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no.2 寝室にスマホを持ち込まない|ゆるデジタル・デトックスはじめてます


生活の中でゆるーく段階的にデジタル・デトックスをしています。

デジタルを遠ざけることでも禁止することでもなく、オフラインとオンラインのボリュームを自由自在に調節できるような生活を作るために。

no.2は寝室にスマホ(をはじめとするiPadなどの電子機器)を持ち込まない

今日でかれこれ一ヶ月目になるでしょうか。睡眠の質が良くなることは何人もの人が書いているのでそちらに譲るとして、夜と朝の時間の使い方の変化について書いてみたいと思います。

なぜ寝る前スマホが習慣に?

夜、寝室にスマホを持ち込んで娘を寝かしつけた後ダラダラとネットサーフィンすることが日課になっていました。

面白いのは意識的にそんな習慣を生活に組み込んだ覚えなんてないのにいつの間にかそうなっていたということ。

おそらくどこかでこの「夜寝る前スマホ」のインセンティブを得たのでしょう。


物心ついた時から、夜寝る前はわたしにとって一日のうちで一番好きな時間になっていた。

自分以外の誰かに費やされることの多い日中と違い、周りがしんと静まりかえる夜は、自分の時間がかえってくる気がするのだ。

夜寝る前にインスピレーションを得ることも多い。
日中アーカイブされていた色んなことが、夜になるとドドーっと洪水のようにやってくるのだ。

医学的にも夜寝る前には脳が瞑想状態になって、全体性を回復させると言われるが、夜寝る間の時間はアイデアやインスピレーションを得るには最高の時間なのだ。

わたしはこんこんと湧いてくるインスピレーションをその都度その都度汲み取ってはネットで検索してみることが好きで、そうすることで一つのインスピレーションから新たなインスピレーションの種になるものが芋づる式に掘り起こされていくのです。

これが本当に面白くてですね。わたしの脳に「インセンティブ」として刷り込ませるには十分すぎるほどの刺激で、わたしは、いやわたしの脳は、この状態を「なんとクリエイティブで豊かな時間なのだ・・!」と思っていたのです。

こうして、夜寝る前スマホ→ネットサーフィン→夜更かしサイクルが見事に完成されたわけです。

寝る前の時間の使い方は思春期の頃から変わっていなかった

しかし、寝室にスマホを持ち込まなくなって2週間ほど経った時。
寝室に持ち込まなければ夜のスマホ時間はOKにしていたので、家族が寝静まったあと、ソファーで一人インスピレーションをノートに書き留めながらネットで調べていた。そんな時ふと「この時間って本当にクリエイティブなのだろうか」と行動を止める自分がいた。

そして、自分が中学生の頃の夜の姿が浮かんできたのです。

夜、家族が二階の寝室に上がって行き静まり返ったリビング。
どかっとソファーにもたれて、朦朧とした頭で撮り溜めておいたドラマを見ながら(なんだか疲れた主婦みたいだが笑)広告の裏紙にその日に感じていたことを文字で、詩で、絵でひたすらかきなぐっているわたし。

そんな情景を思い浮かべながら、あぁそうか、わたしの行動パターンって思春期の頃から変わっていないのだな、と思った。

そして、あの頃の自分も今の自分も同じように「自分にとって大事なことを忘れてしまう」ことに対して怖さだったり切なさを感じていて、これが夜の時間の使い方の原動力になっていることに気がついたのだ。

寝る前に浮かんでくるアイデアを一度寝かせてみると・・?

思えば、思春期の頃は、今沸いてきた言葉を今、書き留めたい、今、思いつく形にしてなんとか残したいという切実な衝動みたいなものと一緒にいた気がする。

あの頃の自分にとってはそれが最適な方法だったと思う。けれど、20年ほど経った今、その方法をアップデートしてみていいのではないだろうか。

20年の間にインスピレーションを醸造させる土壌を育んできた、と自分を信頼して委ねてみてもいいのではないだろうか。

そう思った。

しかも、場合によっては、せっかく湧いてきたインスピレーションをすぐさま既存の知識の枠に押し込めて納得させることは、ものすごく暴力的であることだってある。

焦らないこと。

すぐに調べず遊ばせておくこと。

今は、夜に浮かんできたアイデアやインスピレーションはノートに書き留めて寝かせるという実験を試みている。場合によっては書き留めることもしないで受け流すだけにしている。

最初はもやもやして、ちょっと嫌な感じがして、夜なかなか眠れなかったりしたのが、一ヶ月も経つと慣れてきてアイデアと一緒に身体を寝かせることができるようになった。人間の慣れとはすごいもの。

不思議と夢をよく見るようになった。
その夢の深さや濃さから、夜寝ている時間にアイデアやインスピレーションをより深いところで練っていることがよくわかる。

朝の感覚も変わって、目覚めた時にインスピレーションを受け取ることも増えた。
それは今まで酔いしれていたようなハッと感動する類ではなく、特に斬新でもなく、すぐ近くにありすぎて今まで気が付かなかったような類のものだ。しみじみと心を満たしていくような滋味深いものだった。

・・つづく








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