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ねこはどうしてあんなに吐くのか 無職短文日記202305220AM

猫が吐いた。

こぽ、こぽ、という水の中で弾ける泡のような音で目を覚ます。当然ここは地上であるので、わたしは当たり前のように息をしながら音に耳を澄ます。やばい、と思った。音はすぐに立ち消え、のんきな鳥の囀りだけが聞こえる。
やばい、という気持ちと、ねむい、という気持ちが同時に押し寄せ、結局生理的欲求には抗えず、わたしは二度寝をかました。

二度寝から目覚めベッドから降りると、ぺちょりと冷たく、粘度のあるなにか足の裏についた。
ねこのげろである。
わたしは、あのときの嫌な予感は的中していたのだな、と思った。
当の本人(猫)はいない。
座布団にべっちょりついたげろを見ながら、ああ、と声が漏れた。

無職はうなだれるしかなかった。

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