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中学生のときに聴いた洋楽②1973年

 さて、中学2年生になる1973年です。以前から何度か書いてますが、この年は、プログレ系の名盤がやたらとリリースされた年だったのですが、それだけでなく、洋楽ヒットチャートを眺めてみても、後世に残る名曲がたくさんヒットチャートを賑わせていた年だということがわかります。とにかく洋楽全体のとてつもない当たり年だったということが言えるのではないかと思うのです(ついでですが、クイーンがデビューしたのもこの年です)。この年に入ってすぐ行われたベトナム戦争終結宣言により、「やっと戦争が終わった」という気持ちが影響を与えたのでしょうか?(実際に戦争が終結したといえるのはもっと後になるはずなんですが)。国内ではオイルショックの年でした。トイレットペーパーを買うためにスーパーに長蛇の列ができた等が騒がれていましたが、中学生にとってはレコードが値上がりしたのは悲しかったですが、それ以外はあんまり影響は受けた記憶はありません。でもまあ、世の中的にはあんまり良いことがあった年ではなかったと思います。

1973年リリースのプログレアルバム

  • The Dark Side Of The Moon(邦題:狂気) / Pink Floyd

  • Yessongs / Yes

  • Tales From Topographic Oceans(邦題:海洋地形学の物語) / Yes

  • The Six Wives Of The Henry VIII(邦題:ヘンリー8世の6人の妻たち) / Rick Wakeman

  • Brain Salad Surgery (邦題:恐怖の頭脳改革)/ Emerson Lake & Palmer

  • Larks' Tongues in Aspic(邦題:太陽と戦慄) / King Crimson

  • Selling England By The Pound(邦題:月影の騎士) / Genesis

  • Tubullar Bells / Mike Oldfield

  • Photos Of Ghost(邦題:幻の映像) / PFM

1973年(昭和48年)の出来事

  • 1月 米ニクソン大統領ベトナム戦争終結宣言

  • 2月 1ドル308円の固定相場から変動相場に移行 1ドル277円でスタート

  • 3月 アメリカ軍のベトナム撤収が完了

  • 4月 オセロゲーム発売

  • 8月 金大中事件

  • 10月 第4次中東戦争 国内はオイルショック


1973年の洋楽ヒット曲

Hi Hi Hi / Paul McCartney

この曲は72年の年末に英米でリリースされているので、日本のラジオで聴くようになったのは、73年になってからのはずです。一生懸命ビートルズの過去のアルバムを集めていた頃、メンバーのソロで、一番最初に意識したのはこの曲でした。ジョン・レノンの Imagine やジョージ・ハリスンの My Sweet Lord などは、わたしが洋楽聞き始める前のヒットで、リアルタイムには聴いてないんです。ただ、当時この曲はちょっとお下品な歌詞が災いしてBBCで放送禁止になったとかそういう話題とともにOAされてましたので、あの神のようなビートルズメンバーが、ソロになったら「これかい」という印象はちょっとというか、かなりあったように記憶してます(笑)。

Burning Love / Elvis Presley

この曲も72年のリリースで73年になってからよくOAされていたと思います。というのは、プレスリーは、73年1月に、ハワイからライブを世界に衛星生中継するという企画があったのです。(Wikiを見ると、アロハ・イン・ハワイという名称で記録されてます。なんか当時日本ではエルビス・イン・ハワイと言われてたようなかすかな記憶がありますが、よくわかりません…)これは日本でも放映されて、家族みんなで見た覚えがあるんです。すでにエルビスは伝説のミュージシャンだという認識はあって、結構興味を持ってテレビの前に座りました。ところが、あのド派手な衣装(とんでもなくダサく見えた…)とか、汗を拭いたハンカチを客席に返すとか、いちいち「なんだそれ」という感じになってしまい、自分にとっては「過去の人」というフラグが立ってしまったのですね。この曲はそんなに悪くないのですが、それ以外の部分が全くダメだったという感じです。m(_._)m。

It Never Rains In Southern California(邦題:カリフォルニアの青い空)/Albert Hammond

この曲も、72年10月リリース、日本では73年に入ってからの大ヒットと思います。これは素直に良い曲だと思いました。この曲と、次のドーンの曲を聞くと、何か中学生の時の空気感を思い出します。それくらいよくOAされてました。

Tie a Yellow Ribbon Round the Ole Oak Tree(邦題:幸せの黄色いリボン)  / Tony Orlando & Dawn

あの、高倉健と武田鉄矢、桃井かおりが出演してヒットした77年の映画「幸せの黄色いハンカチ」と元ネタを同じにするというか、そういう曲です。この曲はとにかく大ヒットしまして、当時のラジオでかかりまくってました。当時はグループ名はただ「ドーン」とだけ紹介されてたと思います。

Killing Me Softly with His Song(邦題:やさしく歌って) / Roberta Flack

ネスカフェのCMソングにもなってましたね。今聴いたら、CMの方は歌詞を変えてるんですね。まあ、「優しく殺して」では、さすがにCMではまずいでしょうからね(笑)

My Love  / Paul McCartney & Wings

Hi Hi Hiの路線から一転(笑)、王道っぽいバラードでポール復活を印象づけてくれたのがこの曲ですね。この後、007のテーマソングLive And Let Die(邦題:007/死ぬのは奴らだ)がヒットしたのもこの年で、ここから数年間、ポールはヒットを連発するようになるのです。

Give Me Love / George Harrison

ジョージ・ハリスンのソロを初めて意識したのもこの年でした。この曲をきっかけに、アルバムLiving In The Material Worldも聴いて、これは深く刺さりました。ポールのRed Rose Speedwayよりずっと気に入っていたのです。この時期、わたしは間違いなくポールよりジョージの方が好きでした。

Crocodile Rock / Elton John

エルトン・ジョンの人気が爆発したのは、この年くらいからですかね。この他にも、DanielGoodbye Yellow Brick Road、Saturday Night's Alright (For Fighting)(邦題:土曜の夜は僕の生きがい)も全部73年です。とんでもないですよね。もうラジオつければ、必ずエルトン・ジョンの曲がかかってるという感じでした。

You're So Vain(邦題:うつろな愛) / Carly Simon

日本でも大ヒットしましたね。こういう女性シンガーをはじめて知ったのもこの年でしたが、この方は歌よりも、あの有名なジャケット写真が当時の男子校の中学生には刺激的すぎまして….(笑)

Touch Me in the Morning / Diana Ross

元スプリームス(当時はシュープリームスと言ってましたが)のダイアナ・ロスは、中学生にとっては年増の大御所っぽい印象が強く、ちょっとタイプではなかったのですが(笑)、この曲も耳にタコできるくらいラジオで聴きました。

Superstition / Stevie Wonder

一方、スティービー・ワンダーというのは、この頃初めて認識したミュージシャンでした。この曲もひたすらラジオでOAされてました。You Are the Sunshine of My Lifeもこの年のヒットです。ダイアナ・ロスもそうですが、日本でもこの頃から急に黒人ミュージシャンのヒットが増えてきたような印象がありますね。

Sing / Carpenters

カーペンターズが大ヒット連発したのはこの年ですね。この曲の他、Yesterday Once More、Top Of The Worldも73年です。そのため、翌74年の来日公演は、社会現象のような騒ぎになりました。

Angie(邦題:悲しみのアンジー) / Rolling Stones

ローリング・ストーンズのヒット曲をラジオで聞いたのはこれが最初だったと思います。ビートルズで洋楽入門したからか、どうもストーンズの良さはこの頃まだあまりよく分かってなかったのですよね。この後にNHKのヤング・ミュージックショーという洋楽のライブ番組でストーンズのIt's Only Rock'n Rollを見た覚えがあるのですが、それ見てもあまり興味が沸かなかったのです。ストーンズの凄さと良さが身に染みたのは、自分が40歳超えてからなのです。その話もまたいずれ…。

Smoke On The Water / Deep Purple

一方こういうハードロック(この頃まだヘビーメタルという用語は無かった)もラジオでもしょっちゅうかかってました。ヒットチャートにランクインしなくても、Highway Starとかも、相当OAされてたと思います。一方レッド・ツェッペリンは、もともとシングル指向ではなく、あまりラジオのヒットチャートではかかってなかったように思います。

We're An American Band(邦題:アメリカンバンド)/ Grand Funk Railroad

いやあ、これも懐かしい曲ですねえ。「ハードロック」と言われたこの時代を象徴するような曲ではないかと思います。

Can The Can / Suzi Quatro

女性ロッカーの草分け、スージー・クアトロがヒットしたのもこの年でした。小柄な女性ながら、でっかいベースを弾きながらパワフルに歌うのが、なかなか当時珍しかったですよね。

Minde Games(邦題:ヌートピア宣言) / John Lennon

この曲は、73年11月のリリースなので、日本でチャートインしたのは74年になってからかもしれません。もちろん元ビートルズのジョン・レノンの新譜として初めての体験(前作の時はまだ意識してなかった)ですから、ものすごく興味を持ってアルバム聴いたのですが、あまり好きになれませんでした。ジャケットもまあこのありさまで、ポールやジョージにくらべて、何だコレは….って思ってしまったのですよね。わたしにとって、ミュージシャンとしてのジョン・レノンのファーストインプレッションがこれだったというのは、ちょっと運が悪かったのかなあとか思ってしまうのです。

 こうして、あらためて並べてみると、名曲だらけですよね。改めて1973年というのは、とてつもない当たり年だったことがわかると思います。こういうヒット曲のなかに、プログレ勢が歴史に残るアルバムを次々リリースしていたわけで、この時期に洋楽にハマっていくというのは、なんか必然のような気もしてくるわけです。

 一方、この年の邦楽というと、荒井由美の「ひこうき雲」とか、井上陽水の「夢の中へ」「心もよう」、かぐや姫の「神田川」、ガロの「学生街の喫茶店」など、フォーク系の歌手がかなりヒットを出しはじめた年といっていいでしょう。アイドル系では天地真理、浅田美代子、麻丘めぐみ、アグネス・チャン、郷ひろみ、西城秀樹、フィンガー5あたりがかなりヒットしていて、こっちも豊作な年だったりするわけですが、一方この年に邦楽で一番売れたシングルはぴんからトリオの演歌「女のみち」です。で、テレビの歌番組見ると、フォーク系の人は誰も出てこないで、アイドルと演歌だけという、まだそんな時代だったわけです。

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