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なぜ本棚共有サービス-スキコネクトを作ったのか?

LiveNovelPJTの運営さんことむもむも(@jp_mumomumo)と申します。

この度、新サービスとして本棚共有サービススキコネクトをリリースしました✨

もちろんスキコネクトのコンセプトにはLive Novelと同じように、私なりのメッセージが込められております。この記事ではそのメッセージをお伝えできれば幸いです。

ちなみにLive Novelについてはこの記事をご覧いただけますと幸いです。


伝えたいメッセージ

いきなり結論ですが、伝えたいメッセージは「創作という文化を後世にも残したい」です。

Live Novelをリリースした後も私なりにいろいろと考えた結果、今のところはこのメッセージにたどり着いております。

ただし「創作」という言葉の意味は広すぎるため、このままだと具体的に何をしたらいいのか、逆に私に何ができるのかを考えるだけで一生が終わってしまいそうです。

そこで、まずは創作の中でも対象を絞り込むことから始めます。絞り込むと言っても簡単で、私の手の届く範囲の事を対象にするだけです。また、ここでの対象とは何を指すかというと、創作活動をする上での手段のことです。

創作の目的を「自分の中から湧き上がってきた何かを表現すること」とするならば、その表現方法である手段は小説、絵、漫画、音楽、動画、ゲーム、はたまたダンスなどいろいろなものが存在し、またその数も将来にわたって増えていくでしょう。

もちろん、それら手段を全て含めた上で創作という文化を後世に残したい想いはあるのですが、その全てを対象にできるほど今の私には力が無いことも自覚しています。

微力ながらも創作という文化を後世に残すために、まずは私にとって身近な存在である小説、その中でもWeb小説に対象を絞って少しずつできることをしていければと判断しました。

そして、Web小説文化は現状のままで後世に残すことができるのかを分析した結果、個人的に問題と思われる点を発見し、その問題点を解決するためのアプローチとしてスキコネクトという本棚共有サービスを立ち上げました。

本章についてまとめると、大きすぎるメッセージではありますが「創作という文化を後世にも残したい」これが伝えたいメッセージであり私の目的であり、そのためにまずWeb小説に対象を絞り、スキコネクトという手段でその目的を達成しようと試みております。


後世に残る条件

「どうすればWeb小説文化を後世に残せるのか?」についてお話しする前に、そもそも後世に残る条件とは具体的にどういうことなのでしょうか?

後世に残るということは文化そのものが残り続ける持続可能な状態である必要があります。持続可能な状態とは生産性多様性が高い水準で継続できている状態のことを指します。

これをWeb小説に当てはめると、生産性とは「新規参入者や作品等が増加する尺度」、多様性は「参加している人や作品等がどのぐらい多様なのかの尺度」となり、この両者の水準が高いところで推移できていれば後世にも残すことが可能だと考えます。

後世に残すということが具体的にわかったところで、どうすればこの生産性と多様性について高水準を保つことができるのかを考えてみます。

まず、生産性について考えてみます。

Web小説における生産性とは、「新規参入者や作品等が増加する尺度」と定義しました。つまり、生産性が高い水準で継続する状態というのは、新規参入者がどんどんWeb小説文化に参入して、またWeb小説文化内でもどんどん作品が生成され続けている状態を指します。

これを実現するためには、現在Web小説内の人たちが現状のように魅力的な作品を創り続けて、文化自体を魅力的にしていくことが重要と考えます。文化が魅力的なコンテンツで溢れれば文化自体も魅力的に見えるはずで、その魅力に新規参入者が文化へ引き寄せられてくるはずです。

自分の中から湧き上がってきた何かを表現することが創作なら、それ自体がとても魅力的なことだと私は思いますし、創作者もその何かを魅力的に表現することにモチベーションを置いています。つまり、皆さんの活動こそが文化に魅力を与えて生産性を高い水準に保つカギになると考えています。

次に、多様性についてです。

多様性は「参加している人や作品等がどのぐらい多様なのかの尺度」と定義しました。つまり、多様性が高い水準で継続する状態というのは、参加している人や作品のバリエーションが多い状態が続いていることを指します。

これを実現するためには、Web小説文化内に多彩な嗜好が偏らずに存在し、それらさまざまな嗜好を持った人たちが自分色に染まった作品を送り出し続ける必要があると考えます。そうすれば結果としてWeb小説文化に多彩な嗜好を持った作品が溢れ続けることとなります。

つまりは、人はそれぞれ嗜好が違って当たり前であるので、創作者が本当に自分が好きと思える作品を書き続けることができるのであれば、結果的に多様性を高い水準で継続できることとなります。

本章についてまとめると、Web小説文化を後世に残すためには本当に自分が好きと思える作品を書き続けWeb小説文化を魅力でいっぱいにするということになります。


現状のWeb小説文化は後世に残るのか?

前章では「後世に残る条件」について考えてみました。

では、現状のWeb小説文化はこの条件を満たしているのかを考えてみたいと思いますが、結論を言ってしまうと個人的に考えた結果はNoです。

私が最もネックになっていると考えるのは作品のバリエーションです。

現状、Web小説から魅力的な作品が多く生まれているのは既知の事実であるかと思いますが、個人的に作品のバリエーションに偏りが生じているのではと感じることがよくあります。

もちろん流行りというのは必ず発生するものではありますが、実際に作者さんにインタビューをしてみると、「流行っているジャンルの作品を書かないと読者がつかないので、自分の好きなジャンルではないけど流行っているジャンルの作品を書く」というような声をいただきますし、たまにTwitterなどでも同じような内容で議論になっているかと思います。

つまりは、前章の多様性に関わる「本当に自分が好きと思える作品を書き続ける」という多様性に関する条件が満たせていないのです。

これは創作者が悪いと言うわけではないことに注意してください。

作品を書く以上、誰かに作品を読んで欲しいと望むことはとても自然なことですし、私もその欲求を強く持っています。たとえ自分の好きなジャンルとは別だったとしても、少しでも読んでもらえる可能性が高くなるように多くの人に向けた作品を書くことが合理的な行動なのです。

これは出版社からの書籍にも同じことが言えます。もちろん出版社としても利益を求めなければ企業を存続できませんので、より多くの人に求められる作品を世に送り出すことは合理的な行動ですし当然のことだと思います。

つまり、問題はこの合理的な行動自体ではなく、この行動が合理的であると思わせる文化の構造自体が問題なのです。

では、なぜこのような行動が合理的に思えてしまうのかというと、現状のWeb小説文化の構造が主に大衆(マス)向けの作品の流通経路でできているためで、その構造の上に文化が成り立っているからだと私は考えます。

この構造から、作品を世に送り出す創作者達は最初からマス向けにコンテンツを作る前提でなければ作品を文化に流通させることすらできないのです。これでは、「本当に自分が好きと思える作品を書き続ける」という条件を満たせません。

ただし、注意していただきたい事としてマス向けの流通経路が全て悪なのではありません。なぜなら、作品がマス向けに流通して爆発的に人気を集めることもあるからです。そうすれば文化にお金や人が集まるきっかけになるなどのメリットもあるからです。

あくまで、マス向けの流通経路の比率が高すぎるのです。

よって、この章のタイトルにある「現状のWeb小説文化は後世に残るのか?」に対する答えは、多様性に関する条件を満たせていないためNoとさせていただきました。


どうすればWeb小説文化を後世に残せるのか?

前章ではWeb小説文化が「本当に自分が好きと思える作品を書き続ける」という多様性に関する条件を満たせていないことをお伝えしました。

であれば、条件を満たすために「創作者は流行りに流されずに自分の好きな作品を書けばいい」と思うかもしれません。しかし、今のWeb小説文化でそれをすることは前章でお話しした通り合理的ではないため、この選択をした創作者は創作を続けること自体が困難になってしまうでしょう。

それに、この文化の構造に関する問題は創作者に依存しているのではなく、プラットフォーマーやメディアと呼ばれる創作者よりも外側で文化を支えている存在に大きく依存しているため、創作者の心掛けでどうこうなる問題ではありません。

では、どのようにすればこの条件を満たすことができるのでしょうか?

この問いに対する私の答えは文化の構造に個人(パーソナル)向けの作品の流通経路を追加することです。

パーソナル向けの作品の流通経路とは、人と人とを直接繋げた経路のことで、この経路を使うことで読者へ作品をピンポイントで届けることができるようになります。

しかし、誰でも繋がれば作品を読まれるようになるわけではなく、もちろん読者が求めていない作品は読まれないでしょう。何万人と数が多くとも浅く繋がってしまえばそれはマス向けの流通経路と同義になるからです。

パーソナル向けの流通経路の繋がりでは数ではなく深さに価値を置きます。

ここでの深さとは繋がった人と人とがどれだけ嗜好が似ているかを表し、繋がりの深さが深いほどその経路で流通させた作品が読まれる可能性が高くなります。

また、創作者が自分と似ている嗜好を持った読者と繋がりたいと思った時に自分の嗜好に嘘をつくことは逆効果になります。誤った嗜好をもとに繋がったとしてもそれは本当の意味での深い繋がりとは言えないからです。

つまり、創作者と読者が素直な嗜好で繋がることができる経路を文化の構造に追加できれば、求める読者へ作品をピンポイントに流通できるようになり「本当に自分が好きと思える作品を書き続ける」という行動が合理的になる文化を実現できるかもしれないのです。

この文化を実現できれば、多様性に関する条件は結果的に満たされることになるでしょう。


スキコネクトのコンセプト

前章では「どうすればWeb小説文化を後世に残せるのか?」という問いに対して、パーソナル向けの作品の流通経路を文化の構造に追加するという一つの可能性を提示させていただきました。

そして、このパーソナル向けの作品の流通経路こそが嗜好(スキ)繋がる(コネクト)サービス「スキコネクト」であり、これこそがスキコネクトのコンセプトとなります。

現状、スキコネクトでは本棚に自分の嗜好を詰め込むことでその人の嗜好をスキとして表現することができ、将来的にそのスキが似ている人をコネクトするための機能を提供予定です。

また、スキコネクトでの繋がりは「人と作品」ではなく「人と人」の繋がりであり、単なる作品をパーソナルにレコメンドするという機能ではありません。嗜好の似ている「人と人」を繋げることにより作品の流通だけではなく更に魅力的な相乗効果が起きると考えています。

つまり、作品を流通させることで本来の目的は達成できるのですが、個人的にはそれ以上の新たな価値提供をスキコネクトに期待しています。しかし、正直なところ今はその新たな価値が何なのかは私も具体的には見つけられていませんし、今後も私が見つけることはできないでしょう。

なぜなら、新たな価値を生み見つけ出すのはスキコネクトという土台ではなく、その土台の上で創作活動を楽しむ皆さんだからです。

そのように発見された新しい価値を私は皆さんから教えていただき、新しい価値を更に発展・加速させるために私はスキコネクトという土台を拡張していく所存です。


おわりに

長々とした文章だったかと思いますが、ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!

現在の私の活動の軸となるメッセージをつらつらと書かせていただきましたが、私の個人的な見解も多々あると自覚しておりますし、この意見が世界で唯一正しいとも思っておりません。いち意見として温かい目で見ていただけますと幸いです。

ここに書かれている以外のことでも何かご質問などありましたら、私が答えられる範囲のことでお答えいたしますので、コメントなど寄せていただけますと嬉しいです!

それでは、改めてここまで読んでいただきありがとうございました!

創作という素晴らしい文化を後世に残すために、共に突き進みましょう!


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