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「かぐや姫」全3幕 世界初演:東京バレエ団、金森穣(東京文化会館)

かぐや姫が村の青年と恋仲になるが、帝の側室とされてしまう、という設定らしい。

かぐや姫と青年の踊りが、恋している感じがまったく伝わってこなかった。

翁(妻は今はいないらしい)はステレオタイプ的に描かれており、コミカルな役回りのようだが中途半端。

帝の正室(妃)のダンサーの踊りがよかった。

冒頭のダンサーたちの群舞で、人が竹になって竹林を表現している振付などはまあまあ面白かった。ラストでかぐや姫が月に還る演出はもっとなんとかできたのでは。

録音音源のドビュッシーの曲は、使い方がいかにもだったり、興ざめのシーンが多かった。本当にドビュッシーでいきたかったのか、予算がなくてオリジナル楽曲でできなかったのか?

東京バレエ団として外国の人にも受けが良い新作レパートリーを作りたかったのかなと思ったが、1幕ずつ制作して1幕ずつ発表し、改良を重ねてきたという割には完成度が高くはないと感じる。もったいない出来。

作品情報

音楽:クロード・ドビュッシー
演出振付:金森穣
衣裳デザイン:廣川玉枝(SOMA DESIGN)
美術:近藤正樹
映像:遠藤龍
照明:伊藤雅一(RYU)、金森穣
演出助手:井関佐和子
衣裳製作:武田園子(Veronique)

【東京公演】
10月20日(金)19:00
かぐや姫:秋山瑛
道児:柄本弾
翁:木村和夫
影姫:沖香菜子
帝:大塚卓


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