不登校支援という危うさ② 

 一つ前の記事を書いている途中で、神戸市に対しすごく疑問に思うことが出てきたので、そのことについて記しておきたい。あくまでも私見である。前回の記事を貼っておく。まずはこちらの記事をご覧いただきたい。

前回記事でも書いたが、現在、兵庫県や神戸市で不登校児童の支援拡充が進んでいる。それに伴い、神戸市では『24年度、校内に「居場所」を整備』するようである。しかし、神戸市では昨年、不登校学級に通っていた児童が自殺してしまうという大変な問題が起きており、その問題をこれから第三者委員会で調査しようとしている。その初会合が今月の2日に開かれたばかり。この件は、そもそも重大事態として報告されていなかったようで、重大事態にするかどうか、そこからの調査がようやく始まるのだ。

にもかかわらず、『24年度校内に「居場所」整備』という報道が今のタイミングで出ているのを見て、私はすごく疑問に感じた。なぜなら、繰り返しになるが、昨年起きた重大な問題について、神戸市は第三者委員会に調査を委託して、これから調べてもらうのである。物凄い税金をつかってこれから専門家に調べてもらうわけで、その調査の結果を待ってから制度を改めるという順序をとっても、私はさほど遅いとは思わないし、むしろその方が良いと思う。なぜなら、第三者委員会はこの問題に関連する分野の専門家で構成されているはずで、だからこそ神戸市は彼らに委託したんだろう。

神戸市教育委員会は何が問題かをすでにある程度把握しているからこそ、第三者委員会の結論を待たずに制度を改善しようとしているのだろうが、であれば、ご遺族に真摯に向き合いながら、ご遺族の意見が反映されるような形で制度の改善が行われるように配慮すべきではないか。神戸市教育委員会は、児童が死ぬことに慣れ切ってしまっていて、一人の人間が無念の中で死んでしまうということの重みをまるで理解できてないようだが、もう少し人としての心をもってご遺族の無念に向き合うべきだろう。第三者委員会に丸投げして知らんぷりではなくて、せめてもう少しご遺族の気持ちを斟酌しながら問題の解決にあたるべきではないか。要するに、ご遺族の気持ちを少しは考えろと言っているのである。そんなことすらできないから、刑事事件にまで発展するのではないか。問題が起きた途端、学校と生徒の親が敵対関係になってしまうなんて最悪のやり方だ。いったい同じことを何度繰り返すつもりなのか。

それから、前回の記事の中に貼りつけた報道を見てみると、兵庫県の斎藤知事は不登校支援について神戸市と足並みをそろえたいと言っているようだが、斎藤知事は、神戸市で不登校学級に通っていた児童が自殺してしまうという大変な問題が起きていて、これから第三者委員会の調査が始まるということを知らないのだろうか。知っていれば、神戸市と足並みをそろえるのは、この調査の結果をまってからにした方が良いと判断するのが普通ではないだろうか。

行政はご遺族の気持ちを放置しすぎではないのか。人でなしすぎる。人間が一人死んでいることがわかってないのか。むしろ死を利用するのか?ご遺族を放置したままで、人気取りのためにあれこれやってますアピールをするのか?ご遺族を放置したままで、第三者委員会の結論を待たず、こそこそ問題点を改善するのか?私は最近この手の報道を見ていられない。同じことの繰り返しで気が滅入るからだ。とにかく、児童の死を無駄にしないよう、この問題を真面目に検証して制度の改善に生かしてもらいたいと思う。制度を改善することに反対しているのではない。生徒の死が生かされる形で制度が改善されるような筋道をとれと言っているのである。

以上

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