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ヨットでお出かけ最終回:サンフランシスコ交通の要だったペタルマ運河を上ったよ

サンフランシスコ湾のお隣のサンパブロ湾に流れ込むペタルマ川(Petaluma River)を船で北上してペタルマの街まで行く運河のコースはサンフランシスコのセーラー達にとても人気があります。かつてはサンフランシスコにとって交通のかなめだったペタルマ運河の旅へ友達一家と一緒に2隻の船で出かけてきました。

ペタルマ運河の旅

ペタルマの河口へ出発

ペタルマ川へ行くには前回の泊りがけセーリングで行ったサンパブロ湾をめざし湾の北にある河口を目指します。北に上がれば上がるほど水深が浅くなるので河口に近づいてきたら赤と緑のマーカーのあいだにある運航用のチャネルから絶対に外れないようにね、と友達夫婦にアドバイスをもらいました。実はずいぶん昔にペタルマ川を船で上がった時に帰り道で河口付近の浅瀬に乗り上げ6時間ほどスタックしたことがあります。

今回は水深計とにらめっこしながら注意深くチャネルを通過し浅瀬に乗り上げずに無事河口に到着しました。友達一家とは河口の入口で待ち合わせして、ここから一緒にペタルマ川を北上していきます。

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乗船早々にワンコたちはお昼寝モード
河口に到着するまでは寒いのでしっかり着込みます。
お昼寝に飽きたら大好きなマストの下に移動するくま
今日はねペタルマっていうところに行くんだって。
ペタルマの河口に入ったところで友達一家の船と待ち合わせ
さあペタルマ川を上っていくよ!

いろいろな景色が楽しめる運河セーリング


川のまわりはのどかな田園風景であちこちにブドウ畑が見えてきます。ペタルマはカリフォルニアワインで有名なナパとソノマのお隣の街でカリフォルニアワインの産地です。街の名前はあまり知られていないものの、ワイナリーもワイン畑もあちこちにたくさんあります。

ペタルマ川に入ると気温が急上昇します。太平洋からの涼しい風が入り込むサンフランシスコ湾とは全く違いほんの少し距離を移動しただけで気候が大きく変わるのです。ペタルマをはじめとしたナパやソノマはいわゆる盆地になっていて昼間はかなり気温が上がりますが、夜は太平洋から入ってくる霧に覆われることが多いので夜になっても気温があまり下がりません。霧が毛布の役目を果たしてくれます。ゆえにワインに最適なブドウが育つのだそうです。出発したときは寒くてセーリングジャケットを着こんでいた私たちも川に入ったら暑くてTシャツだけになりました。毛皮を脱ぐわけにはいかないワンコたちは日陰を選んで寝そべっていました。

風はほとんどなくなってしまったので河口からペタルマのドックまではセールは上げずに100%エンジン走行走行でした。川幅が狭くなっているところもあるので、できるだけ真ん中の水深の深いところを走行していきます。

くねくねと曲がりくねっている運河を注意深く走行します。
収穫の終わったブドウ畑が続きます。
大きな納屋が見えてきました。納屋は伝統的に赤いペンキで塗られています。
日陰を見つけて寝そべるくま
でもやっぱり景色も気になるよ。
ソノマの丘。この向こうはワインで有名なナパバレーです。

初めての跳ね橋通過


この旅ではペタルマの街に入る手前で跳ね橋を通過しなければなりません。橋の管理人にあらかじめ通過する日時を伝えておくと通過する前に跳ね橋を上げておいてくれます。私たちは初めての跳ね橋通過だったので、ほんとうに橋を上げてくれるのか実はちょっとドキドキしました。でも橋が見えてきたところでゆっくりと橋が上がっていくのが見えて、私たちが通過するまでには完全に上がっていました。橋を上げているあいだは通行止めになってしまうので、車を運転している人たちにはちょっと申し訳ない気分でした。

リバーサイドのホテル。ホテル専用のゲストドックもあるそうです。
ペタルマの街が近づくにつれて川幅が狭くなっていきます。
街の匂いがするよ。
跳ね橋が見えてきた。
ちゃんと橋が上がっていてよかった!
近くで見ると巨大な跳ね橋。
私たちが通過するのと同時に橋が下がっていきます。

無事に跳ね橋を通過してペタルマの街に入りました。ペタルマのドックはマリーナではなく水道と電源がついているだけのとてもシンプルなドックです。もちろんヨットクラブの施設もありません。でもペタルマの市街地のど真ん中にあるので、船から出たすぐ先には素敵なカフェやレストランがたくさんあり街を散策することができます。

ペタルマのドックが見えてきた。着岸準備!
到着!さっそく電源を繋げました。
ペタルマのドックに着岸したうちの船と友達の船

古い街並みが残るペタルマの市街地

ペタルマはもともと19世紀に農産物を出荷するハブとして栄えた街です。カリフォルニアがゴールドラッシュで賑わった時代でもあります。この街に内陸の各地で生産された小麦粉などの農産物が集まり、サンフランシスコに向けて出荷されたのです。ペタルマの運河はサンフランシスコの食を支えるとても大事な交通ルートでした。私たちが上がってきた川をかつてはたくさんの船がいろいろな物を積んで行ったり来たりしたのだなあと思うと果てしない気持ちになります。ペタルマの市街地には当時の面影が残る19世紀の古い建物がきれいに保存されています。

食べ物が集まる街として発展したので上質なレストランがそろっていることでも有名です。もちろんワインの生産地でもあるのでワインの試飲ができるお店もたくさんあります。ドックの近くには焼きたてのパンを出してくれるカフェがあり、朝起きたら船から歩いてすぐのところで焼きたてパンとラテをいただくという贅沢も楽しめました。

19世紀当jの建物
古い建物がきれいに保存されています。
ドックの近くのカフェで焼きたてパンとラテをいただきました。
僕もお腹すいたの。
古い倉庫街をお散歩

ドックのすぐそばには何もない空き地もあって、ワンコたちをオフリーシュで遊ばせることができました。多分誰かの私有地なんだと思いますがフェンスも看板も何もなくドックランとして使わせていただきました。ワンコたちは船に長い時間スタックしたままになるので、こういったオフリーシュで遊ばせることろがあるのはとてもありがたいのです。

川沿いの空き地は臨時ドックパークになりました。

もしも私が船酔いしない体質だったら、外海に出て長期の航海に出たかったなあと思います。この旅に一緒に行った友達一家は翌年メキシコに向けて出発し、そのまま南太平洋まで行ってしまいました。マリーナのセーリング仲間でもメキシコとハワイは人気のあるセーリングの行先で、バークレーからハワイまでセーリングするレースも毎年開かれます。

この旅ではペタルマのドックで2泊しておいしいものを食べたり市街地を散策したりしてゆっくりと過ごしました。なんといっても気の置けない友達と一緒に行くセーリングの旅は初めての経験でとても楽しかったです。うちにはワンコが3匹、友達一家はまだ3歳になったばかりのキッズがいたので、レストランでは食事をせずにとてもおいしいイタリアンレストランからテイクアウトした料理を船の中で楽しみました。ワンコたちも昼のあいだは新しい街でのお散歩を楽しみ新しい匂いを見つけて冒険した後はいつもの家(=船)に戻って自分たちのお気に入りの場所で安心して眠りにつけたと思います。

この翌年にはメキシコまでヨットに乗って行ってしまったスーパーキッズ
レストランからのテイクアウトでパーティタイム!

次回からはくまのアメリカロードトリップのエピソードが始まります。








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