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顧客のオペレーションを改善し、チームを成長へと導くCustomer Successの全容

こんにちは、BONXの山口です。2020年9月にBONXにジョインし、Customer Success業務に携わることになり、約2年が経過しました。これまでの自分の業務の整理もかねて「BONXのCustomer Successが何をしているか」をまとめるため、この度noteを執筆しました。

現在BONXでは、SaaSにおけるCustomer Satisfaction / Customer Success業務を「Team Growth Unit (通称:TGU)」という部門で担当しています。

BONXのTGUについて関して詳しく知りたい方は、BONX Team Growth Scientistの楢崎が執筆した以下の記事も併せてご覧ください。

今回の記事は前半部分はCustomer Successの概要や具体的な業務のフロー、後半部分は働く中で感じるやりがい、そして今後BONXで成し遂げたい今後のアクションや展望といった内容になっています。

Customer Success業務に少しでも興味がある方や、記事を通してCustomer Successの実際の現場感を味わいたい方などにぜひ読んでもらいたい内容になっています。

ぜひ最後までご覧ください。

顧客のチームを成長へと導くCustomer Successとは?

BONXにおけるCustomer Successとは、顧客のチームを成長へと導く業種です。

顧客が描く成長とはさまざまありますが「チームが成長した」状態とは無駄がなく、個人が効率的に業務を回す事が出来る状態だと思います。具体的にはセールスでのBONXWORKの導入後、Customer Successでツールの定着、更なる課題に対しての解決策の提案を行っています。

実際に多忙な業務の介護現場では、BONXの音声DXソリューションで取り組みが始まっています。介護の現場では数多ある介護ITツールが導入されたものの、情報がバラついていて、情報確認に時間がかかるという課題を抱えている場合が多いです。そこで課題解決に向けて「BONXで情報を音声でまとめられること」など、通常の機能のみでは出来なかった事をサクセスチームが提案しています。

このようにCustomer Successとは顧客への継続的なフォローや提案を行う事で、顧客の目指す成功へ導く活動を行う事を目的とした業種です。

先回りして顧客への課題にアプローチをするのがCustomer Success

Customer SuccessはよくCustomer Supportと混同されがちですが、これらには明確な違いがあります。実はCustomer Support (BONXではCustomer Satisfactionと位置づけ)とCustomer Successでは、KPIと既存顧客に対する対応方法に違いがあるのです。

Customer Supportは、主にチャーンレートを低くする事をKPIとして設定しており、顧客から来た問い合わせに対して即座に対応をする事が求められる部署です。顧客が持つ疑問や不満を解決をしないままでは継続して使用してもらう事は難しいですが、サポートが対応をする事で納得して満足の行く形で継続利用して頂くことができます。また、こまめに連絡をとることでチャーン予備軍の把握、予備軍に対しての対応をし、回避可能なチャーンを防ぐ事が出来ます。

対してCustomer Successは、既存顧客からのアップセル、クロスセルをKPIとし、顧客への課題に対して先回りしてアプローチをする営業的側面が求められる部署です。単純なサービス利用のみだけでは解約リスクが常にある為、顧客が持つ既存の課題に対して自社ツールで解決できる事はないかを模索、提案します。より顧客の課題に対して効果のある施策が導入されれば、チャーンリスクも少なくなり、顧客満足度も向上させる事が出来ます。

これらをまとめると以下のような違いがあります。

Customer Support
・施策の利点:顧客の利用状況を常に把握し、アップセルの余地があればサクセスにパスできる
・施策の注意点:疑問、不満への対応がメインとなり、即座の対応が求められる

Customer Success
・施策の利点:既存顧客に対してのアプローチとなる為、対応プランが練りやすい
・施策の注意点:アプローチ先が既存顧客と限られている為、リード創出が新規顧客の増加に伴う側面がある。

またCustomer Support(Satisfaction)業務に関しては、BONXの藪が以下の記事で詳しく執筆していますので、気になる方はこちらもご確認ください。

キーマンを早期に見定め商談をスムーズに進める
Customer Successの業務の流れ

ここからはCustomer Successにおける業務フローをご紹介します。

1.リストアップ(ヒアリング〜アポイント設定)

アップセル(ID追加)を狙える顧客のリストアップを行う為に、既存顧客へのニーズヒアリングを行う必要があります。電話や初回商談でアップセルの余地(横展開や契約ID増加)があるかどうかを確認し、ある場合はサクセス担当へ、ない場合はサポート担当へ割り振りをします。

また、アップセルが無い場合も、BONX+でのカスタマイズニーズがあるかどうかを合わせて確認します。

アップセルの受注予測を立てる為には、このヒアリング・割り振り・リストアップがとても大切な下準備となります。

2.商談(担当者レベル)

アップセルがカスタマイズの余地がある顧客については、商談の設定を行います。

商談では主に現状の使用状況、今後の展開余地、スケジュール、予算、決済者の情報の5点を確認をします。確認がとれたら次の展開に進める為の宿題、課題をクリアにし、社内で展開します。

この段階においては、誰が先方社内においての進行役(決済者やキーマン)であるのかを確認し、「3.商談」以降において同席をいただけるかを聞く必要があります。

例えば複数の店舗がある小売のお客様においては、本社が必ずしも決定権があるとは限らず、各店舗の責任者へ判断を委ねているケースはとても多いです。その為、その事を把握せずに本社の方のみと商談を続けていても、うまく進行せずまた聞きとなってしまい、案件自体がなくなってしまうという自体も招いてしまいます。

その為、誰が決定権を持っているのかを早い段階で確認し、繋いで頂く事がとても重要だと感じています。

3.商談(決済者レベル・キーマン)

担当者レベルでの商談にて、案件化が具体化した場合は、先方決済者へのアポイントを設定します。
決済者との商談にて、改めて導入することのメリットを伝え導入意欲を確認し、先方担当者が社内で決済を取りやすくする事が狙いです。

4.クロージング

アップセルの場合:課題や宿題が解決され、具体的な導入数、導入時期を確認し、見積もりを提出後、受注までフォローします。
※カスタマイズの場合は、クロージングに至るまでに詳細要件定義など細かに決めていく必要があります。

5.受注後の対応

受注後フォロー(アップセルの場合)
横展開が見込まれる場合は、再度①〜ステップを繰り返します。
また、サポートにおいてはまずサービスを使いこないして頂くためにこまめに連絡をとることが必要とされます。導入初期では、スタッフ全体に新しいツールを使ってもらうため、導入責任者の負担も大きく、挫折してしまうケースも稀にあります。それを防ぐ為に、BONXでは導入後は無償にて操作説明会を実施しています。ただ、説明会を実施しても運用が定着しないなど、使い方に懸念が出る場合もある為、操作説明をした後も定期的に担当者とコミュニケーションをとる事が必要です。

受注後運用(カスタマイズの場合)
カスタマイズの場合は、受注後に要件定義を行った設定内容に沿って、開発を実施、*PoCの実行、検証を経て本番適用へと進んでいきます。
(*PoCは「Proof of Concept」の略となり、新しい仕組みやシステムが実際に動作するか、また費用対効果に合うかなどを本番稼働前に検証する事を指します。)

Customer Successの業務においては、「2.商談(担当者レベル)」にてキーマンを見つける事、また受注した後についてはこまめにお客様とコミュニケーションをとり状況を把握しておく事がとても重要なのではないかと思います。

以上がCustomer Successの業務内容となります。

継続的なフォローで顧客の課題解決し、”Make smile”の実現を目指す

私が一番意識していることは、BONXのVibesの中での「Make Smile」です。何がMake Smileなのかは顧客によって異なりますが、主にはアップセルをすることで、顧客のコミュニケーションが活性化・オペレーション改善される。そして間接的に顧客の売り上げアップに繋がることをMake Smileとしています。

実際に大手アパレル会社では従来はインカムを使用して1対全体でのコミュニケーションだったことから「発言が少ない事」や「インカム自体が重く不便」という課題を抱えていました。しかしBONX導入後は、これらのインカムの不便だった点から解放され、より効率的な運用ができるようになった事例があります。また全国に店舗があるので、横展開をしていく事でBONXもアップセルが可能になり、より多くのスタッフの働き方改善につなげることが出来ました。

また同じく全国規模で導入をしている某クライアントでは、従業員人数も多い為、先方担当だけでは操作説明が難しく、サービス導入(オンボーディング)が難しいケースがありました。

BONXでは訪問、オンラインを問わずに導入後の操作説明会も実施をしている為、そういったフォローがある事で先方の導入決定者の負担を減らし、スムーズに使い始めて頂くことが出来たと大変喜ばれました。

こういった初回サポートや継続的なフォローを行う事で、サービスを使いこなして頂き、BONXのファンになって頂ける様にしていく事も、Customer Successのとても重要な役割であると感じています。つまり「Make Smile」とは、自社のアップセルだけを目的に活動するのではなく、顧客の課題を解決出来るかがとても大切なポイントになります。

Customer Successの醍醐味は「BONXが顧客の課題解決に役立っている」と実感できること

Customer Successにおいてのやりがいを感じる瞬間は「ツール連携やデータを活用した施策が、顧客の課題解決に貢献しているなと感じた時」です。

BONXにおいては大中小様々な顧客に導入をいただいており、また各業界を代表する大口の顧客が相手となります。トランシーバーに代わるコミュニケーションツールとしての利用のみではなく、音声を活用した更なるソリューションの提供が可能となっています。

初回導入ではデータ活用が可能な事を認知していない/期待していない顧客が多いのも事実。まずは認知をしてもらう為の提案を行い、より付加価値のあるサービスとして活用を頂ける様にする事が最初のサクセス担当として必要なステップだと思います。そしてその先にあるツール連携やデータを活用した施策で顧客の課題の解決に繋げられる様にする事がCustomer Successにおいてのやりがいだと感じます。

もちろんコミュニケーションツールからのアプローチとなるので、活用できる範囲は限られており、顧客への売り上げアップに直接的に関わる事は難しいです。またアップセルにおいては顧客側の展開計画に依存する為、私たちが主体的に顧客を動かす事が難しいのも事実として多々あります。

ただ顧客担当者レベルでは進まない事もあります。そこで上席へアポイントをお願いして顧客内部での動きの把握。加えて上席へBONXを活用するメリットを伝える事で担当者が動きやすくなり、結果的に導入がスムーズに進む事もあります。上手く行かない場合は、顧客内部での関係者を増やす、上層部に提案をする事で物事のスピードが早くなる事を学びました。

こういったアプローチ方法を行う事で、アップセルを行って結果顧客のコミュニケーション改善をしてもらう、ひいてはその先のデータ活用でより付加価値のあるツール利用をして頂くことが出来ると考えています。こういった部分に私はCustomer Successのやりがいを感じています。

グローバル展開も視野に入れるため、まずは国内でのBONX定着を図る

今後グローバルに展開をする顧客にてもご利用を頂けるように、まずは国内での利用を定着させ、安定的に運用していただくことがとても重要です。
また、国内での利用の安定という意味では、BONXWORKの標準サービスの利用だけでなく、他サービスとの連携を行う事でより、顧客にとって重要なツールとなると考えています。それを実現するため、まずはアポイントを増やし、顧客との接客を増やすこと、また商談の中でニーズヒアリングをしっかり行う事を意識して今後も対応していきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
同じくCustomer Successの井手口が書いた記事がこちらになります。同じ部署であるものの、私の記事とはまた違ったテイストで書いてあるので、良かったらこちらも見てくださいね。


現在BONXでは今後の事業拡大を見据え、採用活動を行っております。
TGUに関する詳しい募集要項はこちらからどうぞ。


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