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【エッセイ】土曜午前のお花見が人生で1番美しく咲いて見えました

お花見の季節ですね。

私は桜を見ると、高校生の時、部活の練習前に友人たちとお花見をしたことを思い出します。


土曜日は、いつも午後練で午前中が空いてたんです。

なので、仲の良い部活の友人2人と朝早くに学校に集まって、教室でダラダラだべるのが毎週の楽しみでした。



私の高校は、メインのグラウンドとは別に、校舎裏にちっちゃいグラウンドがあったんです。そこの端の方に一本だけなぜか桜の木が植えてあって、そこで3人で花見をしようという話になりました。

1人が登校する道中に団子屋があるからと朝から団子3本買ってきてくれて、私は飲み物を3本用意しました。そして、残りの1人は何もしませんでした。おい!笑


それで楽しかったかと聞かれると、もうね、言葉には表せないぐらい楽しかったんです。あれは青春でしたね。

メイングランドで野球部やサッカー部が朝から練習してるんです。

その日も、「ばっちこーい!」って声が遠くから聞こえてきました。

その声を聞きながら、春の陽気に当てられて、ぽかぽかした校舎裏で、誰にも知られず男3人で花見をしてたんです。

あれは青春でしたね。格別の青春を味わったような気がしました。

話の内容は覚えていません。誰々先輩がまた変なことをやり始めたとか、今日の練習メニューはどうだとか、どんな女の子がタイプなのだか。

どれも取るに足らない他愛のない話です。

でも、私にとっては宝物の様にキラキラした思い出です。


2人とも遠くの大学に進学しちゃったけれど、桜を見てあの日のことを思い出してくれたらいいな。

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