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人類SOS!トリフィドの日/最期の星空

※物語の展開に触れています。 

 流星群が降り注いだ夜、その夜空を見上げた世界の多くの人々は次の日失明していた。さらに、トリフィドという食肉植物が目の見えない人間を襲いながら繁殖を続けていた。偶然、目の治療後で夜空を見ていなかった船員ビル(ハワード・キール)は、同じく失明を免れた少女スーザン(ジャニナ・フェイ)と生き残るため旅する。同時期、灯台で研究を行う生物学者のグッドウィン夫婦(キーロン・ムーアとジャネット・スコット)も、トリフィドと抗戦する方法を模索していた。
 同じ夜空を観た全員が突然失明するという事件は、原作者ジョン・ウィンダムの別の小説「呪われた村」(映画「未知空間の恐怖/光る眼」の原作)で、村の妊娠可能な女性が全員突然妊娠するという不可解な事象と似ている。どちらも、身に覚えがない身体の変化が同時多発的に起こり、社会に混乱を引き起こしている。

 トリフィドの大群がゆっくりと着実にビルやスーザンたちに向かって襲い掛かって来た時、彼らが電気柵を使って防衛したり、アイスクリーム販売者で音を出して別の場所に群れを誘導したりする。これらのシーンや主人公が病院で目覚めると世界が変わっていたという導入部分は、後のゾンビ映画に大きな影響を与えた。この映画は、人類が未知なる脅威に立ち向かう知恵と勇気を持っているはずだという希望を見せてくれる。

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