見出し画像

退院してもいいですか?

入院35日目

9:30
トイレに行くと出入り口ですれ違った方に、声をかけられた。

「あれっ?前にお部屋が一緒でしたよね。」

声を聞いてピンときた。
そうだ、前の急性期病棟で同室だった方だ。知っている人に会って、何だかとても嬉しくなった。

この方は、路線バスに乗る時に転倒して、右腕を2か所骨折してしまったのだ。幸い左利きなので、食事やものを書く時などは、不自由はないと話していたのを思い出す。

数日前に、こちらのケア病棟に移動したらしく、今はリハビリを頑張っているとのこと。

少しお互いの近況を伝え合えた。


リハビリ27回目
15:00

右足の1/3荷重訓練が始まって4回目のリハビリ。右足首の強張りは相変わらずだが、可動域は少しずつ増えてきていた。

理学療法士さんに、今のリハビリ状態を踏まえて、退院の時期を相談してみたところ、

「次の1/2荷重訓練が、今週金曜日から始められるので、それを経験して週明けに退院が理想じゃないでしょうか?」

とのアドバイスをいただく。

なるほど、体重の半分が右足にかけられるということは、松葉杖なしで、両足で立つことが可能ということになる。

やっとやっと「退院」の二文字が現実味を帯びてきたぞ。

そして、理学療法士さんからもうひとつアドバイスをもらう。

「退院の意思と退院日に関しては、主治医に直接伝えたほうがいいですよ。」



以前、主治医と退院の時期を相談した時に「荷重訓練が始まったら退院を考えていいですよ。」という話はしていた。

そろそろまた、主治医と退院に向けて具体的な話をしたいなと思っていたのだが、なかなか主治医と会えないでいた。

看護師さんには、退院時期の希望と、主治医と相談がしたいことは伝えた。そして主治医に、私の意思が伝わるようにカルテに記してくれた。

「主治医」とひとくくりで今まで話していたが、細かく言うと、「第1主治医」と「第2主治医」が担当医としてついている。

今まで、よく病室で話していたのは「第2主治医」であり、「第1主治医」とは、シーネを外してもらって以来会えていなかった。

手術が立て込んでいることが多いのだ。


入院36日目
リハビリ28回目

11:00
リハビリ室へ向かう道中で、偶然にも第2主治医とすれ違う。勇気を出して声をかける。

私「こんにちは、すみません、ちょっとお時間いいですか?」

医師が立ち止まってくれる。

私「荷重訓練も進んできたので、退院日を相談させてもらいたいのですが・・・」

医「退院の具体的な日程のことは、第1主治医と話をしてください。でも、今、手術室に入っちゃってるんだよね。」

私「あっ、わかりました。ありがとうございました。」

外来をこなし、それ以外は手術と回診。忙しいはずである。

看護師さんには伝えてあるから、きっと第1主治医の耳か目に、私の退院したい強い気持ちが届くだろう。

追加で私の強い念も送っておいた。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?