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著: イ九    

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イ九によって書かれたお話たちです。
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#しんどい

【短編小説】揺り籠から墓場まで

【短編小説】揺り籠から墓場まで

「サービスだよ」
「え、サラからハグって激レアやん……明日は槍でも降るん?」
「……」
「無視はよくないな」

 ぎゅう、と抱きしめた。私は意地っ張りで、ついこの間もレンと喧嘩したばかりだ。レンを前にすると、いつも以上に素直になれない。

 私たちは幼馴染で、何をするにもずっと一緒だった。おままごとをして遊んだり、砂場でおやまを作ったり。17歳になった今、さすがにそこまで幼稚な遊びはしないけど、た

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