私が仕事に行けなくなった原因を考える

私は保育士として保育所で働いていた。過去形にしたのは、今は休職中だからだ。

病院からは2か月の休養が必要ですとの診断書を書いてもらった。病名は適応障害。職場に適応できなくなり、休養が必要という理屈だ。

仕事として楽しい部分はあった(はず)。職場である保育所で違和感を抱えていたのは事実だ。全てを言葉にして表すのは難しい。変えていく必要があったのだろうが、どこかで無理だと悟った。
最近話題になる保育所での事件もおそらくそうだ。記事を見ていたらおかしいことに気づいている保育士はいた。だが、気づいても変えていけない、そう思わせる何かがあるのだ。

子ども達への声掛けの仕方が不適切ではないかと思う。威圧するような言い方、その時に悪とする行為をした子を全員で攻め立てるような言い方。安心して生活することができないと、子どもの行動は荒れてるように見える。そうなっているということは子どもにとって居心地の悪い空間ということだ。もちろんダメなことはダメということも必要になるが、その基準が厳しすぎないか?制裁として強く言ってしまっていないか?私も子どもに注意する時に理由を加えて説明しようとしたが、だんだん出来なくなって威圧するようになっていった。いくら考えても理屈がおかしくなったから強行突破しないといけない、そう思わされていた。俗に言う「大人の都合」でやらないといけないことも出てきたり、予定を変えざるを得ないこともあった。それらを無理やりさせるために子どもに強く言うこともした。これがしんどくなってきた。いくら考えてもやる必要がないのに、他の方法でよいなと思うのに、しなくてはという強迫感があった。

保育士同士の人間関係は良好だ。私以外は。
他の保育士と考え方が大きく異なっていたこともあり、職場の雰囲気に馴染めなかった。保育所に来てから1か月で周りにいる保育士たちと距離をとろうと思い、自分から話すことをやめた。
お昼寝の時間に交代で休憩に行く。休憩室では保育士が子どもを怒り、泣かせたことを自慢げに話していることがある。それを他の保育士が褒めていた。冗談であっても嫌だなと思う。話の内容からして子どもに非がないわけではないが、していたことがやりすぎだ。心の中で「なんでそんなことをするの?」と聞きたい、思っても雰囲気がそれを邪魔してくる。
全ての保育士がそうだということではない。でも、全員を悪と思い拒否していくことになった。

「おかしいことは言わないと変わらないよ」

これは前に初めて会った人にzoom越しに言われたことだ。以前、Bとして話をしたから、ここでもBとして話そう。

Bが言うには、直接上司にあたる所長先生に言うのがいいが、まず身近にいる人に「これがおかしいと思いますがどうですか?」と聞いてみようということだ。そして、おかしいと思う人を集めて変えていくようにしていくことが大切だというのだ。
それができたら休職にまで追い込まれていないだろう。周りとの価値観が大きく異なる、相談できるような人がいない。思い込みだと思う。相談できる人がいなかった訳ではないが、最初から諦めモードだった。
職場にいる人からよく言われたのは、「分からないことは聞いてね」「相談にのるよ」だ。まだ新人だからいろいろ教えてもらえた。それでも最後は自分で考えてみなさい、そう言われているようなものだった。そして自分で考えたことをしてもダメ出しをされる。その時によく「責任を持ちなさい」ということもよく言われた。誰も頼れない、そう思った。

それでも無理して頑張った。仕事を始めて4か月が経つ頃、朝起きれなくなってきた。朝ご飯を食べてから保育所に行くこともできなくなった。その生活が12月になるまで続いた。そして、体調を崩して休んだ日から行くことが出来ない。行こうとすれば頭痛、吐き気に襲われる。休みの電話を入れることはなんとかできた。そして、病院から診断書が出て休職に至るのだ。

私が仕事に行けなくなった主な原因は他の保育士たちの言動が大きいのだろう。無理していこうと感じさせたのだろう。1人で抱え込んでしまったのは事実だ。外部の人に聞くことはできても、根本は解決できない。職場内に頼れる人がいない状態だった。
Bは感じてる違和感を訴えて辞めるのも方法と言っていた(気がする)。人の持つ考え方はすぐには変わらない。それでも変わるきっかけになることを願って言うのもいいかもしれない。言うだけ言う、そして辞める、やってみるのもありだ。
モノ言う人は嫌われやすいが、そんな人がいないと良くならない。辞めるなら、言うだけ言ってしまおうか。今は無理でも、休養期間が終わるまでに。

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