つながる力

<つながる力>
被災した町に雪が降る
避難所では朝の炊き出しだ
温かいスープはない、冷えた握り飯もない
ビニールで包んだ菓子パンが乾いた音を立てる
若い女性がそれを泣きながら受け取る
有難い。情けない。嬉しい。申し訳ない。
言葉は次々に湧いてくるが
どの言葉も少しずつずれている
毛糸の帽子を目深にかぶり
涙ばかりが溢れてくる
この寒さは何だ
この徒労感は何だ
遠くで菓子パンを作った人も
パンを配るボランティアも
ここはどこだ、今は何の時代だと繰り返す
答えのない問い
私は無力
そんなつぶやきの中から
人と人がつながっていく芽が生まれてくる

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