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【イベントレポート】6/10ダダ漏れ!しゃべくり先生談議

保育士起業家のまいちゃんと、元中学校教員でオンラインの学び場を作ろうとしているワダケンが出会ったことからできた先生たちのコミュニティ。

2人のエネルギーに巻き込まれる形で、私もこのコミュニティに加わりました。集まったのは保育園や小〜高校まで様々な場所で先生の経験がある6人。先日、このコミュニティの発起人である2人のトークイベントを行いました。

私たちがお互いを知ることを目的に企画したので、「参加者が一人もいなくてもやろう」というくらいのノリで告知。スタートしてみると、なんと参加者数は40人!発信力のある2人なので、これだけ集まったのも納得。

ちなみに参加費は投げ銭として、自由に送金してもらう形を取りました。現在集まったお金は9,200円。(ありがとうございます‥!)お金の使い道は検討中ですが、何か子ども達のために使えないかと考え中です。

今回のイベント「ダダ漏れ!しゃべくり先生談義」で2人が話した内容を一部ご紹介します。

* プロフィール *

まいちゃん(小笠原舞)
保育士起業家 /合同会社こどもみらい探求社 共同代表 / asobi基地 代表
「誰もが幸せに生きれる社会はどうつくるのだろう?」とふと中学生の時に思ったことから、福祉分野に興味を持つ。大学で福祉を学んだ後、一般企業での仕事を経て、保育士に。抱いた問いへの答えのようなものをこどもたちの世界に見出し、保育士起業家として独立。神戸市長田区の下町情緒と多様性あふれる街に惚れ込み移住し、1才10ヶ月のわんぱく息子に負けない好奇心で親子共々世界を広げまくっている。
ワダケン(和田健)
大学院を修了後、公立中学校の理科教員を務める。教育委員会事務局へ出向したのち退職。大学院博士課程後期に進学し、真の研究者も目指すも断念し、おせっかい研究員となる。趣味は理科実験とサッカーコーチ。現在は神戸にある介護施設ハッピーの家ろっけんで教育事業を立ち上げ、オンラインで0-99歳までみんなの学び場をつくろうとしている。
ハッピーの家ろっけんの様子がわかる動画はこちら


ー 保育園や学校の現場から離れようと思った理由

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まいちゃん:保育士をやりながら、保育園の中だけで子ども達は育つわけじゃないな、と思ったんですね。社会に出た時に、先生や親達はこの子達の個性を守ってくれるだろうか?という疑問がわいてきて。それで、子ども達の個性をそのまま受け止められる大人を増やしたいなと思って、保育園を離れました。

ワダケン:先生って、めちゃくちゃいい仕事だと思っています。でも、学校の中って魔法瓶みたいだなと思ってて、中で何が起きてるか見えないんですよね。そこに、風穴を開けたいなと思いました。そのためには自分自身が外に出て、色んなことを知る必要があるなと。学校と社会って違うって言われるけど、どう違うのかを知った上で教育を考えたいと思いました。

ー いい先生に必要だと思うこと

まいちゃん:いろんな視点からの「いい」があるけど、私は先生がいなくても、いかに子ども達だけでクラス=日常が回るかだと思っています。2才クラスの担当をしているときに、朝の会をやってみたいと言う子がいたり、何も言わなくても片付けの声かけをしてくれる子がいたりしました。そうなるためには、大人がどういうスタンスで子どもと関わるかが重要で、子どもを信じてやらせてみたりとか、待ってみたりする必要があると思っています。

その日に何も進歩が見えなくても、日々の積み重ねでこんなにも違うのかと思った経験があります。先生はファシリテーターのような役割で、いかにフラットに言葉をかけられるかが大切だと思っています。子どもの力を信じて、出過ぎずに関われることがいい先生かな。

ワダケン:子ども達が一番大事だと感じているのは学力なんですよね。でも、僕は目に見えるテストの点数が最も大事な訳ではないと思っています。目に見えないものをどれだだけ大切にできるかが重要だと思ってて。口では「プロセスが大事。結果が大事なわけじゃないよ。」とか言うけど、テストの点で評価しがちだなと感じます。そうじゃない軸で見るためには、教える教えられる、という関係を破壊しないといけない。

例えば、授業に子ども達が集中してないから「前を向きなさい」とか言うのは僕の力不足なんです。子どもが学校教育を受けるのは権利ですけど、やっぱり来たら授業を受けざるを得ない。それなら、おもろいことしたらええやん、って言うが僕の答えです。子どもがおもろいと思うことが大切。結局、子ども達の特徴を学力じゃないところにどれだけ見出せるかというのを大切にしていました。

まいちゃん:そう言えば、以前自然教室で出会った子が「歌手になりたい」と言っていて、私が「素敵じゃん!」って言ったら、泣いちゃったんですよね。親にはお金にならないと言われて否定されてきたみたいで。幼児教育で重要なのって、対子どもじゃなくて、対大人なんじゃないかと思うきっかけでした。

ー 子どものために、親ができることは?

まいちゃん:自分だけで抱えないこと。得意な人が得意なことをやったらいいと思うんです。ママ友と家族だけだとしんどいですよね。自分が本音を出せる場を持つことが大切だと思います。それと同時に、子どもが大きくなってきたら、斜めの関係で喋れるお兄ちゃんやお姉ちゃんがいたり、家族だけで完結させないことが子どもにとってもいいんじゃないかなと思います。

ワダケン:ある種の諦めというか、私はこれできないからお願いね、とか言えるといいですよね。親も一人の人間なので、得意なことと苦手なことがある。得意なことを親も発揮できることが大事だと思います。

まいちゃん:親自身が自分を愛せているか、個性を受け入れているか。それがあって子どもを受け入れられると思うんです。親としてできることは、自分を好きになること。

ワダケン:レッジョ・レミリアには、オロロージョっていう0〜99歳までの学び場があって、今、それをオンライン上に作ろうと思っています。実は今日のお昼も(介護施設の)お婆ちゃんと一緒に全国の子ども4、5人でオンライン上でタイの現地ツアーをしたんですよ。そうやってオンラインを使うことによって、色んな場所と繋がりを持てる。

どんな習い事をさせるかじゃなくて、「あの人に会いたい。」と思える人をたくさん作ってあげることが、特に10歳以降の子どもには大事なんじゃないかなと思います。

教育は未来への投資だっていう考えが広がっているけど、そうじゃなくて、教育は明日の暮らしを幸せにするためのものだと思っています。未来の選択肢を増やそうとするのもいいけど、子ども自身は、元気よく走り回ってる今が幸せじゃないかな。

ー 学びと遊びの違いとは?

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まいちゃん:遊びも全部学びだと思っています。保育士をしている時に、子ども達は遊びからたくさん学んでいるのに、小学校に行ったら1年生は、”まだ何もできない子”になってしまうということを聞いて悔しい想いをしたことがありました。学年が上がると特に、遊びよりも「勉強しなさい」になる。遊びって余白だと思っていて、その価値はasobi基地にも込めました。

ワダケン:レッジョ・エミリアには、「100の言葉」っていう詩があるんですね。子どもは100の言葉を持ってるけど、大人が99を奪ってしまってる、という内容です。子どもはりんごを紫色に描いたのに、大人は「赤でしょ!」と言う、みたいな。

僕自身、今喋ってても遊んでるか学んでるかわかんないです(笑)もし、遊びと学びが違うとしたら、学びには成長の向きがあること。学びには気付きがあって、そのきっかけを子どもにどう持ってもらうかだと思っています。

まいちゃん:本当に、大人自身が学んでいたり、楽しんでいたり、日々の驚きに感動したりってすごく大切で、そうじゃないと子どもは大人になりたいとは思わないと思うんですよね。

ワダケン:学校での子どもの学びって、画一的で同年齢同質の人が揃ってるんですよね。でも社会に出た後の世界はそうじゃない。異年齢異質の人とそれまでコミュニケーションとってきてない訳ですよね。上手くやれてる人の方が奇跡だなと思っていて。小さい時から色んな年齢層の人と知り合う経験は素敵だなと思います。

今僕が作ろうとしている学び場では、「子どもってすごい」を見える化したいと考えています。具体的には、社会課題を実際に子ども達がお金を使いながら、子ども達の力で解決することを経験してもらう内容です。そういうことは、小さいうちからできることで、「できない」と蓋をしているのは、私たち大人ではないかと思っています。そういう場があると、学力じゃない軸で「私ってこれでいいんだ」と思えるかもしれない。そんな学び場を作りたいと思っています。

ー まいちゃん、ワダケンありがとうございました!

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最後に

イベントの後には、アンケートやメッセージで色んな方から嬉しいコメントをいただきました。その一部をご紹介します。

1時間じゃ短いぐらいでした笑 もっと教育についてお話したいですし、はっぴーの家にもお邪魔したいです!最高の学びの機会でした、ありがとうございました!
学校で疲弊しているのは子どもだけじゃなくて先生もなので、みんなが楽しい時間を過ごせる場であってほしいと思いました。
このような考え方の大人が増えて、豊かなにしなやかに子育てをできる社会にしたいとまた強く思えた時間でした。ありがとうございました。
あっという間の時間でたのしかったです。
まいちゃんが言ってたように、地域のひとたちともっと関わったり、自由に遊んだり、いろんな人と出会う場があるといいなぁと改めて思いました。地域の場づくりをわたしも進めていこうというエネルギーをもらいました!
わだけんさんの話も面白くて、0歳から100歳までの学びの場@オンライン楽しそう!応援してますー。


私にとっては可能性を感じるこのコミュニティが、これからどんな風に変化していくのかは分かりません。

こうして作った小さな場の想いが、参加してくれた方やその周りの方へと少しずつ広がり、ゆっくりでも変化が生まれると嬉しいなと思います。

次回は6月17日(水)に開催。トークするのは育休中の現役小学校教員のくっしー(楠本美央)と、英語と日本語どちらも教えられるバイリンガル教師あゆみん(澤田あゆみ)のお2人です。



最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。