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たまたま読んだ本5:「1位思考」後発でも1位になれる。全体を見る大局観と愚直にこなす。地頭力は思考回数の蓄積で決まる。さあ今からでも遅くない。


1位思考

数年前のこと。
雑誌か何かで、アンカーの小型PC電源の広告を見た。
その記憶のせいで、小型のPC電源が必要になった時に、量販店で探していたところ、たまたま店員が、アンカーはもともと電源でなく変圧器か何かのメーカーだと他のメーカーを勧めてくれた。
そんなものかと思い、そのメーカーの方が安かったこともあってそれを購入したことがある。もちろんその電源は小型で今も調子よく使っている。
今から思うと、多分創業日の浅い中国企業の日本法人、アンカージャパンの知名度はもう一つなかったのだろう。

それが今や業界第1位の販売実績を誇るらしい。確認したわけではないが。
その立役者が、著者のアンカーCEO、猿渡歩(えんど あゆむ)である。
多分マーケティングがうまかったのだろうとしか思っていなかったが、
この本を読むと、さすが経営者としての哲学というか思想というのが見えてくる。

今の時代、会社が守ってくれないなら、あなたは今すぐ「1位思考」を身につけるべきだ。食いっぱぐれないどころか、より上を目指せる存在になれる。
挑戦は何歳からでもできる。むしろ挑較しないことが後退である。
と発破をかける。

本で説いている1位思考には、次の6つの習慣が解説される。
1)全体最適の習慣、2)バリューを出す習慣、3)学ぶ習慣、4)因数分解の習慣、5)1%にこだわる習慣、6)サボる習慣

1)全体最適の習慣では、著者が一番大切にしていると強調する。
部署・部門をまたぐ仕事で、「それは私の仕事じゃない」と考えるより、「全体を考え、協力しながらやろう」という意識があると、会社だけでなく個人の成長スピードは格段に速くなる。

これは経営者にとって都合のよい言葉に聞こえる。
だが、実際、全体を考えながら大局観をもって仕事すると、経営者意識が育まれ、からなず自分は成長する。ただ、偏狭な上司や仲間がいると工夫は必要になってくるだろう。
この本には書いていないが、人が生きる上で一番重要なものは、「至誠」、「利他」である。
職場のために仲間のためにすることは、決して損なことではない。
それが財産になるのである。損な役回りだと思わないで財産を築いていると思えば仕事も楽しくなるだろう。

2)バリューを出す習慣では、少しずつの良い習慣が人を大きく成長させると説き、その仕事にかかわることで自分がどんな価値を付加できるかを常に考えることが大事であるという。
しかし、自分勝手な判断で大きくそれた価値には要注意だろう。

3)学ぶ習慣では、自分の知織以上のバリューは出せない。地頭の良さは学ぶ習慣によって身につけられる。地頭力は思考回数の蓄積で決まる。と断定する。
今の時代、これだけはやっておくべき2つの学問は、会計と英語を推薦する。
確かに、英語はできて当たり前の時代になってきた。会計は上級職に就くほど経営を知らなければならないので基本的素養ともいえる。
 
4)因数分解の習慣とは、分けて考える習慣のことである。分解して考え、仮説を出すことで思考時間を圧倒的に短縮する。「仮説が先でデータが後」で仕事が一気に速くなると強調する。

何事にも原因や影響、対処法などがある。初めからデーターとにらめっこするよりは、想像をたくましく仮説を先に立ててデータを検証する方がスピード感がある。
意思決定が遅い会社に入れば、自分の成長スピードも遅くなる。とはその通りだ。

決断の遅い企業や朝令暮改の企業は、職員が振り回され、疲労困ぱいする。たまに見かけるがそんな上司のいるところは、伸びないし、いつも停滞気味だ。結局職員は指示待ちで仕事が進まない残念な職場と化してしまう。

5)1%にこだわる習慣とは、99%で良しとせずに100%に向けて努力をすることらしい。最後の詰めが勝敗を左右するわけだ。

また、嫉妬する、「だって」と言う、マウントを取るは、3大ムダだと排除する。他人を下げても自分は向上しないし、ミスの責任は承認した上司にあるが、挑戦する環境をつくるのも上司の仕事であると、付け加える。

最後に6)サボる習慣。おおっと思ったかもしれない。
息抜きが必要だということである。
リラックスしていると、様々なアイデアが浮かぶ。その通りだが、いいのは体を軽く動かしている時だ。自転車に乗っていると様々なアイディアが浮かぶが、自転車を漕ぐことはほぼ自動でなされ、頭は退屈だから自由に様々なことを考え始めるのだ。散歩しながらもよいだろう。

習慣化されることは大きな力となる。
方向性が定まった後は、愚直に量をこなしたほうが早くゴールにたどり着ける。ウサギと亀のように一歩ずつ積み重ねていくわけだ。
目標設定が高すぎると継続が難しくなるので、「ちょっとだけ頑張る」という小さな目標設定にある。習慣=目的×とっても小さな反復だとそのコツを披露する。

最後に面接を通過する10のコツというおまけまでついている。

若い人にだけでなく、何かに挑戦しようとする人には、参考になることが多い。でもこのままでなく、自分に合うように考えていくことが大事であろう。
何事も成功者の成功談は、その人だけのものだ。自分に合うようにカスタマイズして愚直に継続でき、習慣化できるかどうかにかかってくる。
レッツトライ!

1位思考
―後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣

出版社名:ダイヤモンド社
著者名:猿渡 歩(著)
発行年月日:2022/11/29
ページ数:264ページ
¥1,650

著者プロフィール
猿渡歩[エンドアユム]
アンカー・ジャパン株式会社代表取締役CEO。アンカーストア株式会社代表取締役CEO、EAコンサルティング合同会社CEO、他数社の社外取締役や顧問も務める。Deloitteにてコンサルティング業務やIPO支援に従事後、PEファンド日本産業パートナーズにてプライベート・エクイティ投資業務に携わる。アンカーの日本事業部門創設より参画し、同部門を統括。参入したほぼすべての製品カテゴリーでオンラインシェア1位を実現するとともに、創業9年目で売上300億円を達成

トップの写真:ビジョザクラ 

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