読書感想文 「お金の大学」by 両@リべ大学長

読書感想文「お金の大学」
 
【良い点】
・登場人物が掛け合いをLINEのチャットのような形式で行うので、非常にLINE使用層には頭に入りやすい。すらすら読める。
・登場人物のかけあいが漫画的で導入パートが入りやすい。
・イラストが多いフルカラー。
・「貯める、使う、守る、稼ぐ、増やす」というド正論+広い範囲での資産の守り方+増やし方に言及できている。
・「貯める」については、携帯料金、電気料金、保険料等、すぐに見直せるものと、現在無意識に消費しがちなものに言及されていてすぐに実践できる内容。
・「保険」について「確率」と「損失額」で理性的に判断するという手法は納得できる。 
・「厚生年金」の重要性と保証の厚さを説明してくれているので、安易な離職や流行りの脱サラに流されにくくなる。
・「副業」、「転職」について、資産形成の戦略としての文脈で説明されている点が面白い。
・SNSを自分の名刺として活用する際の発信の方法についての記事が面白い。
・投資について生活防衛資金を貯めたうえの余剰資金で行うという点をしっかり説明している。
・投資詐欺についての警告がされている。※ボンジスキームの事例説明あり。
・「守る」パートで、詐欺、自分の資産を他人に任せることの危険性(銀行、保険会社、証券会社を含む)、浪費、被災、盗難、インフレについて説明があり、参考になる。
・「使う」パートで、人生を豊かにするためのお金の使い方についての学長なりの意見、考察があり、参考になる。
 


【悪い点】
・表紙にある「本当の自由を手に入れる」というコピーがうさんくさい。
・マッチョなライオンキャラが怖い。騙されそう。
・本当は必要な「保険」を兎に角書いてある通りに解約したりするなどのリスクも考えられる。この本を読んで内容を理解しないまま被害を受けるリテラシーの低い人には向かない。
・投資に関して自己責任で行うという注意喚起が弱い気がする。しっかりと書かれてはいるが、例えばYoutubeの動画や金融ストラテジストの意見のままに株式購入することの危険性なども説明があると良い。

 
【想定されるターゲット】
・資産運用、投資を既にしている人から先に概要を学びたいという人まで。
・手元に投資の元本がないが、長期計画でその元本の作り方、節約の仕方なども同時に学びたい層
 

 
【投資についての記述】
・株式、債券、不動産、コモディティ、預金についての説明がある。
・株式については、長期投資、分散投資(インデックス投資)を勧めている。
・投資信託、インデックスファンドの説明がわかりやすくされている
・ドルコスト平均法の定期積立を推奨
・つみたてNISA、一般NISA、IDeCoの比較がわかりやすくされている
・S&P500に連動したインデックスを推奨
・アメリカの成長について、経済成長の経緯、人口動態、金融法政、イノベーションの点から説明。
・インデックスファンドの取り崩し方法について説明されている。
・増配、高配当株について説明されている。
・不動産投資について、メリット・デメリット、戸建て・区分マンション・一棟買い、中古・新築、地方・都市部など、表でパッと見てわかりやすい。

 
【個人的な感想】
 全体的に「貯める」パートに割かれている割合が多い点、ほとんどの人にとって役立つと思う。個人的には、投資を既に始めていて十分な利益を出している人、やりがいのある社会貢献的事業を営んでいてそれに全集中したい人、FP等でだいたいの知識を網羅している人、以外のすべての日本人が読んだ方がいい本だと思う。
 株式投資に関しての記述は長期、分散、米国株式連動型インデックス、ドルコスト平均法、という投資手法を中心にしており、その他の投資手法や商品知識等への言及は少ない。そのため、株式投資を深く学ぼうという人は、その手前の段階で読むような内容。株式投資に特化してその仕組みや経済との関連性を深く学ぶためには他の資料、書籍を読んだ方が良い。
 不動産投資についても同様。わかりやすい反面、内容は深くない。本格的に不動産投資をするには他の書籍などでさらに知識を深めた方が良いと感じる。
 債権、コモディティへの投資については記述が非常に少ない。
 為替取引、仮想通貨については説明はない。

 上記、読書感想文としては0点。これは読後まとめだと思う。

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