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1985年の洋楽ヒットソング

 1985年の洋楽といえば、やっぱり7月のライブエイドを抜きにして語れないわけですね。ボブ・ゲルドフという、その時点ではあんまり有名ではなかったミュージシャンの提唱したアフリカ救済チャリティが、あれほど巨大なイベントとして結実したというのも、奇跡的な出来事だったのだと思います。日本ではフジテレビがこれを中継したのですが、あまりにも洋楽知識がないアナウンサーを起用するので、そこら中にツッコミを入れながら見る羽目になりましたが、それはそれで、必死でテレビにかじりついて見たのをよく覚えています。あのときのクイーンのライブをリアルタイムで見ることができたというのはすばらしい思い出ですね。

1985年(昭和60年)の出来事

  • 2月 ミノルタが世界初のオートフォーカス一眼レフカメラα-7000を発売

  • 3月 ゴルバチョフがソ連共産党書記長に就任

  • 3月 つくば科学万博開幕

  • 6月 豊田商事会長刺殺事件

  • 7月 英米の会場でライブ・エイド開催

  • 7月 長野県地附山で大規模な地すべりが発生 死者26人の大災害

  • 8月 日航ジャンボ機墜落事故 死者520人の史上最悪の航空機事故

  • 9月 プラザ合意 円が1ドル200円台から一気に100円台に高騰

  • 10月 任天堂がファミリーコンピュータとスーパーマリオブラザーズを同時発売

  • 11月 日本シリーズで阪神タイガースが西武ライオンズをくだし、球団創設以来初の日本一に。

1985年の洋楽ヒット曲

We Are The World / USA For Africa

前年にイギリス人ミュージシャンが集結して歌ったDo They Know It's Christmas のスタイルをアメリカでやった曲なわけですが、これは凄かったですねえ〜。MVに次から次へと出てくる大物スターの数に圧倒されましたし、当たり前だけどみんな超歌うまい。曲はマイケル・ジャクソンとライオネル・リッチーの共作、プロデュースはクインシー・ジョーンズで、それにこれだけのミュージシャンが集まって、ヒットしないわけがないですね。

 そしてこの年は、ふたりの女性ミュージシャンが突然トップスターとなった年でもあるわけです。

Like A Virgin / Madonna

84年11月に発売された同名アルバムからのシングルヒット。これがマドンナ初の全米No.1ソングになりました。このアルバムは彼女の2ndアルバムですが、ほとんどの人はこの曲でマドンナを知ったのだと思います。ウェディングドレス着てLike A Virgin とは、あざといよなぁ〜と思いながらも、すっかりヤラれてしまいました(笑)

Crazy For You / Madonna

そして2曲続けて全米No.1を獲得。こちらは3月に公開された自身の出演映画のテーマソングでした。マドンナはこの年1月に初来日していて、日本でも大ブームになりました。

Saving All My Love For You(邦題:すべてをあなたに) / Whitney Houston

2月に発売されたデビューアルバム、Whitney Houston(邦題:そよ風の贈りもの)からカットされて、いきなり全米No.1の大ヒット。この声にもヤラれましたねえ〜。普段あんまりR&B聴かないわたしですら、このアルバムを買ってしまいましたので(^^)

 そしてこの年は、もうひとり大ブレイクしたミュージシャンがいたんです。フィル・コリンズですね。彼は84年に自身初の全米No.1ヒット(Against All Odds)を飛ばすわけですが、この年になってその勢いをさらに加速したわけです。

Easy Lover / Phlip Bailey & Phil Collins

これは、フィル・コリンズがプロデュースしたフィリップ・ベイリーのアルバムChinese Wallからのシングルカット。本当はフィリップ・ベイリーの曲だと思うのですが、ビルボードでもフィル・コリンズの曲の一覧に表示されてます。2月に全米2位を記録。日本では田原俊彦がよく似た曲を歌っていました(笑)

One More Night /  Phil Collins

Sussudio /  Phil Collins

Separate Lives /  Phil Collins

そしてフィル・コリンズは、この3曲がすべて全米No.1獲得という大ヒットになるわけです。さらに、この3曲の間にビルボード4位まで行った Don't Lose My Number という曲を挟んでいまして、本当に1年中フィル・コリンズがかかり続けた年だったわけです。

Everytime You Go Away / Paul Young

突然売れた一発屋系の人ですが、ワム!みたいな、甘いマスクの男性シンガーが歌うこの曲は大ヒットしましたね。この人、後に鈴木雅之とデュエットしたこともあるそうです。

I Want To Know What Love Is / Foreigner

80年代を代表するアーチストのひとつですが、こういうAORっぽい曲もヒットさせてましたね。

Shout  / Tears For Fears

1981年デビューの彼らですが、この曲の全米No.1により、一躍トップスターとなったわけですね。

Everybody Wants To Rule The World(邦題:ルール・ザ・ワールド) / Tears For Fears

この曲も続いて全米No.1、全英でもNo.1となる大ヒットでした。

Money For Nothing / Dire Straits

MTVに出てるミュージシャンを批判したような内容の曲なんですが、これが全米No.1ソングになるんですね。この個性的なギターは当時驚きましたねえ。

Take On Me / A-ha

新しい映像表現のサンプルみたいなMVでして、この斬新な表現に当時本当にびっくりしたものです。当時これを作るのは大変な作業だったでしょうね。そしてこれもワールドワイドな大ヒットでしたね。

I Feel For You / Chaka Khan

冒頭の「チャカ・チャカ・チャカ・チャカ」というのが、なんかギャグみたいに流行ったのは覚えてました。ただ、この曲はわたしが苦手なプリンスの曲だったのですね…(どうりでw) ということで、なんかわたしにはあまり印象にのこってないのでした(すいません)。

Don't You / Simple Minds

この人たちもこの時期ものすごく売れてました。わたし実は翌86年5月に結婚して新婚旅行でロンドンに行くのですが、そのときロンドンのHMVで1位になっていたCDを記念に買ったのです。それが彼らのライブ盤でしたね(^^;)

Can't Fight The Feeling(邦題:涙のフィーリング) / REO Speedwagon

どうして彼らがスタジアムロックなどと言われて批判されたのかがよくわからないのですが、まあそれだけ売れていたということなんですよね。この概念を日本に持ち込んだある評論家が「産業ロック」とかいう言葉を流行らせたりしましたが、わたしは大嫌いな言葉ですね。

We Built This City(邦題:シスコはロック・シティ) / Starship

ジェファーソン・スターシップ、ジェファーソン・エアプレインとか、なんとなく耳にしていた「ジェファーソン」という名前のバンドって、実はみんなひとつのバンドがごたごたしたものだったのですね。そのなかから分離して、今度はジェファーソンがとれて、ただのスターシップとなったところで、大ヒットした曲なんですね。ああ、ややこしい(^^;)

The Power Of Love / Huey Lewis And The News

ご存知、映画バック・トゥ・ザ・フューチャーのテーマソングとして大ヒットしましたね。このバンドの日本での人気が定着したのは、この曲からだったと思います。

Heaven / Bryan Adams

カナダ人ロックシンガー、ブライアン・アダムスですね。この少し後に、仕事でカナダのある地方都市に行く機会がありまして、ロックの生バンドが出るホテルのバーで飲んでたら、隣の客に「おまえ、カナダ人のミュージシャン知ってるか?」と声かけられて、Sure, Brian Adams! と言ったところ、「おめーよく知ってるな、何人だよ」と、めちゃくちゃ喜んでもらった覚えがあります(^^)

Born In The U.S.A. / Bruce Springsteen

アメリカだけでなく、日本でも大ヒットしました。ところが、これも全米No.1はとってないのですよね、ブルース・スプリングスティーン。チャート1位だけが音楽の価値ではないのは当たり前ですが、彼に1曲も全米No.1ソングがないというのは、ちょっと七不思議な感じがしますね。

 邦楽では、この年は、チェッカーズが大ブレイクしましたね。年間チャートの1位(ジュリアに傷心)だけでなく、ベスト10に3曲もランクインしています。その他、中森明菜、安全地帯、松田聖子と、まあ前年からそんな変わらずヒットしてるミュージシャンたちという感じでしょうか。ちなみに、田原俊彦、近藤真彦らがそれまでほどヒットしなくなってきていて、アイドル全盛期から少し変わってきたという時期でしょうか。演歌勢は吉幾三(「俺ら東京さ行ぐだ」がヒットした年なので、これは演歌かどうか…ですが)と、五木ひろしくらい。あとはあまり演歌の人を見かけなかった年ではないかと思います。日本のヒットチャートの25位に、We Are The Worldが入っているのは、この曲が日本でも相当に売れたということでして、まあやっぱり日本でもこの年はライブエイドの年だったということなのだと思います。


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