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鼻をへし折ってくれた君よ感謝

とても恥ずかしい過去なので隠してきた。
でもそろそろドロドロに煮詰まってきたし。出すか。
ということで。

1人でいるのか好きで人付き合いが苦手。
でも本当はみんなと仲良くしたい。
だから私、高校生になってから頑張りました。
いつでも明るく元気よく。はきはきシャキシャキ。
すると嘘みたいに友達が出来た。
初めてのことに舞い上がった。そして調子に乗ってしまった。
どこのクラスにもいる、ぁざとい女子。
放課後みんなで、そのあざとい子について話していたら、盛り上がった。
「あの子さー、ワザとのんびりした喋り方するよな」
「そうそれイライラする。あとすぐ小首傾げるよな」
「あとニッコリしながら平気で人にデブだねって言うし」
「え、ひどっ。言われたらどんな気持ちになるか分からんのかな」
「想像力がないんやろ。あと視野も狭い」
「あー。あとさ、けっこうモノ知らんよな。世間知らずというか」
「ああー」
こういうのって、経験ある人は多いと思う。
仲間しかいないし、ええよねちょっとくらいって感じで。
それを周りで聞いてる人がいたら、なんて考えない。
思う存分、喋りたおして「かえろうか」となって教室を出た。
みんながトイレに行くと言うので、私だけ廊下で待っていた時。
同じクラスだけど、あんまり話したことない子が「あのさ」と声をかけてきた。
「あんた達スゴイな。自分らは視野が広くて想像力あって世間のこと何でも知ってるって思ってるんやな」
そう言われて面食らった。そんなことは誰も言ってないと返すと
「あの子のこと、視野が狭くて想像力なくて世間知らずや言うてたやん。それって自分はあの子とは違うって言うてんのと同じやで」
そう言われてハッとした。確かにそうだ。
私は、あの子とは違う。周りが見えてるし物事もそこそこ知って…
違う。調子に乗ったんだ。みんなでちょっと誰かのことブツブツ言うのが楽しかったんだ。
「誰が聞いてるか分からんとこで言わんほうがええと思うよ」
「うん…ごめん」
「謝ることないやん。ただ気を付けたほうがええよってこと」
恥ずかしい。ひたすら恥ずかしい。
どうしてあんなこと言えたんだろう。
私は自分を何様だと思ってたんだろう。
こうして書いていても恥ずかしくてたまらない。
そして正直、悔しかった。
だって「あんたはバカ」って言われたのと同じやん、と。
それ以来、常に周りに誰がいるかを気にして、気軽に話せないようになった。
そして結局、私はソロ行動に戻ってしまった。
寂しさもあったけど、思うように話せずビクビクするなら1人でいいや。
気を付けよう。
そう思いながら、その後も何度か「おっと危ない」という瞬間を迎えているけど。
自分で自分に「アカンでーストップしいやー」と言い聞かせている。

あの時、正面から言ってくれた彼女。
ありがとう。
卒業してからは会ってないけど、元気でいてくれたらいいなと思う。



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