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「待機児童」は保育園だけではないって話

2019年4月、我が家に第一子の娘が誕生し、東京都目黒区にて出生届を出しました。

それから1年が経ち、世間はコロナ禍まっただ中ではありましたが、2020年4月に娘は近所にある保育園の0才児クラスに無事入園できました。

目黒区、全然保育園入れないぞ」と散々噂を聞いていたのですが、フタを開けてみたら令和2年度の目黒区の保育園待機児童数はなんと「0」。区政が解決に動いてくれた賜物。感謝しかないっす。

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こちらが目黒区の保育園の待機児童数の推移。平成29年度は600人を超えていたのに令和2年度はキレイに「0」でした。

「なんだ、日本の待機児童問題は解決されてるじゃないかー」と浮かれていたのですが、ところがどっこい、待機児童は「保育園」だけではないらしいです。新米パパの私は全くその事実を知りませんでした。

小学生が放課後を過ごす「学童保育」の待機児童数は2019年全国1万8000人もいて、保育園を上回りました。共働き家庭の壁はここにもあるんですって・・・。

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放課後NPOアフタースクールさんの資料から抜粋

都会では学校帰りの子供をそこらへんで放牧しておくわけにもいきません。ドラえもんに出てくる「土管の空き地」のような場所があったとしても、安全性の面から子供だけで遊ばせておくといのうはもう「昔の話」になっています。

「共働き」を推進する日本社会においては、学童保育の利用児童は増える一方で、対策が間に合っていないのが日本の現状です。

そんなことをFacebookで投稿したら都内在住の知り合いパパママからこんなコメントが寄せられました。

目黒区の待機学童は本当に深刻です。枠の取り合いになっている状態です。
しっかり預かってくれるから保育園は天国だけど学童は本当にぎゅうぎゅうで大変だよ...しかも小学生自体の数も増えてるという。。(@新宿)
新一年生の息子、学校の学童入れてますが、来年は厳しいかと。保育園幼稚園時代から、童活(私立)してる方もけっこういらっしゃいます。

次々と現状を共有され、事態の深刻さが伝わってきました・・・。しかし、そんな現状を嘆きながら、行政の対応を待つばかりではいけません。

今回、NPO法人グリーンズでは「放課後」領域のフロントランナーである「放課後NPOアフタースクール」さんと一緒に、コロナ禍によって改めて見直されている「放課後」のあり方についてみんなで考える機会をつくることにしました!

保育園にはなかなか地域の大人が関わる機会は作りづらいものですが、小学校の放課後にはいい感じに「余白」があるみたいです。そんな余白にこそ、ともにつくる「公共」の可能性があるのだとアフタースクールさんの活動を見てて思います。

先日、WEBマガジン「greenz.jp」にて2本連続で「放課後記事」が公開されました。 放課後にまつわる社会課題の背景から、未来の可能性までギュッと詰まっています。子育てに関わる人には週末にでも読んでもらえると嬉しいなと思います◎

1本目:“塾とゲーム”に依存した時間を、子どもが自己決定できる“ゴールデンタイム”へ。学校を舞台に安全で豊かな放課後をつくる「放課後NPOアフタースクール」の現場を訪ねて。

2本目:大人がお膳立てした予定調和な成功よりも、失敗が価値に変わる本物の体験を。「放課後NPOアフタースクール」平岩国泰さんと考える、放課後を子どもたちの手に取り戻すために、私たちができること。

特に2本目で紹介している代表・平岩さんの言葉は、親の心に響いてくるものがあります。

いまの子どもたちは大人がお膳立てした予定調和が多い世界で生きている。学校も習い事も、ゲームの世界もみんな失敗させないように組まれています。

もちろん成功体験も大事ですが、失敗から学ぶこともたくさんあります。だからもっと失敗できる余白が社会にあったほうがいい。

学校も先生も子どもたちも親も、いまの社会には余白がないことがとても気になっています。余白があることは、子どもに選択する余地があることにつながりますから。


2月26日(金)の夜には、このテーマで自分たちができることを考えるイベントを開催します。ゲストには放課後NPOアフタースクール代表 平岩国泰さん、逗子の自然をいかした親子コミュニティ「そっか」を運営する小野寺愛さんをお招きします。「自分の地域の放課後について気になってる」って人には気軽に参加してもらえると嬉しい!お待ちしております〜◎

▼詳細はこちら

植原正太郎 NPO法人グリーンズ COO/事業統括理事
持続可能な社会づくりのヒントを発信するWEBマガジン「greenz.jp」を運営するNPOグリーンズで健やかな経営と事業づくりに励んでます。都会のど真ん中に畑をつくるURBAN FARMERS CLUBの理事もやってます。山で暮らしたいけど、海釣りもしたい一児の父です。サステナビティを学ぶスクール #サスカレ 運営中。

Twitterやってます。よかったらフォローしてね→ @little_shotaro

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