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〜第4章〜 The Lambの内容 (3)brother John は兄なのか弟なのか?

今回は、ちょっと息抜き的なテーマで行きたいと思います(笑)

The Lambのストーリー、全歌詞を通じて、brother John と表現されるレエルの兄弟(最後は同一人物ということになるわけですが…ネタバレですがいいですよね、今さらw)は、レエルの兄なのか弟なのか問題です。

基本ストーリーにも、歌詞の中にも、レエルより年上なのか、年下なのか、これを決定できるような記述は一切無いのです。しかし、日本語に訳すとき、これは割と大きな問題でして、兄と訳すか、弟と訳すかの判断材料がないのは大変に困るのですね。「兄弟のジョン」とすると、今度は日本語として変になってしまいますので。

ちなみに、わたしが持っている日本版の初版LPのライナーで立川直樹氏は「兄」と断じておりましたので、わたしも何となくずーっと「兄」というイメージを持っていたわけです。

ところが、やはり海外のどの資料を見ても、この問題に言及したものを見たことがありません。どうも英語圏の人というのは、brotherといえば、兄弟で、それ以上どっちが上か下かというのは、気にしないようなのです。そもそもそういう単語を持たない言語の人たちですからね。

もちろん、英語にも、older brother、elder brother 、younger brotherなどの言葉はありますし、それで通じるはずなのですが、どうしても必要なとき以外はほとんど使わないみたいだし、誰もそんなこと気にしてないみたいなんですね(笑)

以前サラリーマン時代に、同僚に双子のお嬢さんを持つ人がいて、その人から聞いた話ですが、娘さんたちが人から聞かれて一番嫌だったのが「あらー、どちらがお姉ちゃん?」という質問なのだそうです。つまり、日本人は双子を見ても、どちらが上か下かを聞いてしまう、それをしないと気が済まない民族のようなのです。確かに、兄、弟、姉、妹と、漢字一文字でそれを表す言語をもっているわけですから、これは文化的な背景といっても良いのかもしれません。結局日本での年功序列的なものの考え方は、こういう言語的文化に根ざしているということなのですね。きっと。

考えてみれば、英語圏では、会社の上司や社長に向かって平気でファーストネームで呼びかけたりするのが普通なわけで、やはりこういうところが文化の違いなのでしょうね。

ただ、「日本語に訳す」必要があるときは、やはり兄か弟かどっちかに決めないと、日本語として都合が悪いわけです。

そこで、この先(第5章で予定)、The Lambのストーリーや歌詞を解説する際には、わたしも立川直樹氏に習って「兄」と表現することにします。これは、ストーリー中、2回にわたってレエルが助けを求めていること、また一足先にレエルと同じ体験をしてスリッパーマンになっていたことの2点からの連想で「兄」とするのが妥当かと考えたからです。きっと立川直樹氏も、1974年のころに、ほとんど周辺情報なしに、あのストーリーと歌詞の原稿を渡されて、頭抱えながらもそう考えたのではないかと思います。

ということで、Brother Johnについては、兄ジョンで行きます(^^)
あれ、もうここで「兄」って書いてた…w

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