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教員時代に受けたかった、子どもの能力を伸ばす関わり方を学ぶ【探究ナビ講座】

探究型の学びを実践する「ラーンネット・グローバルスクール」。先日、そのスクールが主催する「探究ナビゲータ講座」を受けてきたので、その体験を記事にまとめたいと思います。

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ラーンネットで大切にしている教育

「ラーンネット・グローバルスクール」には、子どもの好奇心や探究心を刺激することで、個々が持っている能力を伸ばしていく役割を担う大人(「ナビゲータ」と呼ばれています)がいます。

知識を詰め込んだり競争させるのではない。そして、子どもの好きなように何でもやらせる放任でもない。子どもが持っている能力を信じ、子どもが心から「やりたい」と思う気持ちを大切にする教育を実践しています。

神戸・六甲山の自然豊かな環境で学べることは、そんな教育ができる1つの要素だと思いますが、それだけではもちろん不十分です。子どもと直接関わるナビゲータは、一体子どもの何を見て、どんな関わりをしているのでしょうか?それを学べるのが、この「探究ナビゲータ講座」なのです。

「探究ナビゲータ講座」で学ぶこと

参加者は、先生と呼ばれる立場の方ばかりかと思いきや、決してそうではありません。参加者は私を含めて10名で、子育て中の方や会社員の方、もちろん先生も。実際に講座を受けてみると、子どもとの関わりだけではなく、大人同士が関わる場面でも活きる内容だと感じました。

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講座は対面で丸2日間。スクールがある六甲山でディスカッションやロールプレイングをしながら学びます。対面の講座を受講する前後には、動画やオンラインでの学びもあります。(2021年4月現在は接触を最小限にするため、このような内容になっていますが、以前は宿泊したりと、もっと長い時間を共にしながら学ぶプログラムを実施していました)

参加者が実際に集まって学ぶときには、講師の方の話を黙って聞く時間は少なく、ほとんどがディスカッションやロールプレイングです。3〜5人のグループで「ナビゲータ役」と「子ども役」に分かれ、それぞれが役になりきって演じてみるのです。

私は「上手く演じられるかなぁ?」なんて思っていましたが、そんなことは全く関係ありません。それよりも、「役を演じてみてどう感じたか?」を自分で感じ、共有することこそが大切。受けてみてそう感じました。

ロールプレイングは何度も行うので、全員が「ナビゲータ役」と「子ども役」の両方を体験します。

「子ども役」を演じてみて気づいたこと

「私のことをもっと見てほしい。認めてほしい」

子ども役として、母親や先生とのやりとりを体験しましたが、大人が他の兄弟や周りの子どもばかりに注意が向いていると、なんだかとても寂しい気持ちになるのです。もっと見てほしいし、認めてほしい。

「〇〇ちゃんは絵が好きなんだもんね」「今度、お母さんと一緒に行こうね」そんな何気ない一言だけでも、とても嬉しいものなんだと体験してみて知りました。

「ナビゲータ役」を演じてみて気づいたこと

介入しすぎ、喋りすぎ、コントロールしすぎ

子どもの話を聞こうと必死に耳を傾けましたが、実際は私が解決策を出すための情報収集のような側面もあって、無意識にあれこれと答えを出してしまっていました。

そうすると、子どもは「先生が答えを出してくれるんだ」と思って、自分で考えることをやめてしまうのです。

「子ども達は、自分で問題を解決する力を持っている」それを意識して臨んだ2回目のロールプレイング。

私が答えを出さなくても、本当に子ども同士(実際は大人ですが)が目を合わせて、するすると問題を解決していきました。

座学ではなく、実践から学ぶ

私は教員をしていた頃、生徒同士が何か問題を起こすと、私が解決するために必死だったような気がします。

責任感からきているのかもしれませんが、その行為は本当に「子どものことを信じている」と言えたでしょうか。答えを出すことを子どもに委ねないことで、子どもが自分で問題を解決する力を奪っていたのだと、今ならそう思えます。

大人が答えを出さなくても、子どもは問題を解決する力を持っているし、大人が子どもの能力を無理に伸ばそうとしなくても、子どもは自分の「好き」を見つけてどんどん伸びていく。それを感じられる時間でした。

私自身は、これまでにも講座を受けたり本を読んだりして、上に書いたようなことは知っていました。

子どもは大人に見て欲しいし、認められたいと思っている。そして、子どもは自分で解決する力を持っているから大人は介入しすぎないこと。それが大切。

これを読んでくださっている方も、知っているはずです。

「子どもはそんなに認めなくていい」
「子どもには問題解決する能力はないから大人がした方がいい」

そう思っている人は、恐らくほとんどいないでしょう。

でもなぜか、できないのです。知っているけど、できないのです。
知識として知っていても、実際にできるかどうかは別である。それを学べるのも、この講座の良さだと思います。「子ども役」も「ナビゲータ役」も演じてみることで、本当に自分自身がその立場の気持ちになることができます。

そして、もう一つの良さはなんと言っても参加者同士が仲良くなることだと思います。(宿泊だったら良かったのに…と残念な気持ちになるくらい)

ディスカッションやロールプレイングを繰り返すので当然と言えばそうなのかもしれませんが、元々このような講座に申し込みをして参加する人の集まりです。

全員に共通しているのは、「子どもの能力を伸ばす関わり方を学びたい気持ちがある」ということ。そんな仲間と出会い、共に学べる時間。最高だと思いませんか。


その他、東京やオンラインでの開催もあります。気になる方はぜひチェックしてみてください。


また、以前「ラーンネット・グローバルスクール」にも見学に行ったことがあります。そのときの様子を紹介した記事があるので、良ければご覧ください。



最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。