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水に映る自分の美しさに他者の美しさを見出すことができたなら|水仙(ナルキッソス)


2021年2月18日、雨水の初日。

月に一度のシュタイナーの絵の教室でした。

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今日描くのは水仙。

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春の陽気の中に生命力の兆し。

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力強い球根は子宮みたいです。この部分は左手で描きたくなったので、左手に委ねる。

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花の部分は右手に委ねる。

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ナルシストの語源にもなっている水仙(ナルキッソス)。

高校の英語の時間に読んだ、水に移る自分の姿に惚れ込み、ついには命を落としてしまった美少年ナルキッソスの話を思い出す。

心理学者フロイトは性の衝動のことをリビドー、リビドーが自分に向けられることをナルシズムと定義づけたけれど、それが未成熟なまま他者に向けられない状態は病的で破壊的衝動を生む。・・と大学の精神医学の授業だったかな?で習ったことをちらっと思い出した。

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この日、たまたま子供の性教育の話にもなって、まず初めに子供たちに教えるのは「あなた自身はとても大事な存在で、あなたの中にはあなただけの聖域があるんだよ」ということだなぁと改めて思った。性器の仕組みや性交の云々を教える前に。

性教育は自己愛のベースを育てることからはじまっている。


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まずは自分を大切にできて、自分の中に美しさが見出せるようになったなら、他者の中にもおんなじように美しさを見出すことができる。

それが健全な自己愛の発達なのでしょう。

もし美少年ナルキッソスが、あの時、水に映る自分の顔の中に他者を見つけることができたなら、今頃彼はどんな恋愛をして、誰とどんな関係を温めているのだろう。

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