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ペルージャ外国人大学に入学

3か月を過ごす荷物を詰め込んだ、スキューバーダイビング用の、軽くて丈夫で、大きな黒い鞄を引きずり、町の中心にあるユースホステルにたどり着く。 これからの生活を手持ちの、日本で稼いで貯めたお金でやりくりしないといけない、イタリアでの初日はユースホステル、ここでいい。

シャワールームの窓からは、ペルージャのメインストリート、コルソーヴァヌッチ通りが見える。 明日から、私はここでイタリア語を学ぶ、どうぞよろしく。

翌朝、学校で入学手続きをした後、事務所に向かう。 秘書の女性が一人、下を向いて何かしているので、入り口で待っていると、、、ため息をついて、イタリア語交じり、、だったと思う、’May I help you?’と言った。 ここでは、相手が私に関心を向けてくれていなくても、話しかけていいんだ。

そこからはとても親切な対応で、大きな手書きの台帳を広げて、これから暮らす、下宿先を探してくれる。 比較的学校に近い住所を選んで書いてもらった紙を握りしめ、またまたトランクを引きずり、向かう。

知らない街を、地図もなく、紙切れに書いただけの住所にどうしてたどり着けたのか、今考えると不思議。 石の幅広い階段を下りていく途中で、ひとりの青年が’May I help you?’と声を掛けてきた。。今日は、このセリフ多いなあ。 

偶然にもその学生の彼は、同じ下宿の部屋を借りているとのこと。 そして、ひょい、と私の重い大きなトランクを持ち上げて、運んでくれた。
私と同じ、ここでは外国人だと思っていた彼は、ペルージャ大学本校、法学部に通うイタリア人だった。
名前をサルヴァトーレといった。



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