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富士山お中道を歩いて自然観察

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富士山の中腹を巡るお中道は火山荒原や森林を横切りながら歩ける遊歩道です。富士スバルラインの奥庭〜5合目駐車場までのお中道の自然を生態学的な視点で解説します。 週1、2回の更新で、…
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2023年3月の記事一覧

【富士山お中道を歩いて自然観察】 はじめに

富士登山では、荒涼とした登山道の登りが続くが、お中道は豊かな自然にあふれている。 山頂を…

【富士山お中道を歩いて自然観察】 お中道とはどんな道か?

お中道は、富士山の中腹(標高2,300 m付近)にある遊歩道である。 古いガイドブック「富士登…

【富士山お中道を歩いて自然観察】1 溶岩上の遷移

石畳が始まり少し進むと、道は右に曲がっていく。曲がってすぐの左手側は溶岩流跡のため全体が…

【富士山お中道を歩いて自然観察】2 大木についた傷

森に入って数歩進んだら後ろを振り返ってみよう。縦に大きな亀裂が入ったシラビソを見ることが…

【富士山お中道を歩いて自然観察】番外編 マツ科いろいろ

富士山では以下のマツ科針葉樹が生育する。 モミ属:シラビソ、オオシラビソ、ウラジロモミ …

【富士山お中道を歩いて自然観察】3 シラビソの樹形

森の中の遊歩道を穏やかに登っていく。ここの遊歩道は森林が切り開かれて陽が差し込むが、遊歩…

【富士山お中道を歩いて自然観察】4 極相林のギャップ更新

極相林が維持されるためには、親木のあとに後継樹が育つ必要がある。しかし、一般に極相林内は暗く後継樹が育ちにくい。 林冠を覆う高木(林冠木)が寿命や台風の強風などで倒れると、林冠に空が開き、林床まで太陽光が射し込む明るい場所ができる。これはギャップといわれる。 倒木でギャップができると、差し込んだ光で後継樹(稚樹)の光合成が促進され成長が速まる。このようにして後継樹が成長し親木の跡を継いで森林が世代交代を続けることをギャップ更新という。 極相林のギャップ更新メカニズム極相