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韓国映画『お嬢さん』邪悪・残酷・美・強靭さを描くミステリー

1939年、日本が植民地支配していた朝鮮半島が舞台。孤児として育ちスリなど詐欺をして生活する少女スッキ(キム・テリ)は、詐欺師の通称「伯爵」(ハ・ジョンウ)が持ち掛けてきた話に乗り、メイドの珠子として、日本人家族の豪邸に雇い入れられる。仕えるのは、そこで横暴な叔父とともに暮らす令嬢の秀子(キム・ミニ)。

5歳のときに日本から韓国にやって来た秀子は外の世界を知らない。スッキの使命は、秀子を伯爵と結婚させ、財産を奪うことだったが、2人の孤独な少女は次第に引かれ合い――。

原作は、イギリスの作家サラ・ウォーターズのミステリー小説『荊の城』(いばらのしろ、原題:Fingersmith)。

二転、三転する展開と、美しく残酷で気持ち悪い描写と映像が見どころ。

最も極悪に見えるのが日本人のある人物で、日本の本とされるエロティックな内容の朗読が、韓国俳優のなまりのある日本語発音で朗読され、なんとも複雑な気分にもなりつつ、うまくできた映画だと思う。

主人公の少女たちを演じた2人の俳優が魅力的で、演技もすごい。叔父役と伯爵役も、よくもここまで嫌らしく邪悪な人物を演じられるものだと感心する。

性描写も残虐なシーンも結構激しいので、公開時はR18だったようだが、その後の配信ではもしかしたらR15になっているかもしれない。しかし、内容としてはR18レベルではないかと思う。

公開時に気になっていたものの、怖そうで見られなかったのだが、期間限定の無料配信でうっかり見てしまった。確かに直視できない場面もあったが、引き込まれて一気見した。怖がりの人も、一部目を隠しながらなら大丈夫だろう。

作品情報

2016年製作/145分/R18+/韓国
原題:Ah-ga-ssi
配給:ファントム・フィルム

監督:パク・チャヌク(『オールド・ボーイ』『渇き』)

出演:
秀子役 キム・ミニ
スッキ(珠子)役 キム・テリ
藤原伯爵役 ハ・ジョンウ
上月役 チョ・ジヌン
佐々木夫人役 キム・ヘスク
叔母役 ムン・ソリ

製作:パク・チャヌク、シド・リム
製作総指揮:マイキー・リー
原作:サラ・ウォーターズ
脚本:チョン・ソギョン、パク・チャヌク
撮影:チョン・ジョンフン
美術:リュ・ソンヒ
衣装:チョ・サンギョン
編集:キム・サンボム、キム・ジェボ
音楽:チョ・ヨンウク


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