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とある委員会
2022年11月6日 00:53
雨上がりの森の中の空気を大きく吸い込んだ。地面は湿り、草木たちは濡れ、どこか新しい知らせを告げるようなそんな匂い。そんな空気を肺いっぱいに吸い込んで、私は工房へ向かった。誰もいない静かな工房。工房は、たくさんの作品たちと祖父母との思い出で溢れかえっていた。今年の3月、まず祖母がこの世を去った。祖母は、陶芸家である祖父を支え、時に見学に来る人々をもてなしていた。よく喋る快活で優しいおば