リチウム

内田舞・浜田宏一著『うつを生きる 精神科医と患者の対話』を読んだ。読んだといってもほとんど読んでいない。パラパラとめくっただけだ。なぜこの本を買ったのかというと、加藤忠史さんが記事で書いていたからだ。

題名に「うつを生きる」とあるが、実際は躁鬱病らしい。浜田宏一さんの体験談や、精神医療のことや経済学のことやら色々書かれていたが、鬱でヘロヘロの僕には難しく感じて読めなかった。ただ、浜田宏一さんが鬱で入院している時に躁鬱病と診断され、リチウムを服用されたあたりから調子が良くなったというのは分かった。そこだけしか読めなかった。

NIRVANAの曲にも『リチウム』という曲がある。リチウムといえば躁鬱病の薬だ。僕は加藤忠史さんが書かれた分かりやすい躁鬱病の本を3冊くらい読んだことがあるが、リチウムをかなり推されている印象だった。

僕は一応、躁鬱病と診断されているが、このリチウムを処方されたことはない。躁鬱病と診断されて、3件ほど病院に行ったことがあるが、やはり処方されたことはない。どうやら調べると、このリチウムは中々厄介な薬らしい。中毒域が何たらで採血が必要らしいし、ロキソニンみたいな薬と併用すると血中濃度が何たららしい。僕は今精神科病院に通っているが、3件中2件はクリニックだった。僕の通っていたクリニックでは採血ができなかったので、処方されなかったのかもしれない。

ある時、「リチウムってどうなんですか」と偉そうに聞いてみた。すると、作用機序が分かっていないやら、何たらで出さない、と言われた。今の主治医に聞いてみてもいいかもしれないが、なんかもう薬のことを患者側から言うのはおかしい気がして、聞くに聞けない。また、僕は激しい躁状態がないからリチウムが処方されていないのかもしれない。実際のところはよく分からない。ただ、浜田宏一さんのようにリチウムで良くなったなら、リチウムを飲んでみたいと思ってしまうではないか。

僕はもう、うつ病や躁鬱病の本は読まないと誓ったのだが、やはり気になって読んでしまう。ただ、今回この本は読めなかった。なんというかこういう感じの本を読むと参ってくるのだ。内田舞さんや浜田宏一さんに興味がある人や、鬱に興味がある人や、鬱が治った人や、加藤忠史さんのような研究者向けの本なのかもしれない。鬱でヘロヘロの当事者には読めたものじゃなかった。もう坂口恭平の『躁鬱大学』か『神田橋語録』みたいなのを気が向いた時に読むくらいが良い。

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