見出し画像

ベネッセ、最後の決算発表

ベネッセホールディングス(HD)が15日発表した2024年3月期の連結決算は、純利益が前の期比43%減の64億円だった。同社はMBO(経営陣が参加する買収)で17日に上場廃止になるとのこと。

要約文

ベネッセホールディングス(HD)は2024年3月期の連結決算で純利益が前期比43%減の64億円となり、上場廃止を発表しました。主力の「進研ゼミ」が少子化で苦戦し、※MBOにより投資ファンドから780億円の支援を受けてデジタル化や介護分野で再成長を目指します。売上高は微減、営業利益も2%減少し、過去最高の半分に落ち込みました。特別損失も響き、今後の業績見通しは不透明です。ベネッセは教育のデジタル化や海外展開、M&Aを積極的に進める予定です。

日経新聞の図引用
日経新聞の図引用

MBOとは?

MBO(Management Buyout)とは、会社の経営陣が自分たちの会社の株式を買い取って、会社の所有権を持つことを指します。これにより、経営陣が会社の経営をより自由に行えるようになります。

例えば、あなたが友達と一緒にお店を経営しているとします。最初は外部の人たちがそのお店のオーナーでした。でも、あなたたちが「もっと自由に経営したい」と考えて、その外部の人たちからお店の所有権を買い取ることにした場合、それがMBOです。

ベネッセがMBO
欧ファンドと、「進研ゼミ」立て直し

ベネッセホールディングスは2023年11月10日、経営陣が参加する買収(MBO)を実施すると発表しました。ヨーロッパの投資ファンドEQTと組み、TOB(株式公開買い付け)を行います。ベネッセの株式は非公開となり、立て直しを図ります。進研ゼミの不振が続いており、デジタル教材の導入などを試みましたが会員数減少が止まりませんでした。EQTは特別目的会社(SPC)を設立し、全株ベースでの株式価値は約2700億円となる予定です。MBO後、ベネッセHDは非公開化で再建を目指します。

日経新聞の図引用

ベネッセ、育たぬ第三の柱

ベネッセホールディングス(HD)は教育や介護に次ぐ「第三の柱」として、社会人向け教育事業を育てようとしています。米国発のオンライン教育「Udemy(ユーデミー)」を中心に、リスキリング(再学習)事業の拡大を図ります。ユーデミーの講座はAIやロボット技術など幅広い分野をカバーし、法人需要を取り込みつつありますが、売上高の大幅な成長は見込まれておらず、株式市場からは成長性に疑問の声も上がっています。ベネッセはMBOを通じて連携する欧州の投資ファンドEQTのノウハウを活用し、リスキリング事業を推進する予定です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?