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中国、豪州に接近

インド太平洋での覇権争いが活発ということで、関連ニュースを取り上げたいと思う。

日経新聞の図引用

中国、AUKUSへ揺さぶり

この記事は、中国がオーストラリアとの貿易拡大を利用して、オーストラリアに接近し、AUKUS(オーストラリア、イギリス、アメリカによる安全保障の枠組み)に対する影響力を試みていることを報じています。中国の王毅外相はオーストラリア訪問中、アルバニージー首相との会談で、両国間の障害の克服と共通利益の追求について話し合いました。また、中国は以前豪州産品に対して科していた貿易制裁の解除を進めています。これは、2022年にアルバニージー政権が発足して以来、中豪関係が改善している背景があります。中国の近隣国との関係強化は、米英豪による対中抑止を目的としたAUKUSへの対抗策として、またインド太平洋地域における影響力を増すことを意図しています。同時に、米国とその同盟国の間にくさびを打ち込むことを狙っているとされています。

AUKUS、日本と防衛技術協力を検討

AUKUS(アメリカ、イギリス、オーストラリアによる安全保障の枠組み)は、中国の抑止を目的として日本との防衛技術協力を検討しています。対象となる技術には原子力潜水艦は含まれず、人工知能(AI)、サイバー、電子戦能力、量子技術、極超音速兵器などの先端防衛分野が含まれます。協力の範囲は限定され、日本がAUKUSの正式メンバーになることは現段階では予定されていません。この技術協力を通じて、日本とAUKUSの間で防衛技術や実験データの共有を促進し、技術開発を加速させる目的があります。日本の参加により、軍事作戦の協力が容易になり、中国による台湾海峡や南シナ海での軍事活動に対する懸念への対処が強化されることが期待されます。しかし、サイバー防衛は共有される技術情報を保護する上での重要な課題となっています。

中国、対インドで防衛協力拡大

この記事は、中国がインドの隣国であるモルディブ、スリランカ、ネパールとの防衛協力を強化していると報じています。中国軍はこれら3カ国に代表団を派遣し、各国との協議を行いました。中国のこの動きは、軍事的に台頭するインドに対するけん制と見られています。特にモルディブとは軍事援助に関する協定を結んでおり、中国はこの協定を通じて2国間関係を強化しています。ネパールとスリランカもそれぞれ中国との関係が深まっており、経済的に中国に依存する傾向が見られます。この一連の動きは、インドを取り囲むように地政学的な影響力を強める中国の戦略の一環と解釈されています。一方で、インドも防衛技術の共同開発や安全保障協力を含む対中抑止策を強化していることが指摘されています。

豪とASEAN、海洋安保で足並み

オーストラリアとASEAN(東南アジア諸国連合)はメルボルンで首脳会議を開催し、南シナ海での中国の海洋進出を念頭に置き、紛争回避のための「行動規範」の策定の重要性を共同声明で強調しました。安全保障協力の拡大や航行の自由の支持を含む55項目で合意し、海洋安全保障に関して一方的な行動の回避や非軍事化の重要性を強調しました。ASEAN加盟国の中には、中国と親密な関係を築いている国もありますが、豪州は法の支配の強化やASEANの脱炭素化支援など、環境問題や国際法の支持を含むソフトな安全保障協力を提案しました。また、オーストラリアは、ASEAN諸国との関係強化を目指し、国際開発援助の増加やASEAN特使の新設など、対ASEAN政策を積極的に推進しています。

日米、フィリピンと初の首脳会談

日本、米国、フィリピンは4月11日に初めての3カ国首脳会談を行います。この会談は、中国の海洋進出に対処し、安全保障分野での協力を深めることを目的としています。会談では共同訓練の拡充、重要物資のサプライチェーン強化、脱炭素分野での協力などが議論される予定です。この動きは、インド太平洋地域での「同志国」の連携を強化し、政権交代があっても関係が安定する体制を構築することを狙っています。また、日本とフィリピンはそれぞれ米国と同盟関係にあり、この会談を通じて同盟・協力関係の深化を図ることが期待されています。

日経新聞の図引用

中国の海洋進出

最近の中国の海洋進出には、南シナ海での人工島建設や大規模な埋め立てが含まれています。これらの行動は、フィリピンやブルネイ、マレーシア、ベトナム、台湾など、周辺国との領有権争いを激化させています。中国は、自らが主張する「九段線」内の海域での主権を強く主張しており、これに対する国際的な批判や仲裁裁判所の判決を受け入れていません。

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