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1ドル148円台、円安進行

2日の米債券市場で長期金利は上昇(債券価格は下落)し4%台に乗せた。同日発表された1月の雇用統計で労働市場の底堅さが意識され、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退した。日米金利差を意識した円売り・ドル買いが広がり、1ドル=148円台半ばまで円安が進んだとのこと。

要約文

この記事は、2024年2月2日の米国債券市場で長期金利が4%を超え、円が1ドル=148円台半ばまで下落したことを報じています。米国の1月の雇用統計が市場予想を上回り、労働市場の底堅さが示されたため、米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ予想が後退しました。これにより、円売り・ドル買いが進みました。長期金利の上昇は、非農業部門の就業者数が市場予想を大きく上回ったことが主な原因です。また、金融引き締めの長期化懸念から米株式市場では一時的な下落もありましたが、IT関連銘柄の好調により市場は回復しました。市場では3月の利下げが見送られる可能性が高まり、5月に利下げが始まるとの見方が出ています。また、円については、日銀のマイナス金利解除の観測もある中で、さらなる下落が予想されていますが、その動きは限られるとの意見もあります。

日経新聞の図引用


10年物国債利回り

10年物国債利回りは、その国債を市場で取引する際の需要と供給のバランスによって決まります。具体的には以下の要因によって影響を受けます。

1. **市場の需要と供給**: 投資家がその国債を購入したいと思えば思うほど(需要が高ければ)、国債の価格は上昇します。逆に、売りたがる人が多ければ(供給過多であれば)、価格は下落します。国債の利回りはその価格と反対に動きます。つまり、価格が上昇すると利回りは下がり、価格が下落すると利回りは上昇します。

2. **中央銀行の政策**: 中央銀行による金利の設定や量的緩和などの金融政策は、国債の利回りに直接的な影響を与えます。例えば、中央銀行が金利を引き下げると、新しく発行される国債の利回りも低くなりがちです。

3. **経済見通し**: 投資家が経済成長やインフレ率の将来的な増加を予想する場合、より高い利回りを求める傾向があります。これは、将来的な購買力の低下を補うためです。

4. **リスク回避の心理**: 政治的な不安定さや経済的な不確実性が高まると、投資家はリスクを避けて安全な資産と見なされる国債に資金を移動させることがあります。このようなリスク回避行動は、国債の価格を押し上げ利回りを下げる効果があります。

5. **国際的な影響**: 他国の金融政策や経済状況も、国債の利回りに影響を及ぼすことがあります。特にグローバルに投資する機関投資家は、異なる国の国債利回りを比較して投資を決定するため、ある国の国債利回りに影響を与えることがあります。

このように、10年物国債利回りは多くの要因によって決定され、それらは市場の動向、経済状況、政策の変更などによって常に変動しています。

国債の価格と利回り

国債の価格と利回りの関係は、シーソーのように密接に結びついています。簡単に言えば、国債の価格が上がると利回りは下がり、価格が下がると利回りは上がります。この関係を理解するには、国債がどのように機能するかを把握することが重要です。

### 国債とは?

国債は、政府が資金を調達するために発行する借金の一種です。投資家は政府に資金を貸し、政府はその資金を特定の期間後に利息と共に返済します。国債の「利回り」とは、投資家がその国債を保有している間に得られる利益の割合を意味します。

### 価格と利回りの関係

1. **国債の価格上昇**:
  - 投資家が国債を求めるとき、需要が供給を上回ると国債の市場価格は上昇します。

  - 価格が上がると、新しい購入者はより高い価格で国債を購入することになり、国債から得られる実質的な利益(利息収入)は減少します。

  - したがって、国債の利回り(年間で得られる利益の割合)は下がります。

2. **国債の価格下落**:
  - 逆に、国債に対する需要が減少する(または供給が需要を上回る)と、市場価格は下落します。

  - 価格が下がると、新しい購入者はより低い価格で国債を購入できるため、同じ額面の利息をより安い価格で得られることになります。

  - 結果として、その国債の利回りは上昇します。

### 簡単な例

例えば、100ドルの額面価値を持つ国債があり、年間3ドルの利息を支払うとします。この国債を額面価格で購入した場合、利回りは3%です(3ドル/100ドル)。

- **価格上昇の場合**: 同じ国債が市場で105ドルで取引されるようになった場合、新しい購入者の利回りは約2.86%に下がります(3ドル/105ドル)。

- **価格下落の場合**: 逆に95ドルで取引されるようになった場合、新しい購入者の利回りは約3.16%に上がります(3ドル/95ドル)。

このように、国債の価格と利回りは反対方向に動きます。価格が変動すると、新しくその国債を購入する人の得られる利回りも変わるのです。

国債の利回り上昇

国債の利回りが上がるということは、その国債の市場価格が下落していることを意味します。市場価格が下落する主な理由の一つは、売りたい人が多い、つまり供給が需要を上回る状況が発生しているためです。この状況は、投資家が国債を保有することに対して否定的な見方をしていることを示唆している可能性があります。以下は、国債の利回りが上昇する背景にあるいくつかの理由です:

1. **金利の予想上昇**: 中央銀行が金利を上げると予想されると、新しく発行される国債がより高い利率で提供されるため、既存の低利回りの国債は魅力を失います。投資家はより高い利回りを求めて既存の国債を売却しようとするでしょう。

2. **インフレ予想**: インフレが予想されると、将来的に購買力が低下するため、固定収入を生む資産(国債など)は魅力を失います。その結果、投資家は国債を売却し、利回りが上昇します。

3. **リスク許容度の変化**: 投資家がリスクを取る意欲が高まると、よりリスクが高いが収益性の高い資産へと資金を移動させます。その結果、国債などのリスクが低い資産は売却され、その利回りは上昇します。

4. **経済見通しの変化**: 経済成長が加速すると予想される場合、投資家は株式などの成長性の高い資産に興味を持ちます。これにより、国債が売却され、利回りが上昇します。

5. **政治的・地政学的リスク**: 政治的不安定さや地政学的緊張が高まると、国債の価格に影響を与えることがあります。このようなリスクが特定の国に集中する場合、その国の国債は売却され、利回りが上昇することがあります。

国債の利回りが上昇するということは、市場がその国債を売りたがっていることの表れであり、様々な経済的、政治的要因によって引き起こされる可能性があります。

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