感しました。

2人目の方は少し職人気質でコミュニケーションし辛い部分もあったのですが、専門的なスキルがすごく高く、悪い人というわけではなさそうという感じでした。

お二方とお会いして、業務内容や働くチームメンバーも魅力的で、自分もこのポジションでワークできそうということに確信を持てました。

現在のマネージャーにトランスファーに挑戦したい旨を相談

マネージャーへの伝え方はすごく気を使いました。笑

トランスファーに失敗した場合、今のポジションに残留することになるので、失敗した時のリスクを考えると慎重にならざるを得ません。

私の場合はあくまでやりたいことが出来たので挑戦してみたいという観点を強調しました。

そして、移動時期などは現在のチームに迷惑が掛からないように年末ギリギリで調整することをお伝えしました。(外資系の多くは1月1日-12月31日がFYとなります。)

幸い、普段の勤務態度や頑張りが功を奏したのか、惜しみつつもいろいろなアドバイスをくれて応援してもらえるというベストな展開に持っていくことができました。

また、ポジションを管理しているHR部門の方とも面談をして、人事的な観点でも異動先のポジションについての情報を確認しておくとよいというアドバイスを頂いたので、アプライ前にさらにHR部門とも面談をすることにしました。

トランスファーしたい部門のHR担当者と面談実施

HR部門の方とは、トランスファーの事務的な手続きの方法をはじめとして、気になっている部分を確認しました。

特に気にしていたのは、今回募集しているポジションの職位が現状より一つ上のランクになるのですが、それでも応募できるのかという点でした。

結論として、応募は出来るがトランスファーしても職位は変わらないということでした。

そして衝撃的な事実だったのですが、トランスファーする場合は営業職から企画職に変わるので給与レンジが変わる(下がる可能性が高い)とのことでした。

アプライする前にこの情報を聞くことが出来たのは本当に良かったです。

この後、応募前にトランスファー先のマネージャーに対して、給与が大きく下がる場合はオファーをもらっても辞退する可能性がある旨を事前にお伝えしてご了承を頂きました。

レジュメと面談対策の準備

確認すべきことを全て確認したので、いよいよアプライの準備に取り掛かります。

手順としては面談準備->レジュメ作成の順で行いました。

面談の準備をする中で自分のアピールポイントや伝え方を整理して、それを簡潔な文章でレジュメに落とし込むという流れです。

面談の準備としては、現職でのエピソードを3つ、前職・前々職から選りすぐりのエピソードを2つ、合計5つのエピソードを準備しました。

各エピソードで想定問答を準備して回答内容をブラッシュアップしていきます。

特に意識したのは、短い時間で自分と相手の頭の中に同じ前提を共有する言葉選びと、取ったアクションの根拠にどんなデータやロジックを使っていたのかを整理することです。

面談準備に1週間程度、レジュメの作成(正確にはアップデート)は3日ほどかけて行いました。

この部分は以下の有料記事で具体的に解説しているのでご興味のある方はどうぞ。

応募

さて、ここまで来ると後は準備してきたことや普段の積み重ねを発揮するのみです。

ポジションにアプライ

ポジションにアプライするというボタンを押してレジュメをアップロードするだけです。

ただ、ボタンを押した事前でマネージャーに自動で通知が行く仕組みになっているので、このタイミングまでには必ずマネージャーに一報を入れておく必要があります。

私は事前にmm月dd日にアプライします、というのを現在/トランスファー先の両方のマネージャーにお伝えした上でアプライのボタンを押しました。

書類選考

これは数日であっさりと結果が出ました。

事前にトランスファー先のマネージャーに自分のバックグラウンドをお伝えして、ジョブフィットする旨を確認していたので落ちる心配はしていませんでした。

複数回の面接

トランスファー先のマネージャー、HR部門の方(面談した方とは別)とそれぞれ面接を行いました。

トランスファー先のマネージャーからは現職の中で、データ分析をもとにした意思決定で結果を出した経験、チーム横断的なプロジェクトをマネジメントした経験の二つをご質問頂きました。

また、HR部門の方は具体的な職務で挙げた成果というよりも、もう少し個人の資質にフォーカスした内容のご質問を頂きました。

二回の面接どちらにも言えることなのですが、やはり事前に準備していた想定問答の通りにはいかない場面が多々ありました。

多分、そういった時に出てくる答えこそ自分の本質が現れる部分であり、この部分でどこまで深い内容を言えるのかは、普段の自分がどこまで考えて仕事に取り組んでいるかに掛かっていると思います。

すごく印象的だった質問はこんな感じでした。

マネージャー(以下、M)「データをもとに当たりを付けてアクションに取り掛かる時はどういう手順で進めますか」

you(以下、Y)「まず、ベースとなる対象と比較して、大きく乖離がある部分をピックアップします。乖離している部分の数字が変化するとKGIにどう影響を与えるか軽くシュミレーションした上で、効果が大きそうな部分について乖離している仮説を立ててリサーチを進めます。」

M「ベースはどういう基準で決めるのですか」

Y「ベースの決め方に固定された基準はないと考えています。目的によってベースに置くべきデータは変わってくるからです。ただし、このベースを置く部分はセンスが問われるところであり、どこまで現場を理解しているかという深さ、一歩引いて自分の業務に連なる外部に関する数字も理解しているという広さの二つが影響してくると思います。」

これ、想定問答ではリサーチの進め方や仮説の立て方を聞かれることだけを想定していたので、ベースの置き方はその場でとっさに出た答えでした。

個人的には、この時に"一歩引いて自分の業務に連なる外部に関する数字も理解しているという広さ"という話が出せたことがポイントだったと考えており、これは普段からデータを使った分析に取り組んでいないと出ない一言だったと思っています。

内定

面談を無事通過するとトランスファー先のポジションからオファーをもらうことが出来ます。

この時に、トランスファー先のポジションによっては待遇が変わる可能性もあるので、オファーをもらったらゴールではなく、良い条件(最低でも現状より悪化していない)でオファーをもらうことが大事です。

面接通過のお知らせ

面接後、4,5日でトランスファー先のマネージャーから面接に通過した旨をメールで連絡してもらいました。

正直、畑違いの事業企画系のポジション、なおかつ本来は一つ上の職位で募集していたので面接を通過したと知った時はとても嬉しかったです。

正式な内定通知で異動先の待遇を確認した上で承諾

実はここでひと悶着ありました。

私がトランスファーにアプライしていたのは22年11月だったのですが、Twitterを筆頭にGAFAMでも大量に社員がレイオフされるといタイミングでした。

私もトランスファーをするうえでこの影響をもろに受けてしまい、内定したもののファイナンス部門から了承が下りず正式な内定通知が出ないという時期が3週間ほど続きました。

この時はこれから新しいポジションに向けて準備をしていいのか、今のポジションに残留するため来年の案件を仕込み続けた方がいいのか、どちらに注力すべきか分からずにモチベーションもかなり下がってしまいました。

しかし、トランスファー先のマネージャーがトランスファー先/ファイナンスの両部門TOPに掛け合ってくれたので何とか正式な通知をいただきました。

心配していた待遇の面も変更なしということで、安心してトランスファーを承諾しました。

(補足)内定した後にすべきこと

さて、この記事を執筆しているのは22年12月時点であり、まだトランスファーまで少し日数がある状態です。

この間にやるべきことは、大きく二つあると思っています。

  1. 担当する業務の用語を覚える

  2. 担当する業務で使うツールに習熟する(ツールが事前に使えるなら)

担当する業務の用語を覚えるのは、それに関わる専門書を1冊読み込んでおけば大丈夫です。

ツールに習熟するのについても、例えばSQLなどであればネット検索で出てくる練習をこなしておく程度でよいかと思います。

業務が始まった際に余計なところで躓いたりせず、素早くキャッチアップしていくために上記の準備は必須かと思います。

そのうえで、トランスファー初期のタイミングでは知識の詰め込みではなく、色々なものをアウトプットして"試す"ことに時間を使うべきです。

新卒ほどではないにしても、入社3ヵ月くらいは新人バイアスがかかっているので失敗しても多めに見てもらえることも多いです。

普通の人がゆっくりインプットする時期に、自分は事前にインプットは終わらせてアウトプットを通じた学びを蓄積することで、トランスファー先でも早くから価値を出しやすくなると思います。

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