【富士山お中道の植物観察日記】 2024年10月20日
富士山の黄葉と紅葉
富士山は黄葉・紅葉の季節となりました。
今年の秋は、例年になく暖かな日が続いて、富士山頂の初雪はまだ確認されておらず、初冠雪の平年値は10月2日(甲府地方気象台 1894~2022年)ですが、今年はまだ観測されていません。
10月19日から20日にかけて前線の南下とともに、寒気が南下すると予想され、山頂の新雪も見られることが期待されました。
そこで、初冠雪を間近で見ようと、お中道に行ってきました。
初冠雪に立ち会えるか!!
午前中は、富士山はまだ雲に隠れていて、霧雨も降っていました。
正午過ぎに、西側の空から雲が切れて、青空が広がってきました↓
富士山を覆っていた雲も段々上がっていきました。
七合目位から上がまだ雲に隠れています↓
もうすぐ山頂から雲が消えそうです。
期待して山頂を見上げている人たちがいます↓
ようやく雲が消えて、山頂が現れました。
残念ながら、積雪は見られず、初冠雪は、次の機会まで延期です↓
黄葉・紅葉のようす
森林限界の上に広がるカラマツ帯は全面、黄葉しています。
森林限界以下では常緑針葉樹と色どりのある広葉樹が混生しているのが見られます。
針葉樹の緑色、カラマツの黄色、ナナカマドの赤色が秋の日に映えます。
では黄葉・紅葉している木々に近づいてみましょう。
一言で黄葉・紅葉といっても、樹種や状態によって微妙に色が違います。
黄葉・紅葉のしくみは以前に記事にしました。
興味を持たれた方はこちらをご覧ください↓
秋の常緑針葉樹のようす
景色の中の緑色(常緑針葉樹)に目を向けてみましょう。
コメツガ、シラビソ、ヒメコマツは富士山森林限界の森の主要な樹種です。
上のシラビソやヒメコマツの写真では、枝の基部の葉が枯れています。
常緑樹も1年に一回は、このように一部が黄葉した後に落葉します。
落葉樹のように目立つことはありませんが、古い葉を落として、来春に針葉を出して、新旧が入れ替わっているのです。
今年の見納め
地中で冬を越す草本たちの葉は、すでに枯れています。
あとひと仕事、種子を飛ばし今年の生育を終えます。
まもなく初冠雪が見られることでしょう。
その機会を捉えに行こうと思います。お楽しみに。
前回(7月20日)のようすはこちら↓
富士山お中道を歩いて自然観察」の連載はこちら↓
「富士山お中道の生物図鑑」の連載はこちら↓
今回の登場人物たちの紹介もあります。
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