地図中毒末期患者

君は地図の事が好きだろうか?
僕は好きだ。何が好きなのか、いろいろある。

まず、街の形。どのような地形か、歴史は何があるのかそれらによって街の形は大きく変わる。それを街の形から想像するのだ。

次に、鉄道。人の移動が見える。鉄道は自由じゃない行き先は決まってる。それを追いかければ、この街の人たちの移動が手にとるようにわかる。

次に、発展。建築中の建物、解体途中の民家。そこには神の視点から意図した大きな目的が含まれてる事がある。それらの解体現場は繋がって大きな道なることもある。それを探すのだ。

そして何より、創造だ。ここにこの駅を建てて、この道を伸ばし。ここにはビルをここにはショッピングモールを。街をクリエイトするイメージを持ちながら眺めることだ。この時だけ、自分は神であり、市長であり、社長である。僕がもっとも神に近い瞬間ではなかろうか。

他にもいろいろある。しかし、これらが表しているのは、地図は想像を与える余地が存在すること。地図は真のリアリズムを持ちながら、抽象化を成し遂げているのだ。固定された街並みを見ているうちに、固定されないどろどろの粘土が出てくる。それをこねくり回す。まるでそれは幼稚園児のお遊びである。だが、それがいい。ついこの時だけは、現実を忘れ神になろうではないか

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