A・アメリ

美しい花の記憶を形にしたくて俳句を始めました。

A・アメリ

美しい花の記憶を形にしたくて俳句を始めました。

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  • エッセイ

    短いエッセイをまとめています。

記事一覧

<空蝉となりたることをまだ知らず>
この句を読んで、俳句っておもしろい!と思ったんだった。うんうん、絶対彼ら、空蝉になったこと分かってない! どうしてこんな鮮やかな表現ができるんだろうって。この気持ちよさ、ずっと、憧れだな。
(俳人 鷹羽狩行さん逝去)

A・アメリ
3日前
11

正鵠へ三十三間青嵐

せいこくへさんじゅうさんけんあおあらし

A・アメリ
13日前
10

本を贈る

仕事終わりに机を乾拭きするのが好きだ。静かなピアノ曲を流しながらゆっくり腕を動かすうちに、気持ちの昂りが少しずつ落ち着く気がする。今日はふと、しばらく開けるこ…

A・アメリ
2週間前
10

夏雲へギア6速の岬かな

なつぐもへぎあろくそくのみさきかな

A・アメリ
3週間前
8

敬礼へ敬礼駅に風薫る

けいれいへけいれいえきにかぜかおる

A・アメリ
1か月前
13

明けぬればけふの桜に酔ひにゆく 帰らうか桜になれなかつたから 夜桜にふと前世の名を呼ばれ (武雄/御船山) 今日も暑かったですね。明日は立夏。ここ数日、季節外れ…

A・アメリ
1か月前
9

花の寺

傘をさす人ささぬ人花の寺 櫂の手に手を添へてみむ春の夢 長々と曳きたる水尾や花月夜

A・アメリ
1か月前
7

春潮に

椿ひらくほど蕊のひとりかな 春潮に祈りの窓のしづかなり 喪心といふ漣や花筏 (五島)

A・アメリ
1か月前
5

島は雨

追羽子にもつとも青き空を知り 一年を歩む蹠に絵を踏みぬ 落椿椿椿や島は雨

A・アメリ
1か月前
9

花咲く頃

佐保姫の眉ほのぼのとまどろみて はくれんの羽ばたくまでは花の色 巫はいづこへ隠れ雪柳 連翹の風の中なら泣いていい 鈴の音は夢のあはひや花海棠

A・アメリ
1か月前
8

啐啄に生まれくるもの春の雨 春塵の手に四万十の水走る 春分の地図どこだつて行けさうな 清明や校歌に山河うつくしく 仔馬放つ仔馬の心放つなり

A・アメリ
1か月前
9

はくれんの羽ばたくまでは花の色

はくれんのはばたくまでははなのいろ 季節の移ろいについていけていませんが、少しずつ、と思います。

A・アメリ
1か月前
9

今朝も冷え込みましたね。

お世話になってますのに
ご心配かけるようなことばかり書いてすみません。
不眠があまりよくならなくて。
先日ちょうど俳句を始めた頃(春、季語としては初夏ですね)に
牡丹寺で詠んだ句に還りました。
いい区切りなのでログアウトして
じっくり冬眠に入ります💤

A・アメリ
6か月前
15

紅茶に浮かべる砂糖菓子のような蕾。

空気は凛としてるのに
日差しが あたたかく。
今日は久しぶりに
記事を読ませてもらってます。
うれしい。

A・アメリ
6か月前
14

ひとひらと数ふる煙や牡丹焚く

ひとひらとかぞうるけむやぼたんたく 春に出会った花を思い。

A・アメリ
6か月前
16

11月24日 朝時雨

時雨るゝや千羽鶴羽畳みをり 色紙の山折り谷折り冬紅葉 時雨/冬紅葉(初冬)

A・アメリ
6か月前
12

<空蝉となりたることをまだ知らず>
この句を読んで、俳句っておもしろい!と思ったんだった。うんうん、絶対彼ら、空蝉になったこと分かってない! どうしてこんな鮮やかな表現ができるんだろうって。この気持ちよさ、ずっと、憧れだな。
(俳人 鷹羽狩行さん逝去)

正鵠へ三十三間青嵐

正鵠へ三十三間青嵐

せいこくへさんじゅうさんけんあおあらし

本を贈る

本を贈る

仕事終わりに机を乾拭きするのが好きだ。静かなピアノ曲を流しながらゆっくり腕を動かすうちに、気持ちの昂りが少しずつ落ち着く気がする。今日はふと、しばらく開けることのなかった一番下の深い引き出しに手をかけた。

冬のままだ。優しい光を見たくて並べた真珠のネックレス。ラベンダー精油の遮光瓶。陶製の小さな燭台。眠れない夜に眺めた絵本。

そうか。最後にここを開けたのはクリスマスの頃だったな。小さなハード

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夏雲へギア6速の岬かな

夏雲へギア6速の岬かな

なつぐもへぎあろくそくのみさきかな

敬礼へ敬礼駅に風薫る

敬礼へ敬礼駅に風薫る

けいれいへけいれいえきにかぜかおる

桜

明けぬればけふの桜に酔ひにゆく

帰らうか桜になれなかつたから

夜桜にふと前世の名を呼ばれ

(武雄/御船山)

今日も暑かったですね。明日は立夏。ここ数日、季節外れの句ばかりで申し訳ないようでしたが、少し空白が埋まった気がします。おつきあいくださってありがとうございました。

花の寺

花の寺

傘をさす人ささぬ人花の寺

櫂の手に手を添へてみむ春の夢

長々と曳きたる水尾や花月夜

春潮に

春潮に

椿ひらくほど蕊のひとりかな

春潮に祈りの窓のしづかなり

喪心といふ漣や花筏

(五島)

島は雨

島は雨

追羽子にもつとも青き空を知り

一年を歩む蹠に絵を踏みぬ

落椿椿椿や島は雨

花咲く頃

花咲く頃

佐保姫の眉ほのぼのとまどろみて

はくれんの羽ばたくまでは花の色

巫はいづこへ隠れ雪柳

連翹の風の中なら泣いていい

鈴の音は夢のあはひや花海棠

春

啐啄に生まれくるもの春の雨

春塵の手に四万十の水走る

春分の地図どこだつて行けさうな

清明や校歌に山河うつくしく

仔馬放つ仔馬の心放つなり

はくれんの羽ばたくまでは花の色

はくれんの羽ばたくまでは花の色

はくれんのはばたくまでははなのいろ

季節の移ろいについていけていませんが、少しずつ、と思います。

今朝も冷え込みましたね。

お世話になってますのに
ご心配かけるようなことばかり書いてすみません。
不眠があまりよくならなくて。
先日ちょうど俳句を始めた頃(春、季語としては初夏ですね)に
牡丹寺で詠んだ句に還りました。
いい区切りなのでログアウトして
じっくり冬眠に入ります💤

紅茶に浮かべる砂糖菓子のような蕾。

空気は凛としてるのに
日差しが あたたかく。
今日は久しぶりに
記事を読ませてもらってます。
うれしい。

ひとひらと数ふる煙や牡丹焚く

ひとひらと数ふる煙や牡丹焚く

ひとひらとかぞうるけむやぼたんたく

春に出会った花を思い。

11月24日 朝時雨

11月24日 朝時雨

時雨るゝや千羽鶴羽畳みをり

色紙の山折り谷折り冬紅葉

時雨/冬紅葉(初冬)