勉強のドア

 1年間に1つは何か生活に役に立つ資格を取りたいなと思って、仕事と直接関係ない勉強もしている。嫌だなと思っていた勉強も今は楽しい。ほんとに勉強が楽しいと思える。
 昔バイトしていた編集プロダクションの社長が大人向けに中学生用の教科書を噛み砕いた本を企画していた。その時のぼくは「社長、大人が子どもの教科書をさらに簡単にしたものを読むんですか?」と失礼な質問をした。社長はにっこり笑って「君ももう少し大人になればわかるさ。大人になると勉強したくなるんだ。」と言われた。その時は全く意味がわからなかったし、その本も全く売れてなかったのでどういう事だろうと思った。
 今、書店に行くとどうだろう。大人向けの「1日で振り返る中学生英語」だの「これだけの世界史」とかそんな感じの書籍の多い事。ぼくも何冊もリカレント学習するための本はついつい買ってしまう。日本史で試験を受けたからカタカナ文明について勉強しなくていいかと当時思っていたけど、世界史や地理のおもしろいこと。社会経験を通じたりしてからの社会科はおもしろい。もっと花の名前や星座の事も知りたい。
 興味を持つと世界は広くなる。新しいドアを開けられる。
 その編集プロダクションはもう無いけど、あの社長の言ってた事はほんとだった。
あの時疑ってすいません。あの時成人してたけど大人のほんの入り口だったんだな。

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