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高校生の時に聞いた洋楽②:1976年

 1976年というのは、やはりロッキード事件の年と記憶されています。田中角栄元首相の逮捕というのはやはりインパクトありました。その他も、ミグ25の事件とか、植村直己、王貞治の記録、アントニオ猪木とモハメド・アリとか、またモントリオールオリンピックでのコマネチの10点連発とか、案外賑やかな年だったのですね。

1976年(昭和51年)の出来事

  • 2月 アメリカでロッキード事件発覚 国内では関係者の証人喚問が行われ、「記憶にございません」が流行語に

  • 4月 アップルコンピューター設立

  • 5月 植村直己が北極圏犬ぞり横断を達成

  • 6月 アントニオ猪木VSモハメド・アリの異種格闘技戦が行われる

  • 7月 ロッキード事件で田中角栄前首相が逮捕

  • 7月 モントリオールオリンピック開幕

  • 9月 ソ連のミグ25が函館空港に着陸しパイロットのベレンコ中尉が亡命

  • 10月 中国の文化大革命を指導した四人組が逮捕

  • 10月 王貞治がベーブ・ルースを抜く715号本塁打を記録

  • 10月 富士スピードウェイで日本初のF1日本グランプリ開催


1976年の洋楽ヒットソング

Beautiful Sunday  / Daniel Boone

この曲は、元は1972年にリリースされた曲で、海外では多少ヒットしたらしいですが、日本では売れず。75年の暮れ頃にあるテレビ番組のコーナーテーマソングとして起用されたところ、問い合わせが殺到して改めてシングルが再発売されたのだとか。とにかく日本ではすさまじい売れ方で、この年、都はるみの「北の宿から」を超える200万枚のセールスを記録。歌のお兄さん田中星児の日本語カバー版もバカ売れしたということで、なんか日本でも洋楽売れるじゃない、という感じになったのではないでしょうか。

Dancing Queen / ABBA

この年の世界的な大ヒットといえば、これですね。いよいよアバの黄金時代の始まりです。それにしても、この年にリリースされたアルバム Arrival は神がかってますよね。アルバムの曲全部シングルカットしても良かったくらいだと思います。ちなみに、Fernando(邦題:悲しきフェルナンド)もこの年のヒットですが、これはアルバム未収録曲なんですね。

Bohemian Rhapsody / Queen

一方、クイーンもついに来ました。でも当時のわたしは、この曲を聴いてもあんまりバンドについての認識が改まらなかったのですよね。なんか変わったことやってるけど、プログレでもないし、ハードロックでもないし….て感じでして、結局アルバムを聴くという行動に出なかったのですよね。なんかアイドルごときが小難しいことやってるけどねえ、、、とか。ホントすいません(笑)Somebody To Loveもこの年のヒットなんですが、まあこの辺からチャートでヒット曲聴くたびにちょっとずつ認識は変わっていくのですけどね。

More Than A Feeling(邦題:宇宙の彼方へ) / Boston

そしてこれまたいよいよデビューしたボストンです。このときわたしはクイーンよりずっとボストンの方に興味があって、このファーストアルバムにはけっこうシビれました。アメリカのバンドにしては、ちょっとプログレフレーバー感じさせて、これぞ新時代のロックという感じを受けてたんですよねえ。

If You Leave Me Now(邦題:愛ある別れ) / Chicago

シカゴも72年のSaturday In The Parkの大ヒット以来、ちょこちょこヒットは出てたんですが、久しぶりの大ヒットという感じでした。そして、これがAOR路線のシカゴのスタートとなり、このあとも大ヒットが続くようになるのです。

Don't Go Breaking My Heart(邦題:恋のデュエット) / Elton John & Kiki Dee

売れまくっていたエルトン・ジョンが、キキ・ディーとデュエットしたこの曲はそれなりに売れたはずですが、この動画を見ると、相当疲れてるというか、ちょっと痛々しい感じを受けてしまいます。彼はこの年Blue Moves(邦題:蒼い肖像)というアルバムを出したのですがこれが売れずに、一度引退宣言してしまうのですよね。

Europa(邦題:哀愁のヨーロッパ) / Santana

コレも売れましたねえ。サンタナ初の大ヒットだと思うのですが、この曲がシングルカットされたのは日本だけだったので、日本だけのヒットだったようです。

Silly Love Song(邦題:心のラブ・ソング) / Paul McCartney & Wings

この年もポールは快調にヒットを飛ばします。この曲の他、Let'Em In(邦題:幸せのノック)もこの年のヒットですね。一方ジョン・レノンは、前年に息子のショーンが生まれて、育休に入ってしまい音楽活動は停止していました。

This Guitar (Can't Keep From Crying)(邦題:ギターは泣いてる)/ George Harrison


この曲は当時ラジオでよく聴きましたが、アメリカではそれほどヒットしなかったようです。While My Guitar Gently Weepsのアンサーソングみたいな紹介のされ方をされていて、邦題も「ギターは泣いてる」と言うのですが、聴いてみるとそんな印象的なギターソロではなく、結局「ギターあんまり泣いてないじゃん」とか思ってしまったりして…(笑)この頃からジョージは、あまりヒットに恵まれなくなるんですよね。次の大ヒットは1987年ですからね。

Love Machine(Part1) / The Miracles

世界的なディスコブームは続いていたと思いますし、アバのDancing Queenも、ディスコソングと言っても良いと思うのですが、この年の黒人バンドのディスコヒットはこの曲くらいだったかもしれません。

Theme From 'Mahogany'(邦題:マホガニーのテーマ) / Diana Ross

一方黒人ミュージシャンとしては、久々に大御所の登場です。この曲は80年代にまたまたネスカフェのCMソングとして耳にタコができるほど聴くことになるのですが、オリジナルはこの年の大ヒットです。

Jolene / Olivia-Newton John

オリビア・ニュートン=ジョンといえば、やっぱりこのアルバムCome On Over(邦題:水の中の妖精)が印象深いですねえ。この曲はアルバムからのシングルカットで、日本でも大ヒットしました。「ジョリ〜ン〜」という語感がおもしろくて、よく子どもが歌ってましたね(笑)

Breezin / George Benson

この曲が洋楽ベスト10みたいな番組でOAされていたのか、定かではないのですが、あちこちで、やたらと耳に入った曲であるのは間違いないのです。フュージョンミュージックの世界的ブームというのは、多分このあたりから始まったと思って良いのではないかと思います。

 この年の邦楽は、なんといっても「およげ!たいやきくん」の大ヒットなんですよね。累計売上枚数は500万枚を超えているのだとか! そのあおりなのかどうかは分かりませんが、この年のヒットチャートを眺めていると、昨年までの演歌勢の勢いが減速しているように見えるのですよね、もちろん、「北の宿から」の都はるみ、「岸壁の母」の二葉百合子とかは相当ヒットしてるんですが、それ以外の大ヒットがあんまりないんですね。その一方で、ダニエル・ブーンのビューティフル・サンデーが200万枚も売れてしまうわけです。テレビがきっかけとはいえ、日本市場で洋楽がこれほど売れたのは初めてだったのではないでしょうか。その他、「あの日に帰りたい」で大ヒットした荒井由実の他にもチューリップ、小椋佳、イルカがチャートに登場してきたりと、ニューミュージックと呼ばれるミュージシャンが存在感を示し始めた年だと言って良いと思います。アイドル方面も、山口百恵、太田裕美、岩崎宏美など、アイドルといいながらしっかり歌も歌える人が案外ヒットしてるという感じで、この頃からちょっと日本の音楽マーケットも変わり始めたのかなあ、と思える年なのです。

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