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わたしわのわはは

"わたしわのになるの。もー、何回言ったらわかるの"

何回言われてもなぜそうなるのか分からないから分からないのだ。

それでも怒られるのが嫌で、黙って言われるがままに書き直す。
なぜそうなるかも分からず。
ノートも宿題のプリントも涙でいつもくしゃくしゃ。

小学生の頃、私は文を書くということがほんとに苦手だった。

国語が大の苦手だった私は"拗音"(ゃ、ゅ、ょが付く文字)を覚えるのもひと苦労。

母: じゃは、じと...??
私: じゃは じ と あ
 
音は声に出せるのに文字におこせない。

"あ"は小さくならない!!と言われても、分からない、だってそのルールが頭に無いのだ。

私が泣きながら覚えた方法は
じゃを少しずつ伸ばして声に出して言ってみるという方法。
じゃ、じゃー、じいいいいや、じーや、じーやぁ
と伸ばすことでどの音の組み合わせかをやっと見つけ出すことができる。

毎回口に出して何度もノートに書いてたのを思い出す。

単純なことだけれど、50音ある中のハマるピースを見つけるのは、ほんとに難しかった。

読点の付け方は未知の世界。
大人になった今でもよく分からない。

"読点は息継ぎをするところにつけます"
今でも覚えてる先生のこの言葉。

この言葉がどんどん私の脳を困らせる。

"息継ぎをする場所は決まっているのか"と、
私の頭は読点→息継ぎに転換してしまい、ほぼ読点が無い文を提出した。
そう、読点の付け方が分からなかったのだ。

訂正だらけで真っ赤になったノートがまた手元に戻ってきた。恥ずかしくて悔しかった。

教科書を見てみなさい。
と言われ教科書を開くとそこに書かれていたのは

"私は、"

なぜ??そこで息継ぎが必要なのか??
はじめの4文字目で"、"が付くなんて聞いてない。

私の頭はまたパニックを引き起こす。

なかなか理解できず先生たちを困らせていた。
次第に大人の顔色を見て、表情から正解か不正解かを感じ取るようになったわたしは、解決しないまま言われるがままに、誰が決めたかも分からないルールを頭に刻んでいく。

どんどん吸収し、順応していくみんなが羨ましかった。みんなと足並みを揃えることすらできなかった私にとっては。

クラスに数人いる気になる子でも、大人になると案外順応していく。
だからそこまで悩まなくていい、分からなくていいと大人になって実感する。

とはいえ、今になっても日本語が弱いと言われるのは事実。

言葉を雰囲気で覚えてしまう癖は未だに治らない。と分かっていて改善できない私は、ただの怠け者。

最後までお読みいただきありがとうございました!!

#小学生 #思い出 #エッセイ #癖

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