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1000字以内で解く学校の課題シリーズ これからの授業はどうあるべきか

教科の授業は、文化遺産の伝承に大きな意味があると言われてきました。
今でもそれは変わりません。

ただ、学校が多くの情報を特権的に持っている時代は遠い昔となりました。
学校に通わなくても、インターネットの発達・普及によって知識中心の文化遺産の伝承は可能になりました。

学校に残された(残すべき)価値は、学習内容そのものではなく学習を通じて子どもたちとどれだけ人として関わり合えるかです。
「医者が治せる病気は少ない。けれども看護できない患者はいない」(精神科医中井久夫氏)と言う通り、人として子どもとどこまで寄り添えるか、それを授業でも真剣に考えなければなりません。

義務教育では単純に暗記するだけの授業を削ってでも、深く考え、現代のテーマに沿った討論を重ねることが求められます。

多くの地域では古い価値観に基づいた入試制度(特に公立高校入試)によって、知識偏重の授業を確保せざるを得ない環境が残っています。

それでも、あと10年もしないうちに探究学習が義務教育の中心になるのではないかと思いますし、また、そうであってほしいと思います。

文化遺産の伝承という側面は、ICTをフルに活用しAIドリルなどを取りれてできるだけ効率的に行い、いつでも探究的学習に充てられるよう備えておく必要があります。

午前中しか教科の授業を行わない公立小中学校がすでにスタートしている(広島で1小学校、東京都渋谷区全小中学校)ことを考えれば、現実はもうそこまできています。
おそらく、この流れが進めば入試制度も変わって行いくでしょう。

これは公立学校の危機ではなく、大いなるチャンスです。
私立の学校の多くが未だ進学率にこだわっているうちに、大きく方向転換すべきです。
学校の枠組みを変えるのは、国レベルの話ですから1人の教師や一つの学校だけでは、大きな変革は困難でしょう。

しかし、探究的な学習への転換はいずれ地方にも広がります。
今のうちに、できるだけ教科の授業を効率化し、人と人が触れ合える温かい学校風土づくりに舵を切るべきです。

法的な制約や、現行の入試制度といった厚い壁はあっても、できることはたくさんあるはずです。
ICTも働き方改革もすべて、子どもとの時間を増やすためにあるのです。
授業も同様に、無駄をなくす努力と工夫が求められているのです。

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