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入院の良さ・外来の良さ

 私は甲状腺乳頭がんの治療や検査で、入院での治療も外来での治療も経験しました。特に、アブレーション(甲状腺全摘手術後、とり切れなかった細かいがんを、放射線を含む薬を飲んでやっつける治療)の治療と、このアブレーションの結果を確認するための検査は、全く同じ流れで進みます。(2週間の食事制限後、タイロゲンの注射を2日連続で打つ→翌日放射線ヨードカプセルの服用→数日開けてシンチグラフィー検査・採血→結果を確認)アブレーションは入院で、アブレーションの結果の検査は外来で行ったので、「同じ行程を、入院と外来で体験する」という珍しい経験ができました。どちらも経験して感じた、それぞれの良さを改めて考えてみました。(アブレーション後の検査も、入院でもできるとのことでしたが、私は外来を選びました。)

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入院の良さ:①自分でのスケジュール管理が不要で、ある意味ラクチン:外来での検査では、4日間通院し、注射をしたり、放射線ヨードカプセルを飲んだり、シンチグラフィの検査をしたりしました。注射は2日連続でこの時間帯に通院、3日目にはヨードカプセルを飲んで、シンチグラフィーはこの時間に、などなど、厳密に通院スケジュールが決められており、「うっかり病院に行き忘れたらどうしよう…」という不安が、期間中は常にありました。「2日連続で打つ注射の2日目に病院に行きそびれたら、また1日目からやり直しかなあ…」とか、「うっかり忘れたら、1本10万のタイロゲンをまた注射することになるのか?!お財布にも厳しいぞ!!」などなど、検査そのものではなく、スケジュール管理でドキドキすることが多かったです。

 また、スケジュールの中で、下剤の服用が必要だったり、クエン酸を舐める日が決められていたり…と注意するべきことがたくさん。カレンダーに大きく予定を書いたり、部屋のわかりやすい場所に「今日の夜下剤飲むこと!」という張り紙を貼ったりして、やるべきことを忘れないよう細心の注意を払って生活していました。「うっかり忘れたら、困るのは自分だぞ!気をつけろ!」と常に自分に言い聞かせる日々でした(笑)

 入院でのアブレーションの時も、事前に予定表をいただき、流れは把握していましたが、ここまで「自分が忘れないようにしなきゃ!」という緊張感はありませんでした。外来での検査を経験して、「完全に管理してもらう」ことの楽さを改めて感じました!

②治療以外の心配事がない:今回の一連の検査の期間、「検査そのもの」以外での心配事もいろいろありました。

 まずは、何といってもコロナウィルスのこと!何度も公共交通機関で通院することになるので、自分が感染しないかハラハラ。この検査が全部終了するまでに自分に何かトラブルがあれば、また食事制限2週間からやりなおし、ということになるはず!!そんなの嫌だ~~!!!とドキドキ。また、台風の影響で、各地で土砂崩れなどの被害も出ていた時期だったので、天気のことも心配でした。

 実際、この検査期間中、電車遅延があった日がありました。病院に向かっている時だったので、予定時間に間に合うか不安でいっぱいに。結果的に間に合ったので良かったのですが「…こんなトラップがあるとは…」とドキドキしました。

 入院の場合、入院前のPCR検査はありますが、それをクリアしていったん入院してしまえば、この類の心配は一切なし!「入院って『自分の治療』に専念できる場所なんだな」と、当たり前のことに改めて気づかされました。

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外来の良さ:①自由度が高い:通常通りの日常を過ごしながら治療ができるので、メンタルの落ち込みはほとんどなく過ごせました。また、家族にとっても生活の変化が少ないので、入院よりも負担が少なかったかな~と思います。

②入院費がかからない:個室に入院したりすると、入院費もかさみます。また、入院のために準備しなくてはいけないものがあったりして、それをそろえるにもお金がかかります。やっぱりお金の面は大きいですよね…

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 この外来の検査の前までは、「入院と外来だったら、断然外来がいいに決まってる!!入院は絶対いや!!」と思っていたのですが、実際経験してみると、入院にも良さがあるんだな~という気づきがありました。あくまでも私のケースですが、入院でも外来でもできる治療を控えている方がいらしたら、よろしければご参考まで…最初から決めつけずに、色々なケースを想定しながら決めることをオススメします♪


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