見出し画像

未知空間の恐怖/光る眼/親の顔が見たい

※物語の結末に触れています。

 イギリス南部の村で、村人たちが一斉に気を失うという不可思議な事件が起こる。その2か月後、村の妊娠可能な女性全員が妊娠し、12人の子どもが生まれた。その子どもたちの成長速度は通常の3倍で、3年目には就学児童並みの肉体と、大学教授並みの知能を有していた。彼らは恐るべき能力を発揮していく。
 主犯格の子どもデイビッド(マーティン・スティーブンス)をはじめとする子どもたちが、無表情で眼を光らせて大人を洗脳する様子は不気味極まりない。手段として他者の命さえも奪うことをいとわない彼らの、真の目的がわからないところが不気味さをよりかきたてる。
 デイビッドの父親ゴードン(ジョージ・サンダース)は妻や村人を守るため、作動させた時限爆弾を鞄に入れて子どもたちと対峙する。超能力を扱う子どもたちに心を読まれないため、必死に頭の中に壁のイメージをつくる。 
 仕掛けられた攻撃のため精神の壁が破壊され爆弾の時計が露わにっていく攻防戦がこの映画のハイライトであるが、勝負の結果を悟ったときのゴードンの妻でありデイビッドの母親であるアンシア(バーバラ・シェリー)の表情に一番感情を揺さぶられた。

この記事が参加している募集

映画感想文