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コミックエッセイ「がんの記事を書いてきた私が乳がんに!? 育児があるのにがんもきた」を読みました

 がんの記事を書いていたライターである藍原育子さんが、乳がんになった体験を綴ったコミックエッセイ「がんの記事を書いてきた私が乳がんに!? 育児があるのにがんもきた」を読みました。甲状腺がんと乳がんと種類は違いますが、共感できることがたくさんありました。

 このコミックエッセイを読んで感じたのは、藍原さんの責任感の強さ!周りに迷惑をかけたくない、心配をかけたくない、ということで、ご主人以外の周りの方には(両親やお子さん、保育園の先生や職場の人にも)がんの手術をすることを伏せて入院します。でも、その責任感の強さゆえ、1人で色々なことを抱えてより辛かったんだろうな…と感じました。私の場合は、家族や職場の人に伝え(必要最低限の人数ではありますが)話を聞いてもらったり、理解してもらえたことが大きな安心材料になっていましたが、それをせずに1人で戦っていたら、かなり精神的にキツかったと思います。

 ネットで色々なことを調べて不安になったり、治療法に迷ったり、周りの人にどう伝えるか迷ったり、術後にも不安が続いたり、本当にリアルな「がんの体験記」だと思います。がんを経験してから5年後に発表された、というのも気持ちがよくわかりました。手術が成功してもそれでおしまい、というわけではなく、術後の自分の体と日々向き合っていかなくてはいけないので、なかなか「過去の事」にはなりえないですよね…

 この作品は、渦中の患者さん本人が読んだらもしかしたら辛くなるかもしれないなと感じます。(とてもリアルなので)むしろ、がんにかかっていない人、がんの患者さんの周りの人に読んでもらえるといいのではないかと感じました。また、この作品はあくまでも藍原さんの体験であって、「がんの患者全員がすべてが同じように感じているわけではない」ということも理解してもらえると嬉しいです。がんの種類や病状、おかれた状況もひとそれぞれなので、「がん患者」として「みんなこう!」と決められてしまうのは、ちょっと違うなと思うので…

 読後、藍原さんに美味しいお茶とケーキをお出しして「大変でしたね…」とねぎらいたい気持ちでいっぱいになりました!一見するとわからないけれど、色々な人が色々な想いで戦っているよな、と改めて感じました。私もがんばろ。

「がんの記事を書いてきた私が乳がんに!? 育児があるのにがんもきた」
 (メディアファクトリーのコミックエッセイ)
内野 こめこ (著), 藍原 育子 (原著)


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