自転車はもう都市のノイズでしかなくなっている、
七月十二日
午後十二時十五分。紅茶、うずら。わりと飲んだけど二日酔いはなし。このごろは飲んでも飲まなくてもあまり本が読めない。図書館も一時間以上いるとしんどくなってくる。やはり夜散歩の時間が減るとこうなってしまう。気が付けばILLAYのセナばかりを見ている。昨夜なんか何回動画を再生したか分からない。セナ推しはまだそんなに多くないから俺が推さなけりゃ誰が推すんだという使命感がある。セナのあの「あどけなきストーンフェイス」の魅力が分かるのは俺だけかも知れない。セナはあきらかに過小評価されている。たしかにセナの演奏技術はまだまだなんだろう。それに若過ぎる。「もしトラ」の元ネタが「もしドラ」だということも知らない世代だ。まだ「男」に成り切っていない。彼が「雄のにおい」を漂わせるようになるにはまだ二年は必要だろう。せめてそれまでは生きていようと思った。サインももらわないといけないしアルフォートも差し入れないといけない。とりあえず今度セナグッズを作ろう。天気予報によると今夜はひさしぶりに河川敷を走れるかもしれない。犀川が俺を呼んでいる。あの可もなく不可もない二級河川。なんかちょっとしたライトみたいなものがあったほうがいいのかな。アームバンド系のやつとか。よく「ここにいます感」全開のピカピカランナーがいるけど「隠れて生きたい主義」の俺はああいう格好はとても出来ない。昨日午後三時半ごろ、十五年ぶりくらいに自転車に乗った。買ったのではない。いま部屋を空けている爺さんにたまにでいいので自転車を使ってほしいと頼まれたからだ。自転車は長く放置しておくとパンクしやすくなるらしい。しかし体が乗り方を忘れていないのには感動を禁じ得なかった。ただ全体的にボロいのと車輪が小さいのが気になる。俺みたいな足の長い紳士がこんなミニベロを漕いでいる姿は滑稽だろう。自意識過剰かな。ともあれこんごも俺は自転車からは一定の距離を置くつもり。まず俺の住む金沢市は水か氷の結晶が空から落下してくる日がやたら多い。気分よく自転車を走らせることの出来る日は限られている。しかも坂道が多い。行きはよいよいでも帰りはきつい。それにねんねん自転車の交通ルールが厳しくなっているのも気になる。あのどう転んでもダサいヘルメットの着用もやがて義務化されるだろうし。あと俺はいまや歩道を堂々と自転車で走ることが出来ない。かといって車道を走るのは恐い。というか「ちんたら走ってんじゃねーよ」的な車からの視線が気になってしまう。車の運転者はバカで傲慢なのが多く、基本的には「道路は俺のもの」だと思っているから。それゆえ自転車に乗るくらいなら歩いたほうがずっと楽しいのだ。これがプロウォーカーとしての本音。そろそろ昼食。おかめ納豆。ところで市販の納豆に付いてくるタレはなんであんなにいい味なのかね。今日は三時までには図書館にはいる。沙羅双樹の花の色。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?