畝つくり開始

ススキの除去が終わったので、いよいよ畝を作ってみる。
自然に任せる農法なので耕さないが、水はけの調整などの関係で畝は作る。
作るとはいっても周りを掘って積むだけだが。
畝は高くなるほど水はけが良くなるようなので、土の状態と植物が欲する環境によって高くしたり低くしたり、場合によっては畝を作らない。
ダリアは水を欲しがるが、水につかってしまうと球根が腐ってしまう。
水はけが良くなければならないが、同時に水持ちも必要という植物だ。
素人の見た目で、掘った土の断面はポロポロというよりはぺったりした粘土みたいに見えたため、水はけはそんなに良くないのかもと考える。
将来見分けられるようになるためには、写真ではなく多くの生の土を見なくてはと思いつつ、今は直観に委ねるしかない。
幸い水は沢の水を使えるため水道代はかからないので、30cm程土を掘りそれを積み上げて作ってみた。
水はけが良すぎたらこまめに水をやるしかないなぁと思いつつ、手がかけられるうちは何とかなるので、今回の経験を生かして調整をしていけばいい。
畝間は60cm、畝の横幅は120cmで2畝。
何とか年内に終わらせた。

ちなみに、ダリア園のダリアには基本的に水はやらない。
傾斜地になっているため、山が含んだ水を上手くダリアが吸収できているらしい。
逆に水をあげてしまうとダリアが土の浅い部分に根を張らせ、毎日の水やりが必要になってしまうという事だそうだ。
その土地に合わせた栽培が必要になるので、違う場所での生産者の話は鵜呑にするのではなく咀嚼して理解することが必要ですね。

春までの間、そのままにしておくと乾燥が進んでしまう。(らしい)
また畝を先に作ったところはススキから少々離れていて、雑草が多い茂っている感じでもなかった。
不耕起農法の場合、堆肥や肥料をやらない。
どうやって栄養素を補うかというと、米ぬかや油粕、落ち葉などを直接土の上から振りまいて分解させる。(腐葉土もOKと書いてある)
また、生えてきた雑草を刈り取って土の上にマルチとして被せておくことで土の乾燥を防ぎ、雑草の生育を制限し、その雑草が分解されて栄養素になる。
というわけで、畝の上に米ぬかを薄く振りまいて、その上から落ち葉を集めて乗せ、マルチとして刈り取ったススキをその上に被せた。
この時は何の疑問も持たずに米ぬかをまいたが、そのまままくのは良くないらしいと後で記事を発見する。
これが果たしてどういう結果を招くのか・・・。

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「窒素飢餓」という言葉がある。
「植物の生育に不可欠な必須元素である窒素が少ない状況で有機物を与えすぎることによって生じる。有機物の肥料や緑肥を土壌に加えると、土壌内の微生物が炭素をエネルギーとして盛んに活動するが、増殖の過程で微生物が大量の窒素を消費してしまい、植物の生育に必要な窒素が不足してしまう状態。」
米ぬかはでんぷんを多く含むが、このでんぷんを微生物が分解することで窒素飢餓が引き起こされることがあるらしい。
本を読んでも米ぬかの量などは示されていないが、土壌環境が整っていれば窒素飢餓が引き起こされないのであろうか?
土の状態も一様でないから、逆に必要な分量は示せないという事なのかな。

そう考えると、何年も農業をやり続けるという事は試行錯誤の連続だという事に気づかされる。
その試行錯誤の歴史を数値化し、考えられたのが肥料なのだろう。
数値上同じになれば同じ状態の作物が取れる。
ただ実際には連作障害や気候の変化、土壌の状態も変わるだろうから試行錯誤は欠かせない。
でも手間が少しでも減るなら、肥料を使うことは持続性と収益を考えるとまっとうな方法であることは確かだ。

この米ぬかだが、使うにあたり「窒素飢餓」を回避する方法もあるらしい。
それが「米ぬかボカシ」だ。
今回は作らないが、米ぬかを発酵させて作る肥料ででんぷんが分解され有機酸に変わり、窒素飢餓が起きなくなる仕組みとのこと。

年が明けて2月頃に確認すると、カビがちらほら生えていた。

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地温が高ければ微生物も活動できるが、冬寒く、土が20cmくらい凍る地では微生物も活動できないらしい。
微生物が活動せず、上から落ち葉を被せられ、空気が入らずカビが優位になったのではないかと考えられる結果だった。
危惧した窒素飢餓からは遠い結末・・・。

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