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選択的夫婦別姓と同性婚に消極的反対な男友達(24)の話

※この記事の内容は本人に了承を得て載せています!


東京に住んでいた時に仲が良かった理系の男友達と久しぶりにzoomで話すことになった。

結婚の話になったのだが、彼が結婚相手に望む条件を教えてくれた。

・できるだけ賢い大学出身(もし結婚するなら、自分の子どもの母親には教養があってほしいから)

・自分は転勤して色んな職場を経験したいが、単身赴任は嫌なのでついてきてほしい

・しかし自分の会社の給料では家族を養えるか心配なので専業主婦ではなくなんらかの形で働いてほしい

・転勤についてきてほしいが、賢い大学出身であってほしいので、弁護士や医師、会計士など、どの地域でも働ける人がいいかもしれない

・名字は自分の名字に合わせてほしい。自分が変えるのは、なぜ男性なのに名字を変えたのか人に説明すること面倒くさいので嫌だ。あと、名字を変えたくないという女性は普通でない感じがするし、社会運動的で不快。自分が名字を変えることで社会運動側だと思われるのも避けたい。

私は彼に「性格も合う子で、賢くて優しくてあなたの転勤先全部ついていくって言う子がいたとして、『でも自分の名字変えたくないなあ』って言われたらどうなん」と聞いたのだが「いや、俺は選ばないな~」「まあ実際相手に厳しい条件求めているよね(笑)」と返された。


では、最近SNSでも議論になっている同性婚含む同性愛者の権利の問題についてどう考えているか聞いてみた。彼の意見は以下のとおりだ。

・自分は同性婚をしたいと思わないので、どちらでもいい。

・同性愛者であることで逮捕されたり、直接的な不利益があるのはよくないと思う(アラン・チューリングの話を彼はしていた)。でも、なんで結婚にこだわるのかわからない。

・結婚を認めてほしいとか、病院に家族でないと入れないとか、そういう主張もわからなくはないが、その法律や制度の整備をすることにコストや手間がかかって自分たち一般の人へのサービスが低下するのではないかと思う。

・自分の友達が同性愛者で困っていたら考え方が変わるかもしれないけど今はいないので、積極的に同性婚に賛成しようとは思わない。


私は選択的夫婦別姓や同性婚に反対しているのは年配ばかりだとイメージしていたので、彼と1時間ほど話してすっかり驚いてしまった。

しかし、勉強にもなった。

「選択的夫婦別姓が認められたら他のいろんなことも変わってしまいそう」と話す彼は、今困っていないし自分が生きたい生き方が明確に見えているから、その将来を脅かすかもしれない変化に拒否感があるのではないだろうか。

そして彼は、同性婚を訴えている人や選択的夫婦別姓を訴えている人(特に選択的夫婦別姓を訴えている人)の「社会運動的なもの」にSNSや駅前で騒いだり攻撃的な印象を持っており、「反原発運動みたいでいやだ」と拒否感を抱いていた。

彼の考え方に対して、社会的に弱い立場の視点に立てるように教育や啓蒙によって克服したいと考える一方で、社会運動的なものそのものに拒否感を抱いているので啓蒙は意味がないだろうと思う。私は今回彼と話したとき、できるだけ一方的で啓蒙的な言い方にならないように対話を心掛けたが、彼の考え方を変えるのは難しいと感じた。

とはいえ、「思想の自由」「多様な価値観」として尊重されるべきものかと言われると、それではマイノリティの権利がずっと認められないままである。

この現状はどのように乗り越えることができるのだろうか。

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